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初期練習作(短編)

諦めないこと

掲載日:2015/06/19

あまり綺麗な文章ではありません。

苦手な方はスルー推奨。

 あだ名がボサエモンという男がいる。

彼にとって一番大事なものは、

自分の立派なすね毛だった。

それはまるで単子植物の不定根のように

わさわさと生えていた。


 「なあなあ、同志よ」

皮膚の常在菌が話している。

彼らはこのひげ根に好んで住んでいる。

その一群が言った。

「最近ボサエモンにいい人ができたんだと」

「それは目出度いねえ」

ひとりの常在菌が顔を出す。

「それはいいんだけどな、

大変なことが起こるかもしれねえびょ」

「どんなどんな」

皆で顔を突き合わす。

「もしそのオナゴがきれい好きだったらな、

この集合住宅地を悪く思うかもしれねえ」

「そしたら、剃られちまうかなあ」

「わがんねえ。

あんまり立派なもんでよお」

「でもボサエモンがそげな事するとは思えんぜ」

「んだんだ」

その場はひとまず解散となった。


 しばらく日が経ち、

ボサエモンの初デートの日。

「ちょっとショックー!

なにこの毛、すごいねー」

ガングロで長い金髪の女性が声を上げる。

「超うけるんだけどぉ~」

「いや、生まれつきなんだし。

気持ち悪かったら、剃ろうか?」

女性はけらけらと笑った。

「別にいいよー。

処理する方が変だってー」

女性はボサエモンのすねをわさわさと撫でる。

常在菌たちの家もかき回される。

「良かったじゃないか。

これでひとまず安心だ」

のんびりとそれぞれの家に帰っていった。


 次の日。

ボサエモンは薬局で剃刀を見ていた。

「なんだなんだ、やはり剃る気か」

「終わったな。この世の終わりだ」

「かあちゃーん」

「なんまんだぶ、なんまんだぶ」

「新築なのに……」

大騒ぎになっている。

ボサエモンは思った。

やはり顔のヒゲくらいは、もっときれいに剃ろう!

すねは、これでいいとして。


 一晩経って、また二人でデートをしている。

ボサエモンはきりっとした顔つきで前を見る。

彼の目には、愛しい女性の髪に住む常在菌が映っていた。

あれも含めて愛してる。

ボサエモンはやはりいい男なのであった。

「ねえねえ、こっちこっちー」

ガングロ女性が手をつなぐ。

彼女もボサエモンの常在菌をちらりと見る。

「ねえねえ私たち気が合いそうだね」

だって彼らも皆で仲良くしてるじゃん。

みんなで幸せになろうねえ。



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