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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
新たなる決意
9/99

初めての豪邸訪問1

これまでのあらすじ)

パインは、カイン王国で知り合ったアリスと傭兵試験に合格する。

傭兵協会会長のバーバラは、試験中に起きた不可解な出来事を調査する為、

試験官サールを2人に同行させる。

3人は、カルラド王国の天馬の尻尾亭に拠点を移すことを決めた。

そこで、(ローザ)を探す少女(リナ)と出会った。

突然の襲撃に驚く4人。

ジェイルと名乗るヒーロー(?)に助けられる。

リナの持っていたペンダントに刻まれた魔法陣。

どうやら、このペンダントを狙っているらしい。

一体このペンダントにどんな秘密があるというのか?

連合暦20年3月20日、

最初に天馬の尻尾亭の一階に現れたのは、アリスとリナだった。

アリス:「おはようございます。」

リナ:「おはよ。」

ドレアル:「おっ、早いな。おはようじゃな。」

その時ドレアルは朝食を作っていた。


アリス:「手伝いますね。」

リナ:「リナもやるー。」

ドレアル:「では、食器を並べてくれ。」

アリス:「はーい。」

そう言うと、2人は食器を並べ始めた。


その時、扉を開けて、1人の男が入ってきた。

アリスがそちらを見る。


アリス:「お店は、夜からなのですが、、、。」

男はアリスの胸のペンダントを見た。

男:(あれは、、、。)

そして、少し考えると話始めた。

男:「お嬢さん、ちょっとお話が、、、。」

アリスは男をじっと見つめる。

そして、言った。

アリス:「あっ、ジェイルさん、

    おはようございます。

    昨日はありがとうございました。」

突然名前を呼ばれ、ジェイルは驚いた。

ジェイル:(えっ、なぜ分かった?)

その疑問を口にする。

ジェイル:「なぜ、私がジュエルだと?」

アリスは、人差し指を立て、胸の位置まで上げると、

左右に動かしながら言った。

アリス:「簡単なことですよ。

    背丈、髪型、輪郭、そして決めては声です。

    これだけ一致する人はめったにいません。」

ジェイルはしゃがみこむと、頭を抱え、

なにか悩んでいるようだった。

ジェイル:(むむむ、私の知っているヒーローは、

     目を覆うマスクやめがねだけで、

     別人になれているのに、、、。

     いったい、何故だ?)

しばらくの間じっとしていたが、

突然立ち上がると、何事も無かったように言った。

ジェイル:「何を隠そう、実は私が、あのジェイルなのです。」

アリス:「分かってますよ。で、なんでしょうか?」

ジェイル:(んー、どうも計画通りに進まないな。

     まあいい、本題に入るか。)

ジェイル:「実は、ローザさんのことについてお話が、、、。」

アリス:「えっ、ローザさんを知っているのですか?」

ジェイル:「ええ。知っています。

     その件について、お話しがありまして、

     今日の昼に我が家に招待したいと思い、

     伺ったしだいです。」

アリスは即答した。

アリス:「是非お願いします。」

ジェイル:「それでは、昼に迎えの馬車を来させますので、

     それで来て下さい。」

アリス:「はい、分かりました。」

ジェイル:「それでは、後ほど、、、。」

そう言って、立ち去ろうとした、その時。

パインとサールが現れた。

そして、ジェイルの後姿を見るなり言った。

パイン:「あ、ジェイルさん、おはようございます。」

ジェイルは後ろを振り返る。

ジェイル:(なぜ、後ろ姿だけで、ジェイルだと分かった?

     こいつら、超能力者か?)

ジェイル:「おはようございます。それでは、急ぎますので。」

そう言うと、逃げるように帰って行った。


2人はアリスに近づく。

パイン:「あいつ、何しに来たの?」

アリス:「ローザさんのことを知っているみたい。」

パイン:「えっ、なんだって。」

アリスは今の出来事を説明した。

パイン:「そうか、それなら、話を聞いてみないとな。」

パインは何か思案しているようだった。

アリス:「そういえば、あんなに遠くから何でジェイルさんだと

    分かったの?」

パイン:「えっ、ああ、あいつ手にマスクとマント持ってただろ、

    あんなもの仮装パーティーぐらいしか使わないから、

    ジェイルだと思ったんだよ。」

アリス:「なるほど、そっか。」

迎えの馬車が到着するまで、今後の事についてドレアルを

交えて話し合った。


そして、丁度昼の12時にポールと名乗る執事が現れた。

アリスは、馬車を見ると考え始めた。

パイン:「すげー。こんな立派な馬車初めて見たよ。」

サール:「えぇ、わたしもです。」

そして、ポールが馬車の扉を開く。

3人が馬車に乗り込むと、ゆっくりと移動し始めた。


パイン:((可哀想だったけど、

    リナを置いてきたのは正解だったな。))

サール:((えぇ、ジェイルが敵か味方か分からない状況で

    連れて行くのは考え物ですからね。))

パイン:((ジェイルって何者なんだろうな?))

サール:((まあ、ジェイルが普通の人とは違うということは

    分かりますけどね。))

アリスは、ずっと口を閉ざしていた。

それが何故かは2人には分からなかった。

アリスに聞いてみることも考えたが、

なぜか聞いてはいけないという雰囲気がそれを阻止していた。


パインが外を見ると、馬車は王宮へと向かっていた。

パイン:((おいおい、このまま行くと王宮だぞ。

    まさか、王族ってことはないだろうな?))

サール:((まさか、そんなことは無いでしょう。))

そんな話で盛り上がっていると、馬車は竜またぎの門が見える所

まで、やってきた。

パイン:((まさか、本当に、、、。))

サール:((・・・。))

馬車は門を通過していく。

パイン:((よかった。通過したよ。))

サール:((えぇ、よかったです。

    さすがに、王族とは事を構えたくないです。))

パイン:((だよな。))

馬車はさらに進み、豪邸の立ち並ぶ地区に入って行った。

パイン:((どうやら、ジェイルは貴族みたいだな。))

サール:((そのようですね。))

馬車は、大きな門のある敷地の中に入った。

パイン:「うぁ、広い庭、でかい家。これは相当の名家だな。」

サール:「すごいですね。」

2人が関心していると、馬車は止まり、執事が扉を開ける。

ポール:「到着いたしました。こちらへおいで下さい。」

3人は、屋敷の中へと入った。


そこは、まるでお城を連想させる玄関ホールだった。

正面には2階へと続く階段があり、左右には豪華な扉があった。

パインとサールはその装飾に感激しながらポールの後に続いた。


左側の扉が開かれる。

そこには20人以上座れそうな大きなテーブルが置かれており、

奥には暖炉があった。

上を見上げると、2階の廊下のようなものが周囲をぐるっと

回っていた。

ポールに入ってすぐの位置に座るように言われ、

それに従った。

しばらく待つと、暖炉側の扉からジェイルが現れた。


ジェイル:「ようこそ、我が家へ。」

パイン:「前置きは良い、ローザの話を聞かせてくれ。」

ジェイル:「そう慌てることも無いですよ。

     いずれ、分かることです。」

そう言うと、ジェイルが右手を上げた。

すると、目の前に複数の鉄の棒のようなものが落ちてきた。

パインとサールは、周りを見る。

周りは鉄の棒で囲まれていた。

パイン:「くそ、計ったな。」

サール:「やられました。」


突然アリスが声を上げる。

アリス:「やっと、思い出した。

    あなた、ロミュラン伯爵家の者ね。」

そう言って、ジェイルを指差す。

ジェイル:「ほう、私を知っているのか。

     まあ、いい。

     とりあえず、ペンダントを渡してもらおうか。」


突然、アリスがきょろきょろと回りを見回す。

アリス:「えーーーーーっ。

    どうなってるの?

    なんで、閉じ込められてるの?」

パイン:((おいおい、今頃、気付いたのかよ、、、。))

サール:((今は、ジェイルにペンダントを渡せと

    要求されているところです。))

アリス:((んー。どうしようか?))

パイン:((殺して奪わないところを見ると、

    危害を加えようとは思っていないみたいだし、

    とりあえず、渡して様子を見ないか?))

サール:((私も賛成です。))

アリス:((分かった。))

アリスは首からペンダントを取ると鉄格子の間から差し出した。

ジェイルはゆっくりとアリスに近づきペンダントを受け取る。


ジェイル:「ハッハッハッハッ!!

     ついに、2つのペンダントがそろった。

     これで、ついに念願の力が手に入るのだ。」

その時、ポールがジェイルに近寄ると耳打ちした。

ジェイルは少し驚いた顔をした。。

ジェイル:「なに?父上が、、、。」

そして、玄関ホールへ向かって走り出す。

しかし、鉄格子があって、そちらへはいけない。

ジェイル:「なんだ、この鉄格子は!!

     玄関ホールへ行けないだろ!!

     誰がここに出したんだ。!!」

3人は同時に思った。

3人:((お前だよ!!))

ポールがジェイルをなだめると、

2人一緒に反対側の扉から出て行った。

アリス:((ポール、かわいそう。))

パイン:((ああ、あれの執事はストレスたまるだろうな。))

サール:((はっきり言って、私には無理です。))

3人は、囚われていることも忘れて、雑談に花を咲かせた。


しばらくすると、ジェイルがポールを引き連れて戻ってきた。

何故か、ジェイルの顔は青ざめていた。

ジェイル:「お前達を解放する。

     すまないが、

     これから行くところに付き合ってもらう。」

そう言うと、何かポールに指示する。

ポールがレバーのようなものを上げると、

「ゴゴゴゴゴゴ、、、。」という音して、

鉄格子が上に上がって行った。


パイン:((なんか助かったみたいだな。))

アリス:((よくわからないけど、助かったね。))

サール:((えぇ、いったい何処に行くというのでしょうか?))


3人は何処に連れて行かれるのだろうか?

謎は深まるばかりである。

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