江古左だり。100万インプレッションだってよ。
朝目が覚めると通知が20通来ていた。
Twitterである。私はツイ廃なので起きたらすぐTwitterをチェックするのだ。
「ちょっと多いな……」とは思ったけど、気にしなかった。スレッドの会話が盛り上がって『いいね』の連打になることはよくある。
開いて『おや?』と思った。
『○○さんと他21人があなたのツイートをリツイートしました』
へ~。
作家さんのツイートを引用リツイートしたやつがウケたらしい。
まあ作家さんのおこぼれにあずかったくらいだろう。
ところが…
『○○さんと他21人があなたのツイートをリツイートしました』
『○○さんと他57人があなたのツイートをリツイートしました』
『○○さんと他100人があなたのツイートをリツイートしました』
『○○さんと他48人があなたのツイートをリツイートしました』
……リツートが止まんないぞ?
『○○さんと他21人があなたのツイートをいいねしました』
『○○さんと他7人があなたのツイートをいいねしました』
『○○さんと他100人があなたのツイートをいいねしました』
『○○さんと他56人があなたのツイートをいいねしました』
……『いいね』も止まらないぞ?
この段階で『なんかバズっている』という確信があった。通知ボタンを押して内容を確認した瞬間に新たな通知がくる状態。押しても押してもキリがない。
気になってインプレッションを見た。
ファッ!? 56711!?
インプレッションというのは私のツイートが載っているタイムラインを見た人数の合計である。
えこさだりがツイートをする。
それをAさんとBさんがリツイートする。2人ともフォロワーが99人いて、全員Twitterを開いていたとする。すると計算上200人にえこさだりのツイートが見られたことになる。
これで200インプレッション。
さらにAさんのフォロワーA1、A2がリツイートをする。
同じくBさんのフォロワーB1、B2がリツイートする。
それぞれ99人のフォロワーがいたとすると、ここだけで400インプレッション。
つまり
1→2→200→600→1000
と爆発的にインプレッションは増えていくものなのだ。しかも増えながらどんどんリツートといいねの数が膨らんでいく。増えた先のフォロワーがさらにリツイートといいねを押す。洪水のように通知が届き始めた(通知音は設定していない)
翌朝には70万5千インプレッションになっていた。表示の『K』を初めてみた。
『いいね』は8490 リツイート8210
「たった1日で……」唖然とする。
『そうだ! バズったら宣伝していいって慣習があるじゃないか!』と思ったけど、やらなかった。
私が書籍化作家なら臆面もなく貼っただろうが、たんなる趣味勢である。おまけに読む人を選ぶタイプの小説しかない。
『小説貼って、読まれるのも嫌だし、スルーされるのはもっと嫌だ』
交流のある書籍化作家様の作品を貼ろうかと一瞬思ったが、かえってご迷惑ではないか。
お伺い立てるのもなんか変だしさぁ。
そこで『固定ツイート』に献血をお願いするツイートを載せた。その下にもいくつか載せた。
これで少しでも『献血いこうかな♬』と思ってもらえたらバズった甲斐がある。
4時間後ついに『万バズ』に到達した。
きっかりその1時間後にインプレッションが『1M』になった。
『M』つまり『ミリオン(100万)』だ。『ミリオンセラー』の『ミリオン』である。
ついでにリツイートも『万バズ』達成。
『Kの上ってMなんだ……』とぼんやり思った。
ピタリと『1M』から表示が動かなくなった。当たり前だ。次に表示が動くのは+10万を達成したときである。
これがことの経緯。
唐突にQ&Aコーナー!
【教えてえこさくん】
Q 万バズすると何が変わるの?
A 何も変わらない。
びっくりするくらい何も変わらない。Twitter社から表彰されるわけでもなく、銀の楯が贈られるわけでもない。親戚がいきなり増えもしない。何一つ変わらない。唯一自分のツイートを控えたぐらいだ。
Q ヒューヒュー! お前有名人じゃ~~~~ん!
A いいえ。
バズったのは私だが、誰も私に興味ない。
その証拠がこの固定ツイートのインプレッションである。
わずか2891インプレッション
1000000インプレッションに対してこんだけしか見られてない。
つまりほとんどの人は私のタイムラインなぞ見てはいないのだ。たまたまフォロワーのタイムラインに載っていたツイートをいいね・RTしているだけなのである。
もっとツイッターネームを面白いのにしておけば良かったかも。
『インド人を右に』とか『お野菜反乱軍』とか印象に残る名前にしておけば良かったのだが、こんな凡庸な名前では0.01秒彼らの記憶に残ったかすら微妙。
何より100万インプレッションでニューフォロワーが1名である。むしろなんでこの方は私をフォローしたのだろうか。これ以上何も出てこないが。
Q 反響はどうですか?
A 好意的であり、クソリプがなかった。
これは驚いた。万バズの100万インプレッションなのにクソリプが1件も来なかったのである。良心的なコメントばかりだった。
すべてのコメントに返信させていただきたかったのだが、コメント11件。引用リツイート104件でとても対応できない。
どのコメントに何の返信したのかすらわからなくなり、途中から引用リツートに関してはすべて『いいね』で対応させてもらった。1件センシティブだという理由で表示がされず、中身を読めなかったので『いいね』もできなかったものがあった。お許しいただきたい。
1件だけ、コメントのフリをして何の関係もないまとめサイトを宣伝してきた人がいた。ほかのバズツイでも見たのでそういう作戦なんだろう。それはヤメテ~。
Qこれなんでバズったの?
Aお釈迦様でもわかりません。
Twitterていうのはね! 魔境なんだよ! 企業アカが必死にツイートしてるけど、一部有名企業アカを除いて全然バズらないでしょ? 何がバズるかなんて誰も予想できないの!
唯一ネコチャンとイッヌはバズる可能性高い。あとハムちゃん。ネコと和解せよ。
私の推測は『みんな『死ぬ前』ってどうなるか興味あるのかな?』ってことですね。
『耳は最後まで聞こえていて、手術後に最初に戻るのも聴力』って書いてた方がいましたが、私の体験でもそうでしたね。死にかけて最初にやられたのは視覚。聴覚が生存にとってかなり重要な役をするからでは? と予想してる。
研究論文など読んだ方いらっしゃったらコメントください。
Q 小説読んでくれる人いた?
A PV見てない。
見てない……別に小説の内容でバズったわけじゃない。出産時の経験をツイートしただけである。
ちょっと『出産のエッセイでも書いておけばよかったかなぁ』と思ったが後の祭り。
Q ね~え万バズってどんな気持ち? どんな気持ちぃ!?
A 飽きる。
最初の数時間はテンション爆上がりだが、24時間たつとすっかり飽きている。
なにせ押しても押しても押しても押しても『通知』がくる。もう何十回と読んだ自分のツイートが表示される。際限なくベルのマーク押すから、もはや娯楽じゃなくて作業になってる。それでもツイ廃。退屈を感じながらもTwitterからは離れられない。
アルファツイッタラー(有名なツイッター人)は『業』だと思った。
こんな毎日毎日1日中通知が来たら嫌だ。たまにだから面白いのであって、日常ではたまらない。
いつも通りのくだらないツイートをさせてくれ! 脊髄反射RTと脊髄反射『いいね』を私から奪わないで~~。
Q困ったことあった?
A言ってもいないことでタイムラインが盛り上がってしまうこと。
引用リツイートを見て気づいたのだが
『亡くなる人たちにも声は聞こえている……感謝の言葉を伝えましょう…』
的ツイートがどんどん現れた。
ちゃうねん。確かに私は死にかけてたけど、意識はあったの!
もうすぐ亡くなる人に意識があるかとか、耳が聞こえてるかとかはわからないの!
もちろん聞こえている可能性もあるので、『暴言』などはけして言わず『感謝』を伝えてお別れする方がいい。私も両親の最期には「ありがとう」を伝えた。
だが「そういやネットで『死ぬ前意識なくても耳は聞こえている』って読んだよ!」って私のツイートを証拠にされては困るのだ。そんなこと言ってないんだから。
意識! ありました!!
前もちょっとバズったことあったけど、話がどんどんズレていくので焦った。言ってもいないことを言ったことにされてはたまらない。ツイート内容はできるだけ正しく解釈して欲しい。
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慌てて追記をした。
Qまた万バズしたい?
A内容による……。
意義のあるバズり(今回は献血を多数のツイッタラーにお願いできた)はいいけど、失言でバズるのは嫌ですね。ツイートは良く考えて書きましょう。
以上体験談でした~。
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そんでもうすぐ1週間たとうとしてるけど、引用リツイートと『いいね』は増え続けているよ!