災厄は繰り返す
短いです。
やっと一息つくことができ、こんな状況になった原因であろうユリーへ説明を求めた。
「それで、ユリー、色々と説明してくれるかしら?」
ユリーは観念したように首を降った。顔を歪め、今にも泣きそうな顔をしている。
やっぱり犯人はユリーだったようだが、何故そんな悲しそうな顔を?
「今回のことは国の機密も含むことだから他言無用だよ」
「それは…私たちも聞いてよろしいのですか?」
セルファスさんの疑問は尤もだ。私が一番聞いたら駄目なやつではないだろうか。
「それは問題ないよ。元々この四人には話す予定だったからね。」
「ユリー__私、部外者なのだけど」
「いいんだよ。今回はエリーの協力が不可欠なんだ」
???
どういうことだろう___?
「エリー、まずは私が__王族が第六騎士団の団長を勤めなければならなくなった理由を話すね。今から二年前、この国に災厄が現れたんだ。その災厄はね、古来から存在するものなんだけど、倒すことは出来ないんだ。しかも、王家の人間だけが所有する特殊魔法しかきかない、本当に厄介なモノ。この第六騎士団は所謂裏の仕事をこなす団でね。」
ユリーは困ったように笑う。まさか___
「ユリーがその災厄と戦ってるの?!」
「うん、そうだよ。この二年間、私が第六騎士団でその災厄と戦ってきた。」
あっさり認められる。
「災厄が現れたとき、国は秘密裏に災厄を滅ぼすことに決めた。だから、民に知られている五つの騎士団は使えないし、王族しか相手ができないから第六騎士団に私が所属することになった。」
「貴女が名前を変えていたのは、ばれないようにするため?」
「そうだよ。どうしても王族が第六騎士団に所属すると問題が出てきてしまう。
まあ、私が女だからってこともあるけど。だから、ユーリス・ディ・ゼフィラスとしてここの団長をしているんだ。この服装も団員たちにばれないようにするためってのが理由。」
三人が驚いた顔をしている。どうやら三人も知らなかったようだ。
「王女、というのは知ってたけど、そんな理由があったとは……。」
ルースが思わずといった風に溢す。
流石に王女ということは知らされていたらしい。
私もこの奇抜な服装に理由があって少し納得だ。
昔のユリーは普通の格好をしていたからね。
「それで……何故私の協力がいるの?」
人が何かをするには必ず理由が存在するものですよね!