第六騎士団
騎士ってなんか憧れますよね。
小さい頃の夢だった…笑
あれから私はセルファスさんを質問攻めにした。
それで分かったこと大まかに三つ。
・やはりここは軍事施設で、第六騎士団の詰所だということ。
・ルース、セルファスさん、カイト__さん付けは止めてほしいと言われた__の三人はその騎士団に所属していて、セルファスさんが参謀、ルースとカイトが隊長ということ。
・フィエスはカナルから町二つ離れたところにあって、三時間くらい馬で飛ばせば帰れること。
直ぐに帰れると聞いて安心した。
私はフィエスとは逆方向からカナルに流れてきて、この三年間、町から出ていないのでこの町を知らなくても不思議じゃない。
今日は色々聞くことがあってカナルへは帰れないそうなので、村長さんに早馬を送ってもらった。
これで町の人達も安心するだろう。
にしても、やはり三人は偉い人だった。
しかも第六騎士団の隊長格三人。おそらくだが、あの方と呼ばれているユーリス・ディ・ゼフィラス様が団長で、その下に三人がいるのだろう。
実は私、今まで第六騎士団の存在を知らなかった。騎士団は第五までだと思っていたのだ。
騎士団は第一から第五まであり、その全てを元帥がまとめている。
主に、第一は王族の護衛、第二は王城の警備、第三は魔物退治、第四は王都の警備、そして第五は各領地の監視も兼ねた衛兵の統率を行っているのだ。
近衛兵と呼ばれるのはその中でも第一だけ。私が近衛兵だと分かったのは、団によって制服の基本の色が異なるからだ。
第一から順に、白・黄・黒・茶・赤となっている。
第一以外は派手なものではなく、全部がその色で出来ているわけではないので__第三は真っ黒だが__見分ける自信はないが、第一は見ればわかる。
面白いぐらい真っ白で、顔が整っていないと似合わないので第一には美男子しかいない__とかいう噂を聞いたこともあるぐらいだ。
その時は信じられなかったが、実際見てみると納得してしまった。
___田舎にはいないイケメンだった……。
まあそれはともかく、私が知っているのはこれとあと各団の団長と元帥の名前くらいで、第六何て知らなかった。
もしかしたらこの三年間の間に出来たのかもしれない。
___そうだとしても何で?戦争でも始まるのだろうか…?
その事について聞いてみると、第六は昔、第一から派生して出来たもので、隠されているらしい。
なので詳しいことは言えないが、知らなくて当然だし、騎士団にしては珍しく完全実力主義だから、必ずしも高位貴族が位が高い訳でもないらしい。
「なので、ここでのことは誰にも話してはいけません」
そう言った時のセルファスさんの圧力はすごく、必死になって首を縦に降った。
笑ってるのに怖い。この人絶対腹黒だ。
自己紹介の時に家名は言ってなかったけど、セルファスさんは確実に貴族だ。所作もそうだし、この性格だし……ね。
私が知る限り、貴族は皆腹黒い。
なら、私も腹黒なのかって?うーん、どうだろうなぁ。
説明を聞く限り、第六は第三みたいなところかな?
あそこは危険度が高く、実力がものをいう団だから。だとすると、隊長ってものすごく強いんじゃ……。
…あ、あぶなかった。
エリ、セーフ!
あのまま二人が喧嘩してたら、巻き込まれてたかもしれない…。