【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな○○がいたら
【60秒で一気読み! キャラクター小噺】 〜もしも、こんな武士になりたかったアイドルがいたら
【ホントになりたかった職業は⁈】
ある売り出し中の知性派女の子アイドルはマネージャーからファントークイベントで注意とアドバイスを控え室で受けていた。
「いいかい、キミは結構天然だからなるべくおバカな発言には注意してね。東大卒知性派の女の子キャラで通すから。あ、そんなこと知ってるんだっていうことをアピールしてね」
このアイドルは素直なところがあるため、熱心にアドバイスを受け止めていた。
「意外性も重要だよ。えっ⁈、と思わせておいてさりげなく深い知識を持っていることを披露するんだ。なるほど、そう話が繋がるんだって納得させるんだ」
アイドルはマネージャーの助言をよく覚え期待に応えるべく、司会者の待つステージに上がり、質問を受けた。
「昔、なりたかった憧れの職業ってなんでした?」
「実はあたし、武士になりたかったんです」
詰めかけたファンからどよめきと好意的な笑いが起きた。
少し面食らった司会者は、でも、これは面白そうだと質問を掘り下げた。
「詳しく聞かせて。またどうして女の子が武士に憧れるの?」
「わたし、歴史とか好きでよく時代劇とか見るんです。貧しい生活に耐えて長屋で傘を作りながら、いざ困ってる人を見つけたら得意の刀を振るい悪を滅ぼす。そんな人になりたくて」
キマッタ!
アイドルはココロの中で勝ち誇った。少なくとも彼女はそう確信した。
司会者は、少し躊躇したあとポツリ漏らした。
「それって、武士というよりは、浪人?」
ファンたちは思わず全員同じタイミングでうなづいた。
「‥‥‥それって、どこが違うの?」
自称高学歴アイドルの道は険しかった。