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エターニャへようこそ〜アマテラス伝説〜  作者: 古葉七
第三部 〜ダンジョンシティと聖なる獣〜
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玄武戦 リターンマッチ

改めて玄武の扉の前に立つ。


「それじゃ打ち合わせ通りにここは俺らでやるから」


「マリーとカエデは大船に乗ったつもりで見ててよ」


そう、今回の課題は特殊ドロップの条件を達成するだけではなく、4人ではなく2人でクリアーする事も含まれていた。


私とカエデのコンビはこの後に白虎に挑むことになっているのだが、魔力を譲り合うのは問題ないのだが、コマちゃんを進化させて乗ることも禁止とされている。


さて、話を戻して玄武の特殊ドロップの条件は


『甲羅を砕かないこと』


である。


最初に私達がやったカエデの大太刀で甲羅を砕き、露わになった弱点に攻撃を加えるという事は出来ない。


オマケに戦うのは守りの要であるニーナと、戦闘では撹乱要因であるガイだ。


本当に大丈夫だろうか?


心配になって思わず握り込んだ私の手にカエデの手がスッと添えられた。


驚いてカエデの方を向くと


「信じるでござるよ」


と笑顔で私を安心させようとしてくれるのが分かった。


「そうだね……私が信じてあげなくちゃダメだよね!」


「そうでござるよ」


そう決意を胸に2人の戦いを見守る事にして僅か3分ほどの事であろうか?


勝負はあっさりと決着を迎えた。


♢ ♢ ♢


前の戦いと同じように玄武はニーナの姿に気付くと其方に向けて水のブレスを吐き出した。


前は盾を地面に突き刺して身体で押し込んで耐えていたニーナだが、今回は盾を持っているだけである。


ブレスがニーナの構える盾に当たるが前回と違い、今回は全く後ろにのけざらずに余裕の表情で受けている。


前回と違うのはブレスに合わせて盾の向きを細かく変えて調整している事であろうか?


その結果、真正面から受け止めていた時と違い、跳ね返されたブレスは全てが必ず同じ方向に飛んでいっている。


ガイはこの間に玄武の周囲を走りながら細かく観察していた。


また、尻尾の蛇に近づく前に松明に火をつけ、それを蛇の近くにぶん投げた。


「なるほど……蛇の習性を利用した訳でござるな」


「どういう事?」


「蛇というのは我々のような視点で世界を見ているわけでは無いのでござるよ。

ぴっときかん………と言ったでござるかな?

奴らはそれを使って熱量で人や動物を感知しているのでござる」


「つまり目の前にある大きな熱に気を取られてガイに気付いていないってことかな?」


「恐らくは」


そうこうしている内に観察が終わったらしいガイが玄武に近づく。


そして甲羅の一箇所の前に太刀と、左足を思いっきり地面に踏み込んで右手を開いた状態で突き出した。


その手が触れた瞬間に玄武はピクリと震えると唐突にブレスを吐くのをやめてその場にダウンしてしまった。


「トドメは任せたぞ」


「おっけー!」


そう言ってニーナが取り出したのは大金槌だったのだが、形状が凶悪であった。


本来殴打に使う部分に大きな杭が付けられているというデザインの金槌を大きく振りかぶるニーナ。


そのままダウンした玄武の頭目掛けて杭のある部分を振り下ろす。


杭が深々と頭に突き刺さっているのだが、流石はボスというべきなのだろう。


その一撃でもまだ生きている。


しかし、ニーナは慌てる事なく金槌の取手に何故かある突起物を押し込む。


「これでトドメだ!!」


ニーナがそう言って突起物を押した瞬間に激しい爆発音が鳴り響く。


何事かと見てみると金槌の杭があった方向と逆の部分から黙々と煙が上がっていた。


何が起こったのか解らないがその一撃がトドメになったのだろう。


玄武の身体が消滅していく。


後には報酬である宝箱と地面に突き刺さった杭だけが残っていた。


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