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イケニエにされた少女  作者: 猫狐
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終わらない災厄

会話…というかユリーの説明会です。


ユリーが団長をしている理由は分かったが、それならば何故、特に強いわけでもない私が呼ばれたのか分からない。


ユリーは苦しそうな表情を消し、なんの感情もこもっていない目で、淡々と話を進めていく。


「以前に災厄が現れたのは五百年前。その時はある女性によって助けられたと伝わっている。ただ、百年前に起こった戦争で資料が全て消失し、王家の口伝でこれしか当時の状況が伝わっていなかったんだ。だから時が流れ、誰もがその事を忘れていた二年前、誰も災厄を止める方法がわからなかった。」


ユリーは話を一旦そこで切り、机の方まで行くと、引き出しから一冊の本を取り出した。


「誰もが途方に暮れていたとき、あるパーティーで一人の吟遊詩人が吟ったんだ。この本の出来事を」


そういって本を私たちの目の前に差し出してきた。題名は、「勇敢なお姫様」


この本には見覚えがあった。

確かお姫様が怪物を退治する話だったはずだ。


とても有名な絵本で、小さい頃から読み聞かされるお話の一つだ。だから、パーティーでも良く吟遊詩人が吟うものだったが……。


「この本と災厄にどのような関係が?」


私達が思っていたことをセルファスさんが代表して聞いてくれた。


「このパーティーを開いた貴族が高位の貴族でね。災厄のことも知っていたんだ。で、これを王の元へ持ってきて言ったんだ。この本に出てくる怪物と災厄が似ている、とね。確かにそう言われて読んでみると非常に良く似ていた。皆がビックリしたさ。こんな近くに当時のことを記したものがあるなんてね。当時のことは、絵本を通して長い年月の間に人々へ伝わっていたんだ。そこで王は同じものだと仮定して災厄をどうにかすることにしたんだ。そこで弱点が王家の特殊魔法だと分かった。だけど、その時点ではまだ、倒す方法は見つかっていなかったんだ。」


ユリーが話を区切ると、シーンとした空気が辺りに流れた。


あの本では、国がボロボロになるまで被害を受けていたはずだ。それが現実のモノになるとすると……。考えただけで寒気がする。


「それから王は、この本について調べるよう指示を出した。だけど、それから二年間は何も分からず、八方塞がりの状態が続いた。その間は私が災厄を食い止めていたんだけど、王家の特殊魔法には制約があってね。ずっとその状態でいることはできなかった。そして一週間前、ついにその方法が見つかった。王宮書庫の奥にある廃棄された「勇敢なお姫様」の本に一枚の紙が挟まっていたんだ。それは古代文字で書いてあったから翻訳に三日かかり、一昨日、私もその内容を知った」


皆がごくりと息を飲む。


「そこには何て書いてあったんだ?」


恐る恐るといった風にカイトがユリーに尋ねた。



災厄と怪物は違いますよ!

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