0バイトのオモイ
2300年、日本。少子化はもはやどうすることも出来ないレベルに達し、資源は尽き、国民の精力も尽きた。この国にいる意味はあるのか。この国にいて未来はあるのか。海外ではアメリカのように未だ栄えている国もあるがとある力によってこの国に生まれた人間は外へ出ることが出来ない。
それは総理大臣の権力だ。理由は不明だが、彼が国民を一人とて外に出すのを許さない。彼が総理大臣に就いてはや10年。一つ変わったことがある。それは肉の自給率が急激に伸びたことだ。
「おい、起きろ。」
看守の声が聞こえた。1人血塗れの牢屋でうずくまる少女は聞こえないフリをしている。どうせ起きていても寝ていても変わらないことだ。
看守は、ボソッと何かを言い、後ろの掃除機のような機械のホースを少女の足にとりつけ、機械のスイッチを押す。するとホースについていた刃が回転し、少女の足を切断し吸引した。少女はあまりの痛さに叫び、数分後には意識を失っていた。
30分くらい吸引は続いた。機械のタンクには大量の足が入っている。しかし少女自体には足がついたままだ。
看守はまた何か呟き、食事を置いて牢屋を去っていった。
血生臭い牢屋で、少女は1日を終える。