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坂道抹茶のゾンビライフ。  作者: パイン
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学校にて





‘奴ら’が活動し始めるのは、日が落ちてからだ。


生き残った生存者は大抵の場合、日中に食料を探しや拠点を見つけ、夕方に備えるんだ。




だから今のこの状態、17時で拠点も食料もない私は大ピンチと言っても過言ではないわけで。



「まあ、なんとかなるだろ」




都会では、事故車や封鎖の影響で道が使えない場合があるが、ここは割と田舎の方なのでスムーズに母校までたどり着くことができた。





途中、ゾンビの群れに出くわしたが、距離を離して歩けば気づかれすらしない。








人がいない校舎。




パンデミック後、避難所になっていたこともあり、自衛隊のトラックがいくつか放置されていた。







この非日常化したかつての学びやを前に、デッサン欲がムラムラしてきたが、グッと堪えて食料を探すことにする。






トラックは2台停まっており、片方は人を乗せるようなやつ。改造する分にはいいかもしれないけど、食料の気配はないな。





もう片方からは、缶詰と500mlのペットボトルの水が大量に見つかった。



ほらみろ、なんとかなるじゃん。




心の中で悪態をつきながら、缶詰を物色して水をがぶ飲みした。



フルーツとあんみつの缶詰があったので、3缶食べた。




抹茶は、普段は甘いものは食べないのだが、作品作りの後はスイーツを食べる。


引きこもり時代の習慣を、ゾンビパニックごときで辞めるわけにはいかない。






「はあー至福♡」




吐息を出すように声が漏れた。





トラックの2台に座って、足をぶらぶらさせながら、今日描いた作品のことを思い出していた。





スプレー缶は楽しいけど、あんまり汚れないのが弱点だよな。やっぱり油絵とかインク系で作品は書きたい。




しばらくは、ここを拠点にして、新しい方法でアートしてみようかな。




あとはシャワーを明日こそ見つけよう。







くんくん自分を嗅ぎながら匂いを確かめた。よし臭くない。



元々、汗をかきづらい体質で、2−3日作品作りに没頭しお風呂を入らないこともある抹茶。



しかし、5日入らないと流石に気持ち悪い。



明日は、シャワーとアートの具材を見つけよう。






食料用トラックは、無傷だったのでここで今晩はしのぐ。



映画や漫画のゾンビと違い、嗅覚で獲物を探す事はまずない。




大抵は、目視で見つかるため単独行動でじっとしていれば見つかることはあまりない。






「しかし、良い日だったなー今日も。」




昔の自分なら考えられない。





表現欲はあってもそれを許さない学校、1番が認められてそれ以外はだめ。



ピカソや岡本太郎ならいいかもしれないけど、1学生がそれをやってはいけないんだよ。







人の目を気にせず、やりたいようにできるゾンビの世界。





望んだ世界。








抹茶は、昔の自分と今の現状を思い返しながら静かにまぶたを閉じた。























〜〜〜〜〜〜〜ーーーー







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