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500バイトのオモイ  作者: プリティーお魚
第2章 ペアレンツ
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14バイトのオモイ

「お目覚めかい」

「ここは…」

気が付くと殺風景な部屋の中にいた。打ちっぱなしのコンクリート。今までいた場所と似ており、なんだかむかむかする。

「君と僕の関係を知っているかい」

ユリには質問の意味が分からなかった。看守長がなぜあんなことをし、自分を傷つけたのか。

看守長は口元をグイッとあげ、見たこともないような奇妙な笑顔でユリに言った。

「僕は君のお父さんだよ」

「‥え?」

ユリは驚きを隠せなかった。看守長は何を言っているのだ。

「看守長がお父さん?じゃ、じゃあお母さんは誰なの」

その時、看守長を似た制服を着た女性が部屋に入ってきた。手には二皿分のステーキのようなものを持っている。

「ほう、ちょうどいい。親子三人揃ったな」

まさか、この女性が…?

「お母さん…?」

ユリが女性に向かっておそるおそる話しかける。すると女性は、

「‥人違いです」

そう言って去ってしまった。

看守長の様子がおかしい。

「ふふっふうううふふふほははははははh」

看守長は肩を震わせおお笑いしている。目には涙すら浮かべている。

「看守長…?」

「さぁしちゅうを食べよう、せっかくこうやって前にあるんだ。食べなきゃもったいないな???」

「ねえ」

「おや食べないのか?じゃあ僕が食べてあげるよ、ほら、なんておいしそうなお肉なんだろうか?」

看守長がユリの分のシチューに手をかけ、肉を食べたとき、突然看守長の顔が真っ青になり今しがた食べたシチューを吐き出してしまった。

「看守長…?もしかしてこのシチューには毒が!?」

「‥お前はこのシチューを食べてはいけない」

「え?ほんとうに毒なの?」

「違う。ところでさっき母親の話を」

「あ、そう、さっきの女の人がお母さんなの?」

看守長は口をあわただしげに動かし、一息ついてこう言った。

「いいや、この肉が、お前のお母さんなんだよ」

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