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エターニャへようこそ〜アマテラス伝説〜  作者: 古葉七
〜第一部 最強女店主編〜
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ポリタンでの出来事 (サラ視点)

私の名前はサラ・クレスト。


いまは妹のユリと一緒に私達姉妹の雇い主であり師匠でもあるターニャさんと一緒に、隣街であるポリタンの街に向かっています。


ターニャさんを一言で言うと凄い人という言葉しか出てこない。


ビフラーイの街で1番の商店の主人であり、冒険者として最強と言われている実力を持っている。


私達もターニャさんから教えを請いて修行を付けてもらっているのだが、鍛えれば鍛えるほどに実力差を思い知らされていく。


一体どうやったらそこまで強くなれるのか興味本位で一度聞いたことがあった。


ターニャさんは物心ついた頃から父親に連れられてあちこち旅をしていたらしいが、その時に鍛えられたのだという。


その詳しい内容なんだけど・・・聞かなければよかったと後悔中。


いまは必死で記憶から消そうとしている最中なので詳しい内容を語るのは遠慮させてほしい。


さて、先ほども言った通りに現在は隣町に来ているのですが、現在トラブルに見舞われています。


それは街に入る審査を受けていた時に起こりました。


私達3人は兵士に呼び止められて別室に連れていかれました。


入る前はターニャさんに生えた羽や尻尾で呼び止められるかと思いましたが、それらを消せる道具を貰ったらしく以前と変わらぬ姿です。


なので私達が呼び止められる謂れは無いのですが兵士の顔を見て納得。


とても嫌なニヤつき方をしています。


恐らく身体検査と称してセクハラをしようと考えているに違いありません。


下手に抵抗して街に入れないというのはマズイですしどうしたものでしょうか?


そんな風に迷っている間にも兵士は一番前にいたターニャさんを掴もうとしていました。


兵士の手がターニャさんの肩に触れた瞬間に


「キャーーー!エッチーーー!!」


大声で叫びながら兵士の手を掴んで反転。


肘を腹に入れながら投げ飛ばしてしまいました。


壁に大きなクレーターを作りながら叩きつけられるセクハラ兵士。


壁に叩きつけられた兵士は鎧の腹部分は陥没。


ピクピクはしているので辛うじて生きているようです。


「一体何の音だ!何があった!!」


その音で何人もの兵士が部屋に入ってきます。


そして壁に叩きつけられた兵士と私達を交互に見ます。


ターニャさんはその場にへたり込んで泣いてる真似をしていました。


1人際立って装備の良い兵士がターニャさんの前まで行き、しゃがんで目線を合わせながら話しかけます。


「申し訳ありません。

何があったか聞かせてもらえますか?」


「あ、あの。

私達は入り口の審査を通過して街に入るところだったのですが、そちらの兵士さんに呼び止められてこの部屋に連れていかれました。

何だろうと思っていると急に兵士さんが私の肩を掴んできたのでビックリして投げ飛ばしてしまったんです」


さっきまで泣いていた割にはスラスラと喋っていますね。


しかし、装備の良い兵士はそのことには疑問を持たずに他の兵士に事実確認を行なっている。


「はい、隊長!

私が彼女たちのチェックを行いました。

ビフラーイの街の身分証を持ち危険物の持ち込みもありませんのでしたので許可を出しました。

その後は次の人物のチェックを行っていたので見ておりません」


「はい、隊長!

私は彼が少し疑問があって別途審査を行うので取調室を借りるという申請を受けました。

少しの確認をするだけだからすぐに終わると言っていたのと、実際に何かあって街に危険があってはいけないので許可を出しました」


隊長と呼ばれたその人は周りの兵士の話を聞き、結論を出します。


「どうやらあの者は常習的に女性を部屋に連れて行っては別途に再審査と称してセクハラを行なっていたらしい。

不快な思いをさせて大変申し訳ない」


「いえ、私達も特に何かされたわけではありませんので。

それでもう街に入ってもいいのでしょうか?」


「ええ、もちろんです。

ポリタンの街は貴女方を歓迎いたしますよ。

この後に日程はお決まりですか?」


「宿を探してから街を見て回ろうと考えています」


「それでは今回のお詫びとして私の家に招待させては頂けないでしょうか?

我が家はこの街で一番大きな屋敷ですので女性も安心して過ごせますよ」


「それはとても嬉しいお誘いですね。

失礼ですがお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」


「おや、私としたことが自己紹介を忘れていましたね。

私はこの一帯を収める領主の息子でロバート・ニデロと申します」


「私は隣町のビフラーイで商店の主人をしているタチアナ・アマリスです。

後ろの2人は従業員のサラ・クレストとリナ・クレストと言います。

それではロバート様、よろしくお願いしますね」


こうして何が何だか分からないうちに私達は貴族の屋敷に呼ばれることになってしまった。

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