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12バイトのオモイ
ユリは激しい金属音で目が覚めた。
全身真っ黒の男数人がロボットに向かってチェーンソーを振りかざしている。
「ちょっと!何してるの!」
男たちはユリを一瞥しただけで作業を止めない。
ユリは男たちにしがみつく。すると男の一人が舌打ちをし、チェーンソーをユリに向ける。
その時、ロボットがいきなり光線をだし、その男の頭を消し炭にする。ロボットには傷一つついていない。
残りの男たちは一目散に逃げ出した。
「イザヤ!大丈夫?」
『あんなのじゃきずはつかない。ユリはだいじょうぶ?』
「大丈夫だけど…あのね」
ロボットは首をかしげる。
「イザヤにも人間らしくしてほしいの。すぐにほかの人を傷つけないで」
『しかし』
「私は死なないけどほかの人は死んじゃうの。死んだらおしまいなの。わかる?」
『わかった。ユリからいわれるまでこうげきをしない』
「うん。ありがとう」
「看守長、ロボットは特殊な素材でできているようで、破壊は困難かと」
「そうか…では、私が直接向かうよ」
「危険ですよ!」
「娘は私のことを信頼している。大丈夫さ」