もし生き残れたら…。
誰でも良い未来を想像したくなるものです。
「私も詳しくはわからないんだけど、災厄が存在しているのは、多分城の地下。だって、封印されている魔方陣が城全体の床に描かれているからね。ああ、王家の特殊魔法っていうのは、結界魔法のことだよ。私の仕事はその魔方陣を通して、災厄にダメージを与えることなんだ。」
だから、実際に封印が解かれた災厄は見ていないんだ、と言ってユリーは困り顔をした。
これは確かに困るな。
見てみるまでのお楽しみってことか。
「もしかしたら、私には伝えられていない、父王だけが知っていることもまだあるかもしれないから、城についたら聞いてみよう。」
ユリーはそう言って否定してくれたが、そんな情報が、実際に災厄と対峙しているユリーに伝わっていないわけがない。だから、全く情報がないってことだけが分かった。
「ちなみにイケニエってどんなふうに捧げられるの?」
これもずっと気になっていたことだ。
私は災厄と会うことになるのだろうか?
「イケニエを捧げるとき、一度、封印を解いて、本体があるところまで連れていくんだ。私が罪人たちを連れていった時は、どれだけ近づいても何も反応しなかったけどね。」
それなら、私も反応されない可能性があるっていうことだよね?
もし、そうなったら、どれだけ嬉しいことか……。
だけど、そうなった場合はどうなるのだろう?私はそのまま解放されて、カナルに帰ることができるのだろうか。
……たぶん無理だろう。
私は、流石に情報を知りすぎている。国が情報を隠そうとしているこの状況で、そのまま解放されることは…難しいだろうな。
だからといって殺されることもないだろう。市井で暮らしていようが、私は貴族の身分を持っているから。
もしかすれば、王子殿下の一人と結婚させられて、国に一生監視され続けるかもしれない。
そうなれば自由はないが、死ぬこともない。
あり得る話だ。
だけど、その前に、生き残らなければ。
私がイケニエとして認められれば、国は救われる。
認められなければ、私は救われる。
すべて誰かが不幸になる。
失敗すればエリーは元の生活に戻るだけ…。




