子供達のお手伝い
子供達をカイトの背中に乗せる前に自己紹介。
「私の名前はタチアナ・アマリス。
ターニャと呼ばれているので皆さんもその呼び方で大丈夫ですよ」
「はーい、ターニャお姉ちゃん。
私の名前はマリーだよ」
「俺の名前はガイだ。
よろしくな、ターニャ姉ちゃん」
「わ、私はニーナです。
よろしくお願いします」
「はい、よく出来ました。
カイトもちゃんと挨拶しなさい」
「む、我の名前はカイトだ。
よろしく頼むぞ。
小さきもの達よ」
そう答えたカイトの普通の鱗を強引にペリッと剥がす。
「いったーーー!!
そこ剥がさなくていいところだろ、姉ちゃん!?」
先程までの偉そうな態度もどこに行ったのやら。
いつもの調子で答えるカイトの変化に子供達は目を丸くしていた。
「さっきのは格好付けてただけで本当はこんな奴なんですよ。
年齢的にはマリー達と変わらないはずだから遠慮しないでくださいね。
カイトも子供相手に変に格好つけようとしない!」
「とほほ〜分かったよ、姉ちゃん。
えーっと、マリーとガイとニーナだっけ?
これからよろしくな!」
急に自分たちと変わらない喋り方で接してきたカイトに子供達も笑顔で頷いた。
「親睦も深まったところで早速協力してもらいましょう」
「ターニャお姉ちゃん、ここにあるよ!」
「ターニャ姉ちゃん、俺も見つけたぞ!」
「タ、ターニャお姉さん。
私も見つけました」
子供達をカイトの背に乗せて剥がれそうな鱗を見つけてもらう。
子供達に協力して剥がれそうな鱗を剥がしてもらう。
そうして手伝ってもらっているとこちらに向かって妙齢の女性が走ってくるのが見えた。
「はぁ、はぁ、申し訳ございません。
ここに三人組の子どもは来ていないでしょうか?」
私が女性に答えるよりも前に上から声がかかった。
「あ〜院長先生だ!」
「お、本当だ!おーい!!」
マリーとガイは元気に院長と呼ばれた女性に声をかけ、ニーナは無言で手を振っている。
「あ、貴方達!?
そんなところで何をやっているのですか!
いますぐドラゴン様の背から降りなさい!」
「えーっと、院長先生でしたか?
彼女達は私を手伝ってくださっているのであまり怒らないでください」
「お手伝い、ですか?
マリー達が何か失礼を働いたりは?」
「そんなことありませんよ。
ね、カイト」
私が声をかけるとカイトも背に乗る子供達に影響がないように気をつけながら頷く。
「マリー達にはおいらの剥がれかけた鱗を取ってもらってるだけだからね。
それにおいら達はもう友達だしな」
「そうだよ、院長先生。
私たちカイト君と友達になったんだよ」
「へへ、ドラゴンの友達なんてスゲーだろ?」
「う、うん。カイト君は友達」
「ドラゴン様と、友達?」
カイトと子供達の仲の良い答えに院長は呆然としながら答えることしか出来なかった。
どうやら状況に頭が付いていってないらしいので近くにあるベンチで話すことにした。
「ちょっと私は院長さんと話してくるからみんなはここで大人しくしててね」
私がそう言うと3人と一匹は元気に
『はーい』
と返事をするのであった。




