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2.持久力バケモノ爺さん

 テオ爺は村に引きこもってはいるが家からは出ている。毎日朝誰よりも起きて村を走っている。たまに近所の子やお兄さんが一緒に走って鍛えている姿を見る。


 この村は自然豊かすぎて村の大きさが大体0.141㎡分かりやすく例えると東〇ドーム3個分の広さがある。それを毎日テオ爺はランニングで5周くらいする。一般人はテオ爺に付いていくだけでも疲れるのに、当の本人は息切れ1つも無くランニングを終える。


 その後は村の子たちと一緒に山に行っては虫取りをしている。私もテオ爺が主催の山登り隊に所属しているが、結構軍隊みたいなことをする。所属している年齢は私が一番年下で8歳、上は30歳とバラバラではあるがまとまった1つのチームになっている。


 それもそのはず、テオ爺は指示厨なのだ。人に物事を指示して間違えたり失敗したら怒ってくる厄介なジジイだ。自分の思い通りにいかないと怒るのだが、これもすべて魔物と戦う時にどう動けばいいかのシチュエーションを体現させてくれているのだ。


 私達の命は私たちでしか守ることができないこの世の中、いつまでもテオ爺が村を守れるわけでもないから…と必死に指示厨ジジイについて行ってるわけなのだが、このテオ爺は御年960歳である。


 人間の年齢は100歳が長寿でエルフやドワーフが500歳くらいまでと言われているのに対してテオ爺は960歳…ただのバケモノである。なぜテオ爺は人間であるにも関わらず長寿と言われるエルフやドワーフよりも年齢が上なのかには理由がある。


 人間の種族名はヒューマンであるが、魔物で言う上位種みたいな人族がいる。それがハイヒューマンだ。ハイヒューマンは普通の人族と違って体力と武力がバケモノクラスで、一人一人が勇者みたいな力を所有しているが300年前にすべて滅びたと言われている。


 じゃあテオ爺がそのハイヒューマンなのかと言われると違う。テオ爺はエンシャントエルダーヒューマンだ。面倒くさいので略して「AEH(アエチ)」と呼んでいる。私の前世で住んでいた国のどこかの県と似たような名前をしているのは気にしないでくれ。


 ハイヒューマンは「HH(エイツー)」Hが2つあるからエイツーと呼んでいる。ハイヒューマンの上が「AEH」なのかと言われるとそれも違う。「HH」の上がエルダーヒューマン略して「EH(イーチ)」である。


 エルダーヒューマンは魔法に長けた人族という印象が深い。魔力量もハイエルフ(エルフの上位種)の数倍もあり、一人一人が大賢者と言われる世界のインフレを加速させた戦闘集団がいたのだが、魔法無効化の敵が丁度良くその時代に現れて消息を絶った謎の上位種。


 規格外の体力と武力を持つ「HH」と異常なまでの魔力量を持つ「EH」の頂点に立つのが「AEH」テオ爺なのである。テオ爺曰く、他の同族は寿命を迎えて亡くなった感じで不老不死の姿形変えれるテオ爺だけが現代まで残ったと言っている。


 本人で言っているから間違いないけど姿形変えれるって事は、わざと爺さん風に変えているようにしか思えない。


 テオ爺の山登り隊は週に1度のペースでやっているが誰一人として脱落者はいない。何故なら一人一人の山登りメニューがちがうのである。だから山登りという名の修行に置いていかれる事なく自分のペースで鍛える事ができる有能爺さん。


 私達はその有能テオ爺の元で山登り隊を1年間やり遂げる事が出来た。1年間やり遂げた者は卒業が出来る。勿論卒業せず、次なる目標に向って山登り隊を続行することも出来るがかなりマゾな人間がやる所業だ。


 大体の人はこの1年で終える。けど私は一応勇者だから魔王を倒しに行く目標があるのでマゾコース(+1年コース)をやり遂げることにした。意外にも人数がいて、どの人も私と同じくらいの年齢だった。


 私の友達であるトコラム・アルス1個上の少女とハルバード・ミカエル同年代の少年が残っていた。勇者である私と冒険をしたいらしいので私がマゾコースをやり遂げたらなっても良いよと軽い気持ちで答えたら、すぐに了承した。


 それからは過酷な毎日だった、初日から自分より大きい岩を背中に乗っけて崖を命綱無しで登ったり、目隠しをして魔物がいる洞窟に放り出されたりとされたが私達は生き残った。救済処置としてテオ爺が近くで見守っていたから安心感があったのも生き残った理由の1つである。


 私達はマゾコース週2回の山登り隊を無事に卒業することが出来た。私たちの体は練りに練り上げられて体力や魔力だけなら並の冒険者よりも強いと思われる。


 試しに2年前に苦戦したゴブリンと戦ったらゴブリンが動く動作を予測して、先に動いて手刀で倒すことができた。他アルスやミカエルも同様手刀で魔物を倒すことができたことから自身もバケモノの領域に足を踏み入れたんだと感じた。


 でも未だにその洞察力でもテオ爺のマッハパンチの速さを捉えることができないのが、本物との強者の差を感じる。マジでテオ爺が殴った相手の魔物が蒸発していくくらいにしか見えない。


 でもこれでやっと冒険者になれるぞ!と3人で意気込んでいた所…


テオ爺「冒険者は12歳からじゃぞ」


 年齢制限がある事を忘れていた。私達はまだ8〜9歳だからあと3〜4年待つ必要がある。テオ爺は暇になったら山登り隊マゾマゾコースをやって行かない?と誘ってきたけど体力はもういいや。


 もう村を何周しても疲れないし、息切れもしないバケモノになったんだから体力をあげても仕方がないよ。その後私達のマゾコース体験を見ていた親や住民は普通のコースを祈願して気付けば村人全員が山登り隊になっていた。


 そして全員がバケモノクラスの体力を持つようになってしまった。

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