表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エターニャへようこそ〜アマテラス伝説〜  作者: 古葉七
〜第一部 最強女店主編〜
84/285

シーフギルドの特級コース 前編

準備が終わったそうなので私は早速小屋の中に入る。


扉を閉めると中は明かり一つ無く真っ暗で何も見えない。


中央まで進んだ瞬間に左から殺気が飛んでくる。


私はその方向に向かって軽いフックを放つと何かに当たった音がし、次いで床に金属の落ちる音がした。


直後に私はしゃがんで半円を描くように足払いをかけると「うわっ!」という声とともに何か大きな物が倒れる音がした。


更にしゃがんだ直後に頭の上を何かが通過した音が聞こえた。


私は咄嗟に倒れた何かの一部を掴むと、飛んできた方向に向かってそれを投げ飛ばした。


低い呻き声と共に自分が投げ飛ばしたよりも重い重量が地面に倒れるのを感じる。


直後に左右から同時に空気を切り裂く気配を感じる。


左は頭、右は胴体を狙って短剣を突き出してきたのだ。


タイミングは完璧。


上下にバラしたのも合格。


でも、肝心の攻撃速度が遅い。


恐らくまだ暗闇の中での自分自身の動きに自信がないのでしょう。


私は左手と右手の人差し指も中指を使って短剣を白刃取りする。


「えっ、うそ?」


「お姉ちゃん、ビクともしないよ!!」


声から察するにやはり大将の娘姉妹でしたか。


強引に短剣を奪うと、その勢いで前のめりに体制を崩した2人の頭がぶつかります。


「もう少し暗闇に慣れてから来るといいですよ、お疲れ様」


そのまま2人の首に手刀を落として意識を刈り取ります。


こうして暗闇の中で次々と奇襲を仕掛けてくる者を捌き倒していくのがシーフギルドの特別コースの訓練です。


初級から段位が上がる度に明かりが小さくなっていき、いま受けている特級は完全なる暗闇の中で戦うことになる。


また、襲ってくる相手の練度も高くなっていくのが特徴だ。


彼女達は特級の試験を行うレベルでは無いように感じたが、経験を積ませてやりたいという大将の親心だろうか?


ひょっとしたら娘達に頭が上がらないだけかもしれない。


どちらにしても後で大将をからかういい材料にはなりそうである。


もちろん、いまこうして物事を考えている間も試験は続行中ではある。


あらゆる手を尽くして襲ってくるギルド員を片っ端から叩きのめす。


気のせいか、以前私が受けた特級の頃よりも練度が落ちている気がする。


だからと言って特級コースの難易度が変わるわけではない。


何故なら


「やっと俺の出番みたいだな!

さぁ、久しぶりに全力を出すぞ!!」


最後に出てくるのは必ず片目の大将だからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ