龍の涙 草稿
龍の涙 草稿
何時の頃からか
僕の窓に 三匹の
首長龍が 顔を
見せるように なりました
私は 立ちんぼで
木枠の縁に 手を添え
眺め遣る この窓の
景色が とても好きで
心の拠り所の 一つとなっていた
僕の窓 等と
名前も ついていた
僕の窓には 季節があった
季節の中に 彩る虫
花達ちが あった
煙突の 折れた
ボロボロの
火の 飛び出す
危な かしげな
焼却炉が あった
その 折れた
短な 煙突から
ゆらゆら ゆらゆら
魔法の 煙が
立ち のぼる
かの 様に
怪しげ な
曲線を 描いていた
突然 ポンッ
と 偶に
飛び出す ド〜ナツ輪が
空高く 広がり ながら
空気の 中へと
溶け込んで いく
ふわふわ ふわふわ〜っと
危な かしげに
一匹の 羽蟻が
よろつき ながら
飛んで 来て
僕の窓の 中へと
入って 来た
と とたんに
ぽとりと 力尽きて
仕舞った のか
床の上に 手足を
丸め 横たわった
微かに 小刻みに
震えながら
羽蟻は 僅かな
吐息にも 似た
呼吸を していた
私は 何も
する事も 出来ず
唯 ひたすら
見詰めて いる
事しか 出来ずにいた
静かな 沈黙の中
私の 心臓の
音だけが 木霊し
まるで 時間が
止まって いるのか
それとも コマ送りの
影像を 確かめ
ながら 見ている
そんな 風にも
感じられた
唯 一つ
違って いるのは
目の前の 出来事が
実際に 存在する
空間の 中で
行われて いると
言う 事 なのだ
ライブ感覚 なのだが
ファインダーを 覗く
の でもなく
私の 両の まなこ目に
直接入ってくる 光景なのだ
ドゥックゥン ドゥックゥン
ドゥックゥン……
私は そっと
手の平に 羽蟻を移し
自然 つまり
僕の窓の 外へと……
未完
追記補足
山あいから 飛び立つ
三匹の 龍の絵
渦巻いて 雨雲を作る
龍の絵
雨の降る
風景の絵
絵が 計三枚
添付のみ




