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(仮)アルドの異世界転生  作者: ばうお


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85.執念

85.執念



時は少し遡る・・初めて風呂に入った次の日の朝


オレ、エル、マール、ファリステア、ユーリ、ノエルで学園への道を歩いていた。

昨日の夜、“登校する時に風呂の話をしてやる”と言ってあるからだろう。女性陣から無言の圧力がすごい。


「判った。風呂の話をしようか」


オレが前にルイスに話した時は、皆して生温かい眼を向けて来たのに、今はギラギラと肉食獣の様な眼を向けられてる・・怖い。

女性陣が食いついたのは主に美容・・次に清潔感・・最後に風呂の気持良さだった。


そこから“風呂に入らせろ”と五月蠅いので自主学習が終わったら実際の風呂を見せる事で話を付けた。

その時にエルを見たらマールが綺麗になるのは大賛成の様で、女性側に付いてオレに譲歩を求めてくる・・・お兄ちゃんは悲しいぞ。




屋敷---------





実際に屋敷に着いて風呂を見せた。服を着たままで浴槽にもお湯は入っていないが、具体的な使い方を教える。

オレは気にしないが女性陣からすると露天風呂と言うのがどうにも引っかかる様だった。


確かに壁は衝立で、上からは丸見えだ。本気で覗こうと思えば簡単に覗くことが出来る。

オレは良く考えもせずに気軽に言ってしまった。


「女性陣で交代して風呂に入ればいいじゃないか。覗きそうな場所には人が立てば流石に覗けないだろ?」


オレの中で女性陣とはファリステア、ユーリ、ノエル、アンナ先生、マールの5人のつもりだったのだ。この事が後にブルーリング邸を揺るがす事態になるのだが・・

女性陣にとってはオレの言葉は概ね好意的に受け取られた。


オレは闇曜日に依頼でいないので、朝から1日好きに使って良い。と言うのも良かったようだ。

石鹸はエルフの中では一般的な物らしくファリステアが無償で提供してくれるらしい。


一番の問題はお湯だ。何回使い回すか、やはり一番風呂は気持ち良いが魔力で沸かす以上は限界がある。

お湯を沸かせるのはファリステア、ユーリ、マール、アンナ先生の4人だ。


まあ他の人を誘っても4人も魔法使いがいればお湯ぐらいどうとでもなるだろう。

オレはこの時点から後は女性陣の風呂については関知していない・・・




オレの知らない所で事態は進行していた・・始まりは恐らくノエル。

あのバカはオレ、エル、爺さんの風呂に入った後の事を知り合いに話して回ったのだ。


メイド達の間でもオレやエル、爺さんの髪のツヤ、すれ違った時の匂い、見た目の清潔感、を眼をギラギラさせて噂しあっていた所だったのだ。

あっと言う間に“闇曜日に風呂に入れる”と言う噂が流れ、元になったノエルの所にメイドや女騎士、女魔法使いが大挙して訪れる事になった。


流石のノエルも困り果ててとうとう爺さんにまで話が上がったらしい。

そこでもノエルはやらかした・・


オレが“女性陣で交代して風呂に入れば良い”と指示した。とオレを売りやがった。

爺さんは大きな溜息を1つ吐いて“任せる・・”と白紙手形をノエルに渡す。


人数はどんどん増えていき最終的にはブルーリング邸の全女性が風呂に入る事になった。その数50人!

5人でお湯を入れ替えるとして10回のお湯張りが必要だ・・ファリステア、ユーリ、マール、アンナ先生だけではとても足りなかった。


しかしノエルは一応、騎士団の小隊長を務めるだけの能力もあるのだ。

しょうもない所にその能力を発揮し、魔法使い4人を集めるのに成功する。


これで魔法使い8人・・順番に回せば何とかなる数である。

さらにノエルはマールに頼んでオリビアまで巻き込んだ。


オリビアは給湯器として呼ばれたのにノエルに感謝していたらしい・・哀れ。

恐ろしいのはこれだけの騒ぎになっているのにオレ、エルを筆頭に殆どの男性陣の耳に何の情報も入って来なかった・・


誠に恐ろしいのは女性陣の表の協調性と初めての物は知人も道づれにしたがる裏の協調性である。




そうして魔の闇曜日がやってくる-----------




アルドやエルファスが出かけてからのブルーリング邸は正しく魔境であった。

当主であるバルザは早々に休日であるにもかかわらず執務室へ逃げ込んだ。


当主がいなくなった事でブルーリング邸はさらに暴走する。

この世には男と女しかいない・・その全女性が荒れ狂っているのだ・・か弱き男に何が出来ると言うのか・・羊達は嵐が過ぎるのを静かに待ったと言う・・


ブルーリング邸では徐々に身綺麗な女性が増えて行く・・身綺麗な女性達は自分の髪を見てにやけ、お互いの匂いを嗅いではまたにやけ・・その姿を見てまだ風呂に入っていない女性の眼には濁った何かが大きくなっていった・・

当初、アルドが言った風呂の良さを伝えると言うのはこれ以上無く成功している。


こうして夕方までに約40人の女性が交代で風呂に入った。1日で40人と聞くと少ないと思うだろう。その間にはお湯を抜く度に浴槽を洗い、魔力消費を抑える為に井戸まで行って水を汲みに行っていたのだ。勿論、男性が・・



そんな時だ、アルドが帰って来たのは・・

屋敷の雰囲気に驚き、“女性陣”の言葉の取り方に驚き、自分が風呂に入れない事に驚き、最後にノエルのポンコツさに驚いた。


しかし、この日の女性陣は楽しそうで、いつもより2割増しで綺麗だった。

単純な物で、その事実だけで屋敷の男性陣はいつもより5割増しで楽しそうであったと言う…




次の日の早朝-------




オレはここ1週間、毎日風呂に入っている。しかし昨日は入れなかったのだ。しょうがなく、こうして朝風呂を頂く為に風呂場に向かっていた・・

風呂場の前にメイドが2人立っている。


「どうかしたのか?」


オレの言葉にメイドが鬼気迫るオーラを纏わせながら話出した。


「アルド様。どうかお風呂の後はお湯を抜きません様に・・」

「は、はい・・」


オレの返事を聞くとオーラをしまってとびきりの笑顔を見せてくれた・・何だったんだ。


早速、オレは朝風呂を楽しむ。


(あーー学校いきたくねぇ・・)


中学2年生の様な事を考えながらなんとか風呂から出る・・お湯はメイドに言われた通りに残したままだ。

風呂から出るとメイド4人が荷物を持ちながら風呂に向かって行った。


オレは何も見ていない。誰もオレの風呂を勝手に使ってなんかいない。心に言い聞かせながら学園に向かう準備をする・・




今日もオレ、エル、マール、ファリステア、ユーリ、ノエルの6人で学園に向かう。

女性陣が2割増しで綺麗に見える。エルはマールに何度か見とれている。その様子をマールは恥ずかしそうに(30)、しかし嬉しそうに(70)していた。


エルとマールが自分達の世界を作っていると当然ファリステア、ユーリ、ノエル、オレでの会話になる。

女性陣の変化に戸惑っているとユーリが不適な笑みを受かべて露骨に誘惑してきた。前に同じ様な事があった時は“惚れさせて捨てるのか?”と笑って対処したのだが・・


今回は判っていてもドキドキする。こっちの様子を見て“イケル”と思ったのだろう・・誘惑が激しくなってくる。

具体的には体を寄せてくるのだ。ふとすると石鹸の匂いがする・・やべぇ。


ここでノエルから打診があった。


「アルド、闇曜日だけで良い。風呂を貸してもらえないだろうか?」

「却下、以上」


オレは即答した。


「何故だ?」


声を発したのはノエルだが全女性陣からのプレッシャーを感じる・・オレは自分に言い聞かせた。ここで引いたら間違いなく盗られるぞ!

プレッシャーを感じてない様に振る舞いながら、実際は足が生まれたての小鹿の様だ・・


「逆に何でだ?あれだけ言ってもバカにして・・風呂作りを手伝ってくれたのはエルとマールだけだったぞ。この手のひら返しはちょっと虫が良すぎじゃないか?」


オレの正論にノエルとファリステア、ユーリがばつが悪そうに顔を背ける。


「まあ、ファリステアとユーリにはこれからも石鹸を融通して貰いたいから風呂を使いたいなら相談に乗る・・勿論、手伝ってくれたマールもだ」


オレはここで分断工作に出た!マールをこっち側に引き込めばエルはこっち側だ。さらにファリステアとユーリをこっち側に引き込めれば完璧だ!!オレはオレによるオレの為の風呂を守る!!大義は我に有り!!


「そ、それではメイドや女騎士、女魔法使い達はどうするのだ」

「朝、風呂に入ったがオレの後にローテーションで入るみたいだぞ」


「なんだと!!」

「・・・・」


「じゃあ、風呂に入れないのは・・」

「ノエルだけだな」


ノエルは泣きそうな顔でこちらを見て来る・・やめろよ・・今のお前達は2割増しなんだからな。


「だ、ダメだ!今回の騒動はノエルが起こしたそうじゃないか!」

「違う!私は皆が綺麗に・・幸せになってほしかったんだ」


「ノエル・・皆の事をそんなに・・」

「そうだ。私は皆の為にやったんだ。私が風呂に入りたい訳では断じてない!!」


「なるほど」

「そうだ!」


「じゃあさ。さっきの案で良くね?」


ノエルは一瞬、思案顔で・・次の瞬間は青くなっていく・・おもしろいな、お前。


「え?でも・・私だけ??え?本当に?」


オレは思った・・“ポンコツ枠”次はこれが来る。と!!


「冗談だよ。お前も勿論、使って良いに決まってるだろ」


そう言うと今日一番の笑顔を返しやがった。だから2割増しだと・・




こうしてオレの風呂の後にメイド、騎士、魔法使いの3人が入る事になった。

エル、爺さん、は申告制だ。だいたい週に2~3回ぐらいだ。


マール、ファリステア、ユーリ、アンナ先生はなんと毎日入っている。メイド分のお湯は一度抜いて新たに入れている様だ。

闇曜日の度に風呂桶や風呂用の椅子をオレが買ってくるので我が家の風呂は日に日に進化している。


石鹸はファリステアとユーリから提供されている。流石にお金を払わないとマズイ。

話し合いの結果、石鹸1個が銀貨5枚になった。風呂には必要経費として必ず1個は置いてある。


爺さんや執事も女性が綺麗なのは嬉しい様で男性陣満場一致で経費に計上する事が決まった。オレはこんなヤツらがたまらなく大好きだ!

ファリステアとユーリサイスは恐縮していたが庇護してる相手にたかるとか・・貴族の沽券に関わる。





“ブルーリング邸は美人が多い”そんな噂が“ブルーリング邸に行くと綺麗になる”に変わり・・“ブルーリングには【美】の秘術がある”と言われる様になるのは後の話・・


次回ブルーリング領に帰ったら実家にも風呂を作って石鹸を沢山置こう。アシェラには是非使ってもらいたい・・2割増しのアシェラ・・ヤバイわーこれはヤバイわーーー

オレは次に実家に帰るのを楽しみにしながら今日も元気に頑張るのであった。





”プロローグのあとがき”にWifuLabs様のAIで作ったイラストを掲載してありますので見て貰えると嬉しいです。


次話は毎日8:00に掲載の予定です。

ブックマーク、高評価を頂けるとオラが小躍りして喜びますので是非、押してやってください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] そりゃみんな風呂に入るようになったら美しくなるわさw [一言] どうせなら他家に宣伝して風呂持ちの家の数を増やして桶屋のおっちゃんを儲けさせてあげようよ あとエルフ石鹸も莫大な利益になるよ…
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