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エターニャへようこそ〜アマテラス伝説〜  作者: 古葉七
第三部 〜ダンジョンシティと聖なる獣〜
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エターニャへようこそ(ダンジョン)

私達を背中に乗せたコマちゃんは白虎の攻撃を掻い潜りながら顔に近づいていく。


だが、白虎も一番の弱点であろう顔に私達を近づけるのを嫌い、あらゆる手段で追い払ってきて中々近づく事は出来ない。


一旦距離を取り、白虎と向かい合う形になる。


コマちゃんは一声吠えると意を決したように真っ直ぐに駆ける。


白虎は雷を落として迎撃しようとするが、スピードを一段上げたコマちゃんに当たらず、後方で鳴る爆音を引き離していった。


遂に白虎の正面まで辿り着いたところで白虎が大きく口を開ける。


最初は噛みつき攻撃をしてくるつもりなのかと思ったが、白虎の口内が激しく放電していた。


「まずい・・・避けて!!」


次の瞬間に白虎の口から雷を纏った息・・・サンダーブレスが放たれる。


「マリー殿!」


私の前に乗っているカエデが庇うように大きく腕を広げる。


だが、その瞬間に私達は下から押し上げるよう衝撃を受けて空を飛んでいた。


慌ててコマちゃんの方を見ると、コマちゃんの身体の背は伸び上がり、若干宙に浮いていた。


「コマちゃん!?」


「マリー殿!

今はコマが命懸けで作ってくれたチャンスを活かす時でござる」


「・・・うん、そうだね」


上昇する力が弱くなり体が真下に引っ張られる。


私とカエデは各々が壊すべき牙に狙いを定める。


「はあああああ!!」


私達は叫び声を上げながら魔力を体内に漲らせていく。


「神速三段突きに爆破魔法もオマケだーーー!」


白虎の左側の牙に大きな爆破が3回連続で巻き起こる。


その衝撃に耐えられずに白虎の牙は根本から折れていった。


カエデの方を見ると、こちらも大太刀の一撃が牙を叩き折っている。


「グオオオオオオオ!!」


雄叫びを上げながら白虎は仰け反って倒れる。


その方向には両手で槌を構えたニーナがいた。


「丁度いいところにやってきた上に雷が消えてんじゃん。

ほら、コイツも喰らいな!」


ニーナはそう言って大槌を振りかぶって白虎の顔面にぶつけていく。


「コマはこっちで確保したからお前たちも加わってトドメを刺しっちまえ!

無事だから安心しろ!」


後方からガイの声がした。


どうやらすぐに救出に入って保護してくれていたようだ。


その後、私たちが攻撃に加わった事で戦いは優位に進んだ。


雷の発生装置である牙を破壊した事で雷光のような動きが出来なくなった白虎に苦戦する事は無かった為である。


こうして、辛くも白虎を倒した所でボス部屋の出口が開く。


地上に戻るための魔法陣。


普通ならばここから帰るだけなのだが、第三階層に降りる階段の前に大きな看板があった。


「何で・・・ここにこの名前が・・・」


「おいおい、なんだよこりゃ?」


「何かの冗談じゃ無いんだよね?」


その名前を知らないカエデ以外の私たち3人は驚愕していた。


ずっと探していた姉が経営する店の名前がそこに書いてある。


だが、形式はお店では無いようだ。


「ダンジョンシティ『エターニャ』へようこそ。

大歓迎!!」


と書かれた看板を猫が咥えているデザインだ。


その猫は姉の店のマスコットキャラクターというものの筈だ。


つまり、この街には姉が関わっている。


そう確信した私達はとりあえず先に進んで確認してみることにした。




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