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人に厳しく己に優しく  作者: おおうきも
1/5

一話目 男、去る

時刻は外が明るくおそらく昼を過ぎた頃に、二階からどしどしとやる気のなさそうに22にして高校中退、ネット中毒、やる気なし挙句の果てには俺は悪くない親が悪いといいそうな男が下りてきた。



「母上、母上わたくし2日もなにも食べておりませぬ」

そういう男の顔はぶくぶくと太っておりなにも食べなくても1週間は生きていけそうな顔をしていた。




「あぁ・・・醜いかわいそうなわが息子よ、22にして高校中退、ネット中毒、やる気なし挙句の果てには俺は悪くない親が悪いという轟 次郎と名の息子よ・・・今日のバイトの面接にいけば与えてやろう・・・・」

あぁ・・・かわいそうにめそめそ・・・と泣きまねをしだす30台に見えるこの女性、少し目がやつれており疲れているのが見てわかる。



「嫌でございます・・・!嫌でございます!わたくし面接などに行きたくないでございます・・・・!!」

そんな母を目にしてこの男は頑固拒否、人の心っていうものがないのか。

絶対にいかぬぞと椅子にしがみつき警戒の姿勢を取り出す。




「なんということなの・・・もうわたくしには貴方を養う元気が残っておりませぬ・・・」

 もうだめだといわんばかりに手で顔を覆い泣き出すこの女性

 それをみて男は



「またネトゲで徹夜したの?」

さっきまでの会話はなんだったのか急にやれやれまったくと言いたげにそういった。




「昨日はイベントがあったんだよ 仕方ないだろほら飯作れ ほらほら」

涙とはなんだったのか、なんだよ悪いのかよと言いたげに飯をせかす。




「仕方ないにゃぁ・・・・」

本当に仕方ないやるかと言いたげに一度伸びをし冷蔵庫の食材を確認しにいく男

実はこやつらどちらが料理を作るかで二日間我慢比べをしていただけなのであった



「いやぁーやっぱ持つべきものは料理のできる息子だねぇ!」

がっはっはと女性が笑うと男は悔しそうに睨む。

そして適当にとりだした食材から見た目とまったく似合わないこなれた手つきで調理していく。






30分くらいたった頃だろうかようやく料理がテーブルに並びだす。

味噌汁と漬物、そして親子丼よい香りが部屋を包み込む。



いやぁー腹減った、と言いたげにお腹をさすりながら先ほどの女性が食卓に付く。




「うまそうだね・・食べていい?」

餌を前にした犬のようにしっぽでも揺らしてるのではないかといいたげにいう。




「おあがりなさい、いただきます」

少し偉そうにそういう男

そんなのを気にせず女性は飯にがっついていく。

そして




「あ、そうそうお前やせる気ある?」

唐突にそう言い出した女性

おちょくる感じではなくただやせたいならという親切心であろう。




「まぁやせられるなら痩せたいけど・・・食べるのを我慢できる自信はない・・・!!」

この二日間料理するのが面倒って理由だけになにも食べてないじゃねーかと本気で突っ込みそうになるがそれを押さえ




「お、じゃあちょっとまってな」

といいスマホを取り出しどこかに連絡する。

そして

「やほやほー前言ってたデブ息子が痩せたいってさ」

と一言いったのち立ち上がり



「一命様ごあーんなーい!」

年ですこし、いやかなりきつく見えるポーズをとりながらそう言い放った。





そして男の視界は白く包まれたのだった。

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