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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
新たなる決意
15/99

初めての宝探し2

パインは、右手に鍵のようなものを持ち、

祭壇の後ろの人工的な穴を見ていた。


パイン:((この穴に、これを挿すのか?))

サール:((罠の可能性も考えられます。

    他に無いか確認してみましょう。))

アリス:((はーい。))

3人は、他に無いかを探したが、

それらしいものは見つからなかった。


パイン:((どうやら、これだけみたいだな。

    挿してみるしかないのか?))

サール:((みたいですね。

    覚悟を決めましょう。))

アリス:((・・・。))

パイン:((分かった。いくぞ。))

パインはゆっくりと鍵のようなものを差し込んだ。


 「ガコッ」


スイッチが入るような音が聞こえた。

3人は、何か変化が無いかと辺りを見回す。


突然、「ゴゴゴゴゴゴ、、、。」と言う音と共に

壁が奥へ引っ込む様に動いた。

そして、通路が出現した。


パイン:((すごいな。

    だけど、こんな大掛かりな仕掛け意味があるのか?))

サール:((そうですよね。

    隠すだけならもっと簡単な仕掛けでいいですよね。))

アリス:((きっと、作った人の趣味なんだよ。))

パインは、そんなことは無いだろうと思いながらも、

アリスの発言を否定できなかった。


3人は、慎重に出来上がった通路に入った。

そして、すぐに右に曲がる。

そこからの通路は思いの外、広かった。

3人の中で一番身長の高いパインが

両手を広げたぐらいだろうか。

天井も手を上に上げてもギリギリ届かなかった。


通路は何回もうねうねと曲がっていた。

まるで、方向感覚を狂わすのが目的の様に、、、。

その後、通路は真っ直ぐになった。

それは、思ったよりも長かった。

そして、終点が見えた。


アリス:((あれ扉かな?))

パイン:((みたいだな。))

サール:((えぇ、そんな感じに見えますね。))


3人は扉のように見える物に近づいて、それを見た。

そこには、記号のような文字のようなものが彫られていた。


サール:((これは、古代文字か?))

パイン:((古代文字?))

サール:((今の文字の遥か昔に使われていた文字ですね。

    博物館とかに行くと見れますよ。))

パイン:((いったい何て書かれているんだ?))

サール:((残念ながら、私には読めません。))


突然シロが割り込んできた。

シロ:((わかったにゃーん。))

アリス:((シロちゃん、読めるの?))

シロ:((伊達に長く生きてないにゃ。))

アリス:((シロちゃん、すごーい。))

パイン:((さすが、シロ。))

サール:((すっごいですねーーーっ。))

シロが召喚されていたら、鼻高々だっただろう。


サール:((で、なんて書かれているんですか?))

シロ:((それは、教えられないにゃ。))

3人は、ずっこけた。

パイン:((おいおい、なんだよそれ、、、。))

アリス:((シロちゃーん、、、。))

シロ:((だって、シヴァ様が言うなって言ったにゃ。))

アリス:((もーーーっ。))


シロ:((でも、ヒントをくれたにゃ。))

アリス:((えっ。))

パイン:((なんだって。))

サール:((なんですか?それは、、、。))


シロ:((右下の方を良く見るにゃ。))

サール:((右下?))

パイン:((右下だって?))

3人は、右下の方を注意深く見た。

そこには、人が描かれており、その頭の上に丸い何かがあった。


パイン:((この絵、精霊魔道士が火の玉を出したところに

    見えるんだけど。))

アリス:((そうそう、わたしも、そう見える。))

サール:((もしかしたら、炎系の魔法がスイッチになって

    いるのかもしれないですね。))

パインとアリスがサールに注目する。


サール:((その前に、これを記録しておきましょう。))

そう言うと、紙とペンをとりだして、写し始めた。

全てを写し終えると、サールが言った。

サール:((試しに、やってみますね。))

そして、詠唱を開始した。

サールの頭の上に火の玉が現れる。

突然、扉が光った。

パイン:「うぁ。」

サール:「あっ。」

アリス:「えっ。」

目の前が真っ暗になる。


周りが見えるようになると、そこは別の場所だった。

3人は危険が無いか、警戒するように辺りを見回した。

そこは何処かの遺跡ではないかと思われた。

所々にある柱は崩れ、在ったであろう天井も崩れ、

地面に落ちていた。


パイン:((ここは、どこだ?))

サール:((どうやら、炎の魔法に反応して転移の魔法が

    発動するようになっていたみたいですね。

    まさか、そんなことが出来るなんて

    聞いたこともありませんでした。))

アリス:((ここ明るいね。))

その一言で、パインが上をみる。

遥か上空に岩が見えるところを見ると洞窟の中のようだった。

光が差し込んでいないにも関わらず、そこは明るかった。


サール:((えぇ、光の魔法のようですが、術者もいないのに

    いったいどうやってるんでしょうか?))

パイン:((サールにも分からないのか。

    古代の魔法かなにかなのだろうか?))

サール:((その可能性は高いですね。

    あっ、あの花は、見たこと無い種類ですね。))

そう言って、サールはその花に近寄る。


サールは、花を取ると、見たり、触ったりしていた。

サールは興奮気味に言った。

サール:((万能薬をもってくればよかった。

    食べられないじゃないか、、、。))

パイン:((えっ?))

アリス:((えーーーっ、食べるの?))

サール:((えぇ、魔法薬の素材になるか確認するためです。))

パイン:((へぇ、そんなことするんだ。))

この時、パインは精霊魔道士には成りたくないなと思った。

アリス:((魔法薬の素材、、、。))

アリスは、三角帽子を被った老婆が、

火にかけ、ぐつぐつと煮立った大釜に

 「ひぃーーっ、ひっひっひっ。」

と言いながら、

色々な素材を投げ入れているところを想像していた。


パイン:((さて、先へ進んでみるか。))

サール:((えぇ、そうしましょう。楽しみですねー。))

アリス:((はーい。))

3人は注意深く辺りを確認しながら進んで行った。

そして、崩れた壁の向こうに祭壇のようなものを見つけた。


アリス:((あっ、あれ、祭壇?))

その時、突然、祭壇の後ろの壁が

「ズドーン」という音と共に崩れた。

そこには、石に見える大人ぐらいの人型の物が、

ゆっくりと動いていた。


アリス:「ギャーーーーッ!!」

アリスは尋常じゃないスピードで、祭壇から離れた。

パインとサールも祭壇から離れる。

パイン:((何だ?あれは?))

サール:((ゴッ、ゴーレム!?))

パイン:((ゴーレムって?))

サール:((木、土、石、鉄なので人型を作って、

    それを従わせる古代術式の1つです。

    今ではその術式も失われてしまっており、

    研究対象になってるんですよ。

    まさか、それに出会えるとは、、、。))

パイン:((へーーー。))

サール:((これは、何としても、無傷で捕らえなければ。))

パイン:((捕らえるって?

    いったい、どうやって?))

サール:((任せて下さい。))

そう言って、呪文を唱えた。

すぐに効果が現れる。

みるみるゴーレムの周りに糸のようなものが現れて

拘束していく。

ゴーレムが見えなくなるほど糸が巻きついた時、

「グォーーーッ」という、唸り声のような音を発した。

次の瞬間、「ブチブチブチ、、、。」と言う音と共に、

拘束が消え去った。


サール:((うぁ。))

パイン:((げっ。))

そして、ゴーレムはサールの方を向くと、

目の前の柱や壁を破壊しながら、近づいてきた。

サール:((まずい、一旦さがりましょう。))

パイン:((ああ、それがいいな。

    アリスは?))

パインがアリスの気配のする方を見ると、遥か彼方で

柱の後ろから顔を覗かせているのを発見した。

パイン:((アリスのところまで後退だ。))

サール:((はい。))

2人は、アリスのところまで全速力で走った。

そして、ゴーレムの方を見た。

ゴーレムは、追って来ていなかった。


パイン:((追って来ないのか?))

サール:((どうやら、祭壇を守っているようですね。))

アリス:((ふぅ。よかった。))

3人は車座になって、対策を話し合った。


サール:((まさか、拘束の呪文が効かないとは、、、。

    出来れば捕獲したかったんですが、

    無理そうですね。))

パイン:((倒すしかないって事か。))

サール:((えぇ、倒すしかないです。))

パイン:((しかし、どうやって?

    石みたいだし、剣も魔法も効きそうに無いぞ。))

サール:((えぇ、木で作ってウッドゴーレムは炎系、

    土で作ったマッドゴーレムなら、

    風系の呪文で何とかなると思うのですが、

    石や鉄で出来たゴーレムは、

    魔法耐性が高いらしいので、

    倒すまでに魔力が持つかどうか、、、。))

パイン:((打つ手無しということか、、、。))

しばらくの間、沈黙が続く。


突然、シロが静寂を破った。

シロ:((倒し方、知ってるにゃ。))

パイン:((本当か?))

シロ:((嘘なんてつかないにゃ。))

パイン:((どうせ、また話せないんだろ?))

シロ:((話せるにゃ。))

パイン:((なら、教えてくれ。))

シロ:((パインには、教えられにゃいにゃ。))

パイン:((なんだって?))

シロ:((パインは、前に見下した目で見たにゃ。))

パイン:((おいおい、根に持っているのか?

    別に見下した分けじゃないぞ。))

シロ:((シロにはそう見えたにゃ。))

アリス:((まあまあ、シロちゃん、ごねないの。))

シロ:((アリスに免じて、許さないこともないかにゃ。))

パイン:((頼む、シロ。))

シロ:((にゃあ、お願いしますにゃ。と言うにゃ。))

パイン:((・・・。))

アリスがパインを見るとムスッとしていた。

アリス:((パイン。))

パインがアリスを見ると、アリスは首を横に振っていた。

パイン:(くそ、しょうがないな、、、。)

パイン:((シロ、お願いします。))

シロ:((ちゃんと、にゃをつけるにゃ。))

アリス:((シ・ロ・ちゃ・ん。))

パインがアリスを見ると怒った顔をしていた。

シロ:((やばいにゃ、アリスが怒ったにゃ。

   ゆるすにゃ、すぐ、教えるにゃ。))

3人は、シロの次の言葉を待った。


シロ:((ゴーレムの額の文字にゃ。

   それを消すにゃ。))

サール:((なるほど、ゴーレムの額の文字が弱点ですか。))

パイン:((さて、問題は、どうやって文字を消すかだな。))

その後、3人は入念な計画を立てた。


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