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(仮)アルドの異世界転生  作者: ばうお


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64.なんちゃってブルーリング武道大会

64.なんちゃってブルーリング武道大会




オーク襲撃の4日前の王都カシュー邸の執務室。


齢50程の男と30程の男が話し合いを行っていた。


「何を言っている!そんな事は認めんぞ!」

「大丈夫だ、親父。これは確かな筋からの話なんだ」


「ブルーリングに手を出すのは認めん。あそこには修羅がおる…」

「グラン家の時の事なら責任を取りたくなくて大袈裟に報告しただけだ。そんな魔法を使える人間がいるはずが無い」


「現に森1つ、焼失しておったがな…」

「それが本当だとしても12歳のガキがやったと本当に思ってるのか?」


「そうとしか思えん」

「バカな…それなら何で逃げる必要がある。カシューの街を焼き払う事だって出来たはずだ」


「ワシ等は情けをかけられたのだ…」

「ふざけるな!カシュー家の当主が12歳のガキにビビッて芋を引くなんて許される訳ねぇだろうが!」


30歳程の男が扉を開けて部屋に入ってきた。


「ノーグ、廊下にまで声が響いているぞ」

「兄貴。兄貴からも親父に言ってくれよ。オレじゃ話にならねぇ」


「父上にブルーリングの報告を上げたのは私だ」

「兄貴までガキ1人にビビってるなんて無いよな?」


「26人の内、一瞬で22人をやられた。その中にはヨルグもいた」

「ヨルグってまさかカシュー騎士団 副団長のヨルグか?」


「そうだ。不死身のヨルグだ。どんな戦地からでも帰ってきたあの男が、12歳の魔法1つで骨も残さず燃え尽きた」

「そんなバカな。そんな魔法ある訳ねえだろ…」


「カシューは修羅が死ぬか、いなくなるまでブルーリングには関わらん。これは現領主の父上と次期領主の私の決定だ」

「カシューが12歳のガキ1人に舐められたまま済ますのか!」


「あれは修羅だ。人ではない」

「違う!あれは12歳の只のガキだ!もういい!オレは勝手にやらせてもらう!」


ノーグと呼ばれた男がカシュー家の執務室から出て行く。その姿は怒りで肩を震わせていた。


「父上、ノーグは何を?」

「どこかの誰かにバカな事を吹き込まれたようだ…」


「バカな事?」

「修羅がブルーリングにエルフの娘と帰ってくるらしい。そのエルフの娘を差し出せば戦力と軍資金を出してやると言われたそうだ」


「エルフ?何かきな臭いですね…」

「うむ、ノーグは可哀そうだが切り捨てる…」


「あれでも私の弟…なんとか説得してみせます」

「……事が動きだしてからでは遅いぞ」


「すぐにでも話をしt…」


扉から黒装束を着た1団が入ってくる。その数5人。


「なんだ、おまえr…」


話を終える前に毒を撃ち込まれた。どうやら痺れ薬らしく体が動かない。

扉から先程、出て行ったノーグが顔を出す。


「親父、兄貴、オレがカシューの名誉を守る。ガキをぶっ殺せば2人共、眼が覚めるはずだ。とりあえず牢屋にでもぶち込んどけ」


黒装束の1人が頭を下げてノーグの指示通り、領主と跡継ぎを連れていく。


「さてと、お前らの実力を見せてもらおうか」


ノーグは黒装束達に指示とは言えぬ程度の指示を出す。所詮は事が露見した場合の、尻尾切り用の尻尾だ。

自分の立場を理解していない本人だけが愉快そうに笑っていた。








ブルーリング領に帰って次の日の朝食。


「さあ、今日は誰が一番強いか決めるわよ!」


氷結さんの頭の中では模擬戦から武道大会にランクアップしているようだ…


「母様、模擬戦ではないのですか?」

「それじゃつまらないわ。誰が一番強いか知りたくない?ハルヴァとか強いわよ」


「ハルヴァ…」


オレから殺気が出たのであろう…ハッキリと明暗が分かれた。

殺気に怯えた者、殺気に反応した者、殺気に怯えたが抗おうとした者。


反応した者は氷結さん、エル、アシェラだ。抗おうとした者はルイス、ネロだ。

オレ達6人+騎士団から有志を募って武道大会を始める気らしい。


オレは父さんを見る。そっと目を逸らされた…きっと昨日の夜に色々とあったのだろう。

オレ達は朝食後、騎士団の演習場へ向かった。

その道中にルイスとネロが話しかけてくる。


「アルド。お前の家、面白いわ」

「うん。アルドがこうなったのが分かるぞ」

「そうか?普通だろ?」


「魔物も絶滅してるかもな」

「これが普通なら人族は全種族を平定してると思うぞ」

「そこまでかよ」


オレ達がバカな話をしているのを氷結さんやアシェラが興味深そうに見ている。


「母様、アシェラ、何か言いたげですね」

「別にー。アルに友達が出来たんだ。って驚いてるだけ」

「うん。アルドにはボッチが似合ってる」


「何げに酷いなオイ!アシェラ、オレはいつも人に囲まれてるっつーの!」


オリビアやアンナ先生だけじゃなくメイド達までが大笑いである。オレをイジって和むならいいか、と空を見上げた。

そうして演習場に到着すると、また氷結さんが無茶振りしてくる。


「アル、エル、騎士団長と魔法師団長に根回しはしてあるから有志を呼んできて」

「「分かりました」」


オレは騎士団長、エルは魔法師団長に話をしに行く。

意外な事にしっかりと話は通っており、騎士団の中の有志を連れて元の場所に戻った。

魔法師団からも有志が来ておりメンバーは全部でオレ、エル、アシェラ、氷結さん、ルイス、ネロ、ハルヴァ、魔法師団長グラノの8人になった。


「兄さん。魔法師団からは兄さんだけなの?」

「ラフィ。皆、忙しいんだ。あまり引っ掻き回さないでくれるかな?」


グラノ師団長に青筋が立っている。母さん、無茶したんだ。

「ハルヴァ、アルが優勝したら約束通りアシェラと同衾させるわよ!」

「奥様…冗談は程々にしてください。アシェラも嫌がっています」

「ぼ、ボクは別に…」


顔を赤くして俯くアシェラにオレは近づいていく。

アシェラもオレを上目遣いで見てゆっくり近づいてくる。


あと1メードという所で立ちはだかる壁が…


「アルド様。これ以上近づきたければ私を倒してからにしてもらいましょうか」


くっ。ハルヴァからの本気の殺気にオレは怯む…しかし、しかし。


「はうっ…」


いきなりハルヴァが崩れ落ちていく。


「お父さんはボクが倒す!」


痺れて動けないハルヴァとアシェラを交互に見る。まるで明日の自分を見ているようで複雑な気分になった。



大会はトーナメントだ。1回負ければ次は無い。勝ち続けた者だけが栄光を手に入れるのだ!


厳正なくじの結果――


ルイスVS氷結さん、エルVSネロ、アシェラVSハルヴァ、オレVSグラノになった。



第一試合 ルイスVS氷結さん


秒殺でした。開始と共に面の魔法攻撃…大人気ないとはこの事を言う。



第二試合 エルVSネロ


これも圧勝。ネロに何もさせずにエルの勝利に終わる。



第三試合 アシェラVSハルヴァ


注目の試合である。実力ではハルヴァが当然、有利だが娘に攻撃できるのか?手加減して倒せる程アシェラは弱くない!


「アシェラ。お前の為なんだ、許してくれ」

「お父さん…嫌い」


「はう…」


この隙をアシェラは狙う!

しかし、元々の実力はハルヴァが何枚も上だ。思い通りに攻撃が当たらない。

アシェラは本気になった。


「お父さんが負けるのは見たくなかった」

「ほう…」


ハルヴァも今までの緩い空気ではない。


アシェラが魔法を自分の周りに纏わせる。その数10!

そのまま魔法を纏わせたまま吶喊する。


ハルヴァは片手剣に盾の騎士剣術だ。

アシェラの格闘も盾で余裕を持って躱していく。

しかし格闘の攻撃に纏った魔法がランダムに撃ち込まれる。その様子は某アニメのファ〇ネルのようだ。


いくらハルヴァとは言え腕は2本。回転の速い格闘に魔法10発を同時に撃ち込まれて無事で済むはずはない。

この形になる前に決着を付けるべきだった。ハルヴァなら出来たはずである。


娘、可愛さなのか、武人として受けてみたかったのは定かではないが、アシェラの本気の波状攻撃にハルヴァは無念にも膝をついた。


「参った…」


この日、ハルヴァがアシェラに初めて負けた日になった。


第四試合の前にハルヴァがグラノ師団長に話しかけていた。聞かなくても内容が判るオレは特殊能力に目覚めたのだろうか。


「アルド様。ラフィの手前、負けてあげたいのですが、私の命が危ない」


グラノ師団長は滝のように脂汗をかいている。


「正々堂々と戦いましょう!」

「は…」


オレが“はい”と言い終わる前に攻撃に入っている。

正々堂々とは一体…


オレは身体強化を一瞬で終わらせ、魔法に備える。

母さんの兄弟子だけあって魔法は正確で威力も申し分ない。


だが、それだけだ。

オレは母さんとの戦闘を思い出し、グラノを徐々に攻めていく。

そこからは劇的に何かあった訳ではない。徐々にオレが押していき、結果オレが勝利した。


次からは二回戦である。


二回戦第一試合 氷結さんVSエル


この試合も圧倒する訳ではないが、エルが上手く盾を使い母さんの魔法を寄せ付けない。

確実に追い詰めていきエルの勝利で終わった。



二回戦第二試合 アシェラVSオレ


この試合、非常にやりづらい。

オレが勝つとアシェラと同衾。

必死すぎるとアシェラに引かれるのでは…かと言って同衾はしたい。


オレは悩んだ…ここ最近で一番悩んだ。

そして出た結論は…


「アシェラ。オレは同衾したいが今回は普通に戦おう!同衾したいけど今回は諦めようと思う!同衾したいけど!」


周りからはどんだけ同衾したいんだよ!という眼で見られたが、アシェラは笑っていた。


「分かった。本気で戦う」


その言葉でオレとアシェラの気が研ぎ澄まされていく。


「行く」

「来い」


2人の本気の戦いが始まった。


結果はオレがボコボコにされて終わる。

途中まではオレが押していた。しかし状態異常が1発決まると、途端にオレの動きが悪くなる。

結果、いつものようにオレがボコボコにされて終わった。



三回戦第一試合 エルVSアシェラ


この試合はある意味拍子抜けだった。

開始と同時にアシェラが仕掛けたがエルが盾を上手く使い有効打を貰わない。

しばらくするとエルのカウンターがアシェラに決まりそれが決定打になった。


最後に3位決定戦をオレVS氷結さんで行ったがオレの勝ちで終わる。


結果発表

1位 エルファス

2位 アシェラ

3位 オレ

4位 氷結さん

5~8位 その他大勢 


こうして第一回ブルーリング武道大会はエルの優勝で終わった。

グラノ師団長とハルヴァからは“訓練の邪魔はしないでくれ”とありがたいお言葉を頂く。


戦闘に参加した者、しなかった者それぞれに思う所があったようだ。

中でもルイスとネロはアシェラが本当に強かったのと見た目のギャップで気に入ってしまった。


「「アルドが死んだらオレが嫁に貰う」」


とふざけた事を言い出す。

アシェラはオレのだ!っと叫んだら笑っていたので揶揄われたようだ。


こうしてブルーリング2日目が終わる。ベッドに入り眠る前に同衾したい…と呟きながら眠りについた。






読んで頂きありがとうございます。


次の投稿は8/20日8:00の予定です!


高評価、ブックマークして貰えるとモチベが上がりオラが喜びます

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― 新着の感想 ―
前半はノーグの愚かさに苦笑し、後半は各々の行動と台詞に爆笑。 正直、個人的な思いではありますが、この作品はこういう感じで良いと。
[気になる点] 「セリフ」(キャラ名) この書き方、読んでいて非常に萎えます ストーリーは十分面白いのですが、これのせいでテンポも悪くなりマイナス要因しかないように思えます 確かに(名前)がないと…
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