表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
新たなる決意
20/99

初めてのお使い4

残り時間0:15

皆が無言で蝶を見つめている中、

アリスだけが別のところを見ていた。

アリスが沈黙を破って、声を上げた。

アリス:((ねぇ、ベットの頭側の下にある小ビンって、

    なにかな?))

一斉にそこに注目する。

パイン:((なんだろう?

    ん?なんか紙みたいな物もあるけど、

    ここからは、よく見えないな。))

じっと黙っていたポールが突然声を上げた。

ポール:((揺り椅子の人ですが、浄化しましょう。))

パイン:((えっ、なにを急に。))

ポール:((これまでの情報で色々と分かりました。

    これは、あくまで私の想像ですが、

    聞いていただけますか?))

パイン:((もちろん。))

サール:((えぇ。))

アリス:((聞きたーい。))


4人が床に座ると、ポールが静かに語りだした。

ポール:((まず、日記から分かることですが。

    主と妻は何かを開発していたが、時間が足りなかった。

    当然ですが、時間が足りないということは、

    期限があるということですね。

    そして、期限に間に合わないため、

    しかたなく最後の手段の選択を迫られた。

    ということは、開発していたものと、最後の手段は、

    別物であるということが分かります。

    その後、生贄が必要な魔法陣が完成した。

    この魔法陣については、妻は反対していませんので、

    合意していたと考えられます。

    この生贄問題について、あの方法と書いています。

    妻があの方法に反対していたとも書かれています。

    つまり、魔法陣は最初に開発していたものではなく

    最後の手段の可能性が極めて高いことになります。

    そして妙薬ですが、間に合いそうと書かれていますが

    そのあとに後は全てを妻に任せようと書かれています。

    つまり、妙薬も最初に開発していたものとは違うと

    いうことですね。

    妻が閉じ込められ、心変わりをする部屋。

    そして、あの魔法陣の中の女性と小ビン、制止した蝶。

    これらを総合して考えると、、、。))


パイン、サール:((・・・。))

アリス:「スピーーッ、グガガガガーッ、スピーーッ。」

パインがアリスに向かって、軽く脳天唐竹割りを入れる。

アリスは、びっくりして目を覚ますと、周りを見た。

そして、すぐにガクッと首を下げると再び眠りについた。


ポール:((皆様もすでに、お分かりかと思いますが、

    主と妻は、あの女性の危機、たとえば病気などを

    治す為の研究を行っていましたが、その期限までに

    完成させることが不可能だと判断した。

    そのため、最終手段、たぶん時間を停止させることで、

    時間を稼ごうとしたのだと思います。

    時間を停止させる魔法陣が女性が寝ていた方。

    揺り椅子の人のいた方が、生贄の魔法陣。

    たぶん、生贄の魔法陣では、常に時間が高速に動いてる

    のでしょう。

    それは、前回の取引で魔法陣に入った者が一瞬の内に

    白骨化したことでも分かります。

    時間を停止させる魔法陣の継続条件が魔法陣内に

    術者が存在している限りだとしたら、

    妙薬は、ネクロマンサーになる薬。

    不死の能力を得て、魔法陣を発動し続けていると

    考えられます。

    妻を閉じ込めていた部屋が、女性が寝ていた部屋。

    ミイラ化した女性が妻ではないかと考えています。

    そして、揺り椅子の人を浄化することによって、

    双方の魔法陣が止まると、、、。))

サール:((もしそうなら、揺り椅子の人が、

    自らの死を望んでいる意味もつながりますね。

    妻が完成させた薬を寝ている女性の魔法陣に入れ、

    主に伝えた後に息絶えたと。))

パイン:((しかし、本来の目的の骨はどうするんだ?))

ポール:((それについては、日記を読んだ時点で、

    すでに結論がでています。))

パイン:((えっ?))

ポール:((交換品の玉はすでに分かっていると思いますが

    魔晶石です。

    しかし、すでに魔法陣は発動している。

    ということは、交渉の余地は無いということです。))

パイン:((たしかに。))

ポール:((日記から骨の一部ということが分かっていますので、

    残りの骨がこの屋敷に存在するのは確かです。

    あの女性を当家で保護します。

    そして、あの女性が回復した後に、

    正式に譲り受けたいと考えています。))

パイン:((なるほど、分かりました。))

この後、4人で浄化するかどうかを話し合った。

そして、結論がでた。


残り時間0:08

ポールとパインは、揺り椅子の人の前に移動を始めた。


アリスとサールは、寝ている女性の部屋で待機していた。

これは、浄化後に出来る限るかぎり早く対処するためだった。

アリスは部屋の中を物珍しく見て回っていた。

そして、机の上に突っ伏したミイラ化した遺体の下に文字を

発見した。


アリス:((サール、これ、なんだろう?))

サール:((なんでしょうね?))

遺体を丁重に移動すると、それを読んだ。


  魔法陣を止める時は、必ず△印のあるところで

  浄化の呪文を行うこと。


アリス:((えっ!!))

サール:((なんだって!!))

2人はびっくりしたような顔で言った。

アリス:((まってーー!!))

サール:((浄化は、ダメです。))


しかし、丁度同じタイミングで、浄化の呪文を開始した。

 「ガコッ」という音が鳴ったあと、悲鳴が聞こえた。

パイン:((うぁっ、、、。ぐぎゃぁぁぁぁぁ!!))

ポール:((あっ。))

叫び声が頭の中を駆け巡る。


2人は、急いで、隣の部屋へと移動した。

扉を開けると、目の前にポールが立っていた。

そして、2人に気がつくと、下を指差した。


床には穴が開いており、その下には無数の腕が見えた。

まるで、床から腕だけが生えているようだった。

そして、その無数の腕が完全に硬直したパインを

大玉ころがしの玉のように、右へ左へと運んでいた。

アリス:((うぁー、楽しそー。私もやりたーい。))


その後、気絶しているパインを助けだし、

女性のいる部屋へと運んだ。

サールから文字の事を聞き、揺り椅子の部屋へと戻った。

いつのまにか、穴は塞がっていた。

そして、△印の場所を探しだし、

その場所で浄化の呪文を唱えた。

揺り椅子の人は、それを静かに見ていた。

浄化の呪文による苦痛があるにもかかわらず、

じっと動かずにそれを受け入れていた。

そして浄化の呪文が完了すると

  「シェリル」

という言葉と共に、灰になってしまった。


その時アリスとサールは、女性を見ていた。

魔法陣の光がきえると、すぐに蝶が動き始めた。

サール:((こちらの魔法陣の光が消えました。))

ポール:((小ビンを確認して下さい。))

サールがアリスに小ビンを渡し、

その下の紙のようなものを確認すると、


 この子に飲ませてあげて下さい。


と書かれていた。

アリスは、女性が生きていることを確認した上で、

その指示にしたがった。

しかし、しばらくまっても女性は目を覚ますことは無かった。

その後、ジェイルの部隊の到着を待って、ポールと共に戻った。


その日の夜、この件の真相を説明するといってポールが現れ、

4人は屋根裏部屋にいた。

ポール:「それでは、あの後分かった事をお話しましょう。

    あの揺り椅子の部屋で日記の前半が発見されました。

    やはり、彼はズールでした。」

パイン:「やっぱり、そうだったのか。」

ポール:「その日記に書かれていた内容を簡潔に説明します。

    元々、ズールの屋敷は、村の中にあったようです。

    ズールは何かの研究を行っていました。

    その研究のため、一家は何人かを連れて、

    他の地へと旅にでました。

    村に戻った時、村に疫病が蔓延していたそうです。」

パイン:「疫病だって。」

サール:「一体、どんな病気だったんですか?」

ポール:「残念ながら、その記録はありませんでした。」

サール:「そうですか。」

ポール:「ズールは、すでに亡くなっている人々を埋葬すると

    妻と娘と共に病気の原因と治療法の研究を始めました。

    そして、原因がこの村の井戸だということを発見し、

    今後再発しないように処置を行ったそうです。

    原因が分かったため、薬の開発は進みました。

    しかしこの時、一家はすでに病気に冒されて

    いたようです。

    そして、日記の後半へと続くわけです。」

パイン:「なるほど、そんなことが、、、。」

ポール:「母親の手記も見つかりました。

    それには、薬が1人分しか作れなかったこと、

    愛する夫を浄化することが出来なかったことが

    書かれていました。」

パイン:「ところで、あの女性は大丈夫なのですか?」

ポール:「はい、目を覚ました。

    事情を説明すると、最初は酷く取り乱して

    おりましたが、次第に落ち着きを取り戻し、

    今は、ジェイル様がお話を伺っているところです。」

パイン:「それは、よかった。」

サール:「えぇ、よかったですね。」

アリス:「よかった、よかった、これで一件落着だね。」

パイン:「ああ、そうだな。」

サール:「えぇ、そうですね。」

ポール:「いえ、実はまだ解決していないのです。」

3人 :「えっ?」

ポール:「実は、本日来たのは、

    別の依頼をお願いしたいからなのです。」

3人は顔を見合わせた。

パイン:「一体どんな?」

ポール:「詳細は明日、当家の屋敷でお話いたします。

    朝一番で向かえをよこしますので、

    お話だけでも、聞いていただきたいのですが、、、。」


パイン:((どうする?))

サール:((とりあえず、話を聞かないと

    答えようがありませんね。))

アリス:((そうだね。))

パイン:((とりあえず、話だけでも聞くか。))

サール:((そうしましょう。))

アリス:((はーい。))


パイン:「では、とりあえず、話だけでも聞かせてください。」

ポール:「それは助かります。

    それでは、明日お待ちしておりますので、

    よろしくお願いいたします。」

パイン:「わかりました。」


C:「今回からあとがきの司会進行を勤めさせていただきます。

  Cです。」

A:「アシスタントを勤めさせていただきます。

  Aです。」

C:「今回は説明ばっかりで面白くないですな。」

A:「そうですね。

  きっと作者も困っていたんじゃないですかね?」

C:「たぶん、'初めてのお使い3'を投稿したあとに、

  失敗したと思ってたんじゃないかな?」

A:「それに、あの残り時間って、わざわざ入れていながら

  結局なににも使われなかったし、、、。」

C:「あれは、ゲームの時間制限クエストを真似たらしいけど、

  小説では失敗することはないし、

  意味なかったんじゃないか?」

A:「そうですね、

  読者にも伝わらなかっただろうし、、、。」

C:「実は、失敗パターンの構想も練っていたらしいんだけど、

  納得できなくてやめたらしい。

A:「えっ、勝手にやめちゃうの?

  ひどーい。」

C:「作者も気にしているようだから、

  大目にみてやってほしいな。」

A:「ところで、もし失敗していたらどうなったのかな?」

C:「クエスト失敗だったんじゃないか?」

A:「えっ、それって、また初めから?」

C:「まあ、それは無いと思うけどね。

  納得できたら、またやるって言ってたので、

  その時に期待するしかないかな。」

A:「へー、そうなんだ。まあ、気長に待つしかないのかな。

  ところで、最初の方で'とある場所'の男達の

  会話があるけど、あれって何も進展がないけど、

  どうなってるんですかね?」

C:「あれは、そのうち分かるらしいよ。」

A:「へーそうなんだ。我慢して待つしかないのか、、、。」

C:「さて、そろそろ時間ですので、次回をお楽しみに。」

A:「ばいばーい。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=714265189&s ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ