3バイトのオモイ
ロボットの下部から火が吹き出し、ゴオオ、というすさまじい音が鳴ったかと思うとロケットも顔負けな勢いで飛び上がった。天井を突き破り、突き破り、突き破り、ついに建物から飛び出した。
今は“夜”だったのか。物心ついた時にはあの牢屋にいた少女にとって建物の外の世界はすべてが眩しく、そして明るい。
ロボットのディスプレイに、『だいじょうぶ?』と表示された。しかし天井を破壊した際にコンクリート片が目に突き刺さっておりあまりうまく見えない。
『あfdsdr』
ロボットはいきなり急降下し、近くの林の中に突っ込む。その際に木の枝が腕に突き刺さった。
『ごめん』
ロボットは地面に着くなりコンクリート片と木の枝を引き抜こうとする。
「まって」
今引き抜かれたら痛いに決まっている。少女は看守長からもらった痛み止め薬を飲み、自分で引き抜く。
ロボットは無機質ながら明らかに動揺しており、自分の頭頂部からガーゼをだし渡してこようとする。
ガーゼは大量にくれるものの、そのようなもので血が止まるはずもなく、目、腕から大量の血が出る。少女は慣れたものだがロボットは吐き気がするらしく、フラフラとおぼつかない。
あ、寒い。そう思った時、少女は倒れた。