クレスト姉妹と双子の気持ち
新年もよろしくお願いします。
次の日、早朝から双子と共にクレスト姉妹がやってきた。
「今日からお世話になります!
よろしくお願いします!」
「私もよろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いします。
朝ごはんは食べてきましたか?」
「あ、はい。
家を出る前に」
「おいら達もご馳走になってきたでヤンスよ」
双子達もシーフギルドに泊まっていたのでそこで一緒にご馳走になってきたようだ。
「私達は今からなので頂きますが、その間は良かったらトマスさんの淹れたお茶でも飲んでいてください」
私はそう言ってクレスト姉妹を家にあげてテーブルまで案内した。
緊張しながらも座る2人にトマスさんが優しく微笑みながら
「自家製のお茶です。
お口に合うと良いのですが」
と言い薬草茶を出した。
その様子に2人は照れながらお茶を口に含むと目を見開いて
『美味しい!』
と叫んだ。
全員の視線が集まったことに気が付き
「無作法ですいません」
としきりに謝る2人であったが
「美味しいと言ってもらえることが何よりの礼ですから無作法なことなんてありませんよ。
お口に合って良かったです」
とまたも温かな微笑みを投げかけていた。
その微笑みに彼女達はクラクラと参ってしまっているようだ。
「あれは無自覚の人誑しでヤンスな」
「恐ろしい人ですぜ」
双子はその様子を見ながらクスクスと笑っていた。
「あら、良いんですか?
彼女達がトマスさんに熱をあげてしまうかもしれませんよ」
「仲良くさせてはもらっていますが疑ってるような関係じゃありませんぜ」
「ギルドで良くしてもらっているのでありがたいでヤンスけどね」
「あら、意外と淡白なんです」
「今は仕事と自分の技術を上げるのが楽しくて満たされてる感じですぜ!」
「その分ほかに気を回す余裕が無いとも言えるでヤンスけどね。
姉御に受けた恩を返せたと思った時に色々と考えたいと思ってるでヤンス」
双子はそう言って肩を組みながら私に親指を立てる。
「熱苦しいですが嫌いじゃありませんよ。
これからもよろしくお願いしますね」
そんな風に私達が話しているとエドさんとラーベル、テムも一緒に揃ったのでクレスト姉妹に紹介する。
紹介している間、彼女達は
「ど、ど、ど、どうする?
この街でいま一番人気のある男の人達が揃ってるよ」
「お姉ちゃん、しっかりして!
私も気を強く持つからお姉ちゃんも頑張って!!」
などと言っていたのが印象的だったが時期に慣れてくれることだろう。
こうして双子のプライベートを覗くという出来事は従業員の女の子を2人ゲットするという結末に終わった。
彼女達が仕事に慣れるころ。
それが私達が三階層のボスにチャレンジする時期になるだろう。




