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第1話 始まりの街イニティウム、の手前

 プロローグよりボリュームはありませんがよろしければお目を通していただければ幸いです。

 さて。異世界と魔法という俺の知的好奇心をくすぐる面白いものを見つけた俺は自称神であるラゼというやつに無償で、むしろあちらから俺に異世界転移してくれとお願いしてきたので詐欺に引っかかるようなつもりで願いを聞いてみたのだが。


 ……とりあえず両脇が森で人ひとりいない街道のど真ん中に俺は立っていた。

まぁ、確かに黒コートも俺の要望通りだし場所も安全そうなのだが殺風景すぎて何とも言えない。ここから200メートルで最寄りの街だっけ?行ってみるか。

 トコトコと歩く。あ、何か建物がいろいろと建ってる。あれが街かな?それにしても凄いな。本当に異世界?中世ヨーロッパ風の建物が並んでる。

 うーん。来てみるはいいけど俺、日常会話が成り立つレベルの英語とかドイツ語くらいしか話せないんだよな。会話通じないで出落ちとか普通にありそうで怖い。


 ま、そうなったらそうなったで適当に考えよう。とりあえず情報を得るのが先決だろう。俺は直線の街道を進んでいく。

 すると俺の目の前にラゼが言っていたスライムが表れる。某有名RPGのように青色ではなく黒色だが、形はとても似ている。よく見てみるととても愛らしいと思っていたら急に俺に突撃してくる。


「うわっ。なにこれ。めっちゃベトベトしてるんだけど」


 そう言いながらも思いっきり蹴り飛ばしたら力尽きたみたいで溶けて地面に染み込んでいく。


「はぁ。めっちゃベトベトなんだけど」


 普通にセンスがいい服が汚れたことに嘆いていると服はスライムの成分を弾き返して綺麗になった。


「……さすが神。やることが違うわ」


 少しだけラゼのことを凄いと思った。





「……どうしてこうなった」


 何故か俺の周りをくるくる回りながら喜色満面の笑み(だと思う)を浮かべているスライムのことを説明するには、数分前の出来事を思い出さなければいけない。





 スライムを息を切らしながらいくら蹴り飛ばしても出現が収まる気配がないのでいい加減走り抜けようと考えていたとき、そいつは現れた。


「色違い?」


 全身真っ白なスライムが現れたのであった。回りが黒一色なのですぐに分かった。だがそのスライムは俺に突撃してくることもなく、むしろ俺から見たら友好的な姿勢であった。

 なぜそのように思ったかというと俺の周りをくるくると回っているからである。その様子を見たほかのスライムはなぜか森の中に去っていった。ボス的なやつなのなのかな?


『カナタさん。こんにちは』

「……は?」


 いきなりすぎて変な声出た。ほんとに唐突すぎて。


『あれ?ラゼ君から聞いてないのかな?魔法神が君にいろいろ教えるって』

「いや。聞いてない。あのクソ神が……」

『あー。よっぽどカナタ君に苛められて悔しかったのかもしれないです。あの人、自分がやられっぱなしっていうの嫌いな人だから』

「まったくいじった記憶もないのだが。どうしてこうなった」

『どうするー?私と旅でもする?しないならまた寝てるけど。百年くらい』

「待て。いろいろこの世界のこと知っているんだろ?じゃあ教えろよ。そのほうが何かと都合がいい」


 怪しまれずにこの世界の常識を聞いたりするのに骨が折れることは分かっていたからこそ、これは案外ラッキーかもしれないと思っていた。


『うわぁ……待て、なんか言われちゃったよ。恥ずかしい……』

「聞いてんのか。そんなつもりで言ったんじゃないんだけどな」

『まさか、これ以上のことをお考えで?さすがカナタさんです』

「違う違う違う!」


 やばい。こいつと話してると調子が狂う。俺のテンポが崩れる。


「もうこの話は終わりだ。とりあえず一緒に来てくれませんかね。この世界の事、全然知らないからさ」

『いいですよ?ラゼ君にも頼まれましたし』

「あと、その姿はどうにかならないのか?白いスライムと黒い男ってまるっきりやばいやつだろ」

『そうですかね。じゃあ私の姿を元にした人間の姿に変えます』


 そう言うと、スライムの姿をグニャグニャと変形させて人間の形になってきた。神って何でもありなのかな。


「これでいいですか?不自然じゃないですかね?」

「お、おう」


 思わず感嘆の声を上げてしまった。白髪の髪に赤い眼、紅眼こうがんというやつだろうか。そして不自然なほど大きい胸。魔法神と言われれば納得してしまいそうなフード付きコート。本来二次元万歳な俺だったが、そんな俺でも少し見とれるくらいの容姿である。


「角と羽をとって少し違和感がありますが大丈夫です!カナタさんのために頑張ります!」

「角と羽くらいつければいいじゃないか。何か問題でもあるのか?」

「あ、はい。魔族は人族に差別的な目で見られるので」


 ……この世界にも他種族迫害の文化があるのか。地球で言うところの黒人差別。まぁ、反対も賛成もしないけど見ていて気持ちがいいものではないな。


「そうか」

「はい」

「あー、あとさ」

「……?」

「カナタでいいよ。その代わりお前の名前も教えろよ」

「は、はい!ラナと言います!よろしくです、カナタ!」

「別に、深い意味はないからな?自分が教えられる立場なのにさん付けされるとかおかしいと思っただけだ」

「もしかして、これがツンデレとか言うやつですか?もしかして私の事が……?やだなー、初対面で……」


 ラナは顔を恍惚とさせながらそう言った。


「断じて違う!」


 ……やっぱりこいつ、ラナと話していると本当に疲れる。まぁ、いい案内係が付いたと思えば大した苦労ではないが。




「カナタ!あれが最寄りの街、イニティウムです!」

「ん、そうか」


 なかなか大きい街だな。ド田舎でも困るけど。その辺は融通が利くようにラゼがしてくれたのだろう。大きい建物もかなりある。


「金とかってどうするんだ?俺、多分一文無しだぞ」

「私の錬金術があります。というかポケットにお金、入ってませんか?」

「あぁ、なんか袋があった。」

「はい。これ、ラゼさんの私物ですから相当入りそうですね。まぁ、持ち主はカナタになっていますが」

「どういうことだ?相当入るって」

「この袋は持ち主の魔力に比例して物が入る量が比例する有限箱リミットボックスです」


 便利なものがあるもんだな。なぜ袋なのにボックスなのかは、突っ込まないでおこう。


「自分が必要なものを頭の中に思い浮かべて取り出す感じで出せるかと」

「ふむ。……おわっと!」


 異世界版の金、金貨とかを想像していたら本当に出てきた。それは空中に出現した後重力に引っ張られて地面に落ちる。


「一定距離以内なら出現場所を指定することもできますよ」

「ほんとに便利だな」

「それじゃあ、早速街に入りましょう」


 俺たちはイニティウムの門に行く。門には兵が二人立っていた。


「はい、プレートを確認させてもらいまーす」


 あー、めんどくさいやつか。そんなもん持ってねぇよ。ふむ。どうするか。ラナも考えているようだ。


「すいませんお兄さん。旅の途中で魔物に襲われてプレートをなくしてしまったんですがどうすればいいですかね」

「再発行すれば街に入れるようになるがどうする?銀貨2枚。二人だから4枚だな」


 兵の人はラナに見とれているようだが、しっかりと職務を果たそうとしているようだ。門番の鏡だな。


「じゃあ、お願いするよ。ほら」


 ポケットに手を入れてさもポケットから銀貨を出したようなしぐさをしてみる。単純に空中に金をいきなり出したら絶対にめんどくさいことになると思ったからだ。


「はい。確かにお預かりしました。では二人とも、こちらへどうぞ」


 案内された先には大きな石が置いてあった。ここに手をのせて何とかって感じかな。これの使い方はいいから仕組みを知りたいものだ。

 俺の予想は裏切らずに兵は簡単に説明をする。


「では、手を置いてください」

「ああ」


 手を置いたら石が光り出した。ちなみにこれは魔力探知石というらしい。これから得た情報をカードに読み込ませることでプレートが出来上がるらしい。文明は俺の世界の方が高いと言っていたが、案外ハイテクだな。


「それでは、少々お待ちください」


 そんなことを考えていたらラナも終わったみたいである。ラナに魔法の使い方でも教えてもらおうかと思った瞬間兵が騒ぎ出した。


「まさか?いや、故障?そんなはずはない。今年に入って新しいものに変えたはずだ……」


 探知石の故障でもあったのか。何やらいろいろブツブツ言っている。ラナに聞いてみるか。


「ラナ、何か知ってるか?」

「……多分あるとすれば」

「おいっ!このステータス、おかしいだろ。故障かな?」


 何やら違う兵に話しかけている。おいおい。早くしてくれないかな。


「いや、故障ではない。少し見てみたが何も異常はない。こいつらの実力だろ」

「そ、そうか」

「すいません。早くしてくれませんかね」

「し、失礼しました。すぐにお渡しします」

「ああ。早くしてくれ」


 そしてすぐにプレートを渡される。


「じゃあ行くか。ラナ」

「はいです!」

「もう通ってもいいんだよな?門」

「は、はい!もちろんであります!」


 さっきからすごい挙動不審だけど何かあったのか?まぁ、俺には関係ないことだろうからどうでもいいか。

 そうして俺たちは門をくぐり抜けてようやく始まりの街、イニティウムに来たのであった。





「ああ。下手すると死んでたな。ひやひやしたよ」

「そんなにやばいやつでしたかね」

「あの男の魔力量にも驚いたが、やばいのはあのお嬢ちゃんだ。あれは規格外だよ」

「しかしあの年齢は……ハイエルフよりも生きてますよね」

「余計な詮索はしないほうがいい。俺たちは門の番人なのだからな」


 今日も門番は、自分の仕事を全うしている。





カナタ

性別:男

年齢:17歳

Lv:3

HP:50

MP:1003500/????????

物理耐性:20

魔法耐性:50500

スキル:詐欺 魔力操作



ラナ

性別:女

年齢:10209歳

Lv:892

HP:2350

MP:930000/930000

物理耐性:23000

魔法耐性:108000

スキル:限界突破 魔力操作 装甲 神の加護 浮遊 自動再生(最上級) 自動魔力回復(最上級) 状態異常回復(最上級) 錬金術


 

 


 ステータスの部分は少しずつ変更していくと思います。ご了承ください。

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