全知の能力を持った親がくれた手帳
なんでも聞けば教えてくれて、道に転んだら起き上がるのを助けてくれるように、人間関係の行き違いなんかもあったけど、手帳通りに動けば助けてくれたんだ。
今まで、そうやって育ってきたよ。
そして、これからもこの手帳があれば人生うまくいくって知ってるんだ。
みんなが、一握りしか生き残ることができなくて、難しいからお前には無理だとか言われたって話よく聞くよ。
でも、そんなこと言われたことないよ。
だって、いつも手帳が道標になってくれているから。
みんなはよく物事に迷うって言うよね。全然これっぽっちも迷うって言葉の意味を知らないし、辞書を引いても頭に入ってこないぐらい理解できないよ。
だって、これどういうことなんだろって思った瞬間に手帳を読むとそこに書いてあるからね。
道を歩いてて躓いたことはあるけど、教科書を読んでて、ここよく躓くって先生が言ってたけど、事前に付箋を貼ってあって、忘れてたことも、速やかに頭に浸透する感覚で理解できるから授業なんて受けなくてもいいのかもね。
でも、手帳を見ると学校には出席日数や授業態度が成績に反映されるから、結局受けなくちゃ仕方がないって書いてあるのでそれに従ってるんだ。
みんなは、よく将来の夢とか語ってるよね。
そこで、自分には将来の夢ってなんなんだろうって思って手帳を見ると家業を継いだらいいって書いてあるから、それを目指してるところなんだ。