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第5話 俺の腹はラーメン待機中なんだが
野犬退治のあと。
村人たちが俺を担いで広場を練り歩く。
大歓声! 拍手喝采!
「救世主様!」
「救世主様!」
いやいやいや、俺は救世主じゃねぇ!
……それ以前に。
ぐるるるるぅぅぅ……。
「救世主様、この病人も!」
「救世主様、こっちの娘も!」
「いや俺の腹を癒せよォォォ!!」
だが救世主扱いされてるせいで断れない。
フラフラになりながらもシュッシュッ。
「ありがたやー!」
「救世主様万歳!」
……治療するたびに、俺の胃は悲鳴を上げる。
完全にラーメン待機中なのに、この世界にラーメンは存在しない。
「……絶望だ」
救世主と呼ばれながら、俺は心の中で泣いていた。
ついに「救世主コール」と「腹痛」の二重苦。
ギャグとしては最強の地獄です。
でもこのギャップが茂の魅力なんですよね。