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エターニャへようこそ〜アマテラス伝説〜  作者: 古葉七
第三部 〜ダンジョンシティと聖なる獣〜
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ジェネラルさんの秘密

私たち全員が自分に合った師匠を見つけて約一月の時間が流れた。


この一ヶ月は私とカエデ、ガイとニーナのコンビで過ごす事が多かったが、夜には食事を共にしてお互いの進歩を確認しあった。


そして修行の仕上げとして私たちは再び第一階層に戻ってきた。


道中の敵を難なく退けながら先に進んでボス部屋まで行く。


ボス部屋に入る前にせっかくなのでとジェネラルさんに挨拶していくことになった。


「おお、お前ら……随分と見違えたな。

若者の成長は早いものだ」


ジェネラルさんは私達を一目見てそう呟く。


「お久しぶりです。

あ、これジェネラルさんの好物だと聞いたので」


私はエターニャで買ってきたお土産をジェネラルさんに渡した。


「こいつはすまんなぁ。

これを持ってきたって事は下の街に行ったって事だな?

今更何しにきたんだ?」


「ボスの特殊ドロップ狙いでござるよ」


カエデが答えるとジェネラルさんの身体がビクッと震える。


「お、おお……そうか。

条件は知ってるのか?」


「大丈夫です!

師匠に教えてもらいましたから」


特殊ドロップとはある条件を満たした状態でボスを倒すと確実にドロップする強力な素材だそうだ。


今回、その条件を師匠達に教えてもらいそれを達成する事で皆伝とすると言われている。


その時に全員が私たちの師匠が全員揃ったのだが、全員が顔見知り……というよりはエターニャがお店だった頃の従業員だったというのは驚いた。


ラーベルさんとトマスさんにガイの憧れた女性2人を、合わせた8人が元従業員なのだそうだ。


「そうか、お前達の師匠は……いや、やめておこう。

思い出すとあの時の恐怖が蘇ってくる」


何かを察してガタガタ震え出すジェネラルさん。


それに合わせて私たちもこの一ヶ月の授業内容が脳内を駆け巡る。


………うん、自然と身体が震えてくるのは何故だろうか?


私たちの様子を察したジェネラルさんはスッと目を細めた。


「そうか、お前達も……よし!

俺はいつだってお前達の味方だ。

何かあれば遠慮なくまた来るんだぞ!」


「ありがとうございます」


「お、そうだ!

行く前に少し待ってくれ」


ジェネラルさんがそう言って着ている鎧の中をゴソゴソとする。


「うーむ、何処にしまったかな?

ここでもないし、彼処でもない……お、あったあった!」


ジェネラルさんはそう言って鎧の中から一つの指輪を取り出した。


「こいつはゴブリン殺しの指輪と言って、身に付けるとゴブリン系に与えるダメージが増えるって代物だ。

俺が第一階層のボスだった時の名残なんだが持っていきな」


「そんな貴重なものをありがとうございます……って、ジェネラルさんは元々ボスモンスターだったんですか!?」


「まぁな。

その話は長くなるからまた今度な。

頑張ってこいよ!」


「はい、ありがとうございます!」


私はジェネラルさんから指輪を受け取ると深々とお辞儀をして皆の元に向かっていった。


ジェネラルさんの事は気になるが、先ずは目の前のことを片付けねば。


私は改めて玄武の扉の前で気合を入れるのだった。

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