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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
新たなる決意
14/99

初めての宝探し1

3人は、宝探しの申し入れに悩んでいた。

パイン:((どうしよう?))

サール:((何か裏がありそうな感じもしますよね。))

パイン:((そうなんだよな。

    こんな重要なこと、簡単に話してもいいのかって

    疑っちゃうよな。))

サール:((でも、あの像は年代物ですよ。

    裏の掘り込みもかなり昔のようですし。))

パイン:((そうか。))


その時、コゴーロが話し始めた。

コゴーロ:「悩んでいるようじゃの?

     依頼料は、見つけた宝の3割でどうじゃ?」

パイン:「えっ」

パイン:(もし、金貨100枚みつけたら30枚、、、。

    1000枚だったら、300枚、、、。

    それだけあったら、あんなことや、そんなこと、

    そうだ、こんなこともできるな、、、。)

    

アリスは、パインのにやけ顔を見逃さなかった。

アリス:((なに、ニヤニヤしてるのよ。))

パインはその声にハッとする。

パイン:((いや、その、、つまり、、、。

    なんだな、、、。

    この話、受ける方向で考えないか?))

サール:((そうですね。

    乗ってみるのも悪くないですね。))

アリス:((私は問題なーし。))


パインは、コゴーロを見ると口を開いた。

パイン:「引き受けます。」

コゴーロ:「そうか、引き受けてくれるか。

     ならば、この地図をやろう。」

そして、地図を渡された。

コゴーロ:「よろしく頼んだぞ。」

パイン:「分かりました。」


3人は、傭兵協会へと戻り、クエストを完了させ、

報酬として銀貨2枚を受け取った。

パイン:((銅の傭兵コインって、現物じゃないんだ。))

サール:((そうですよ。

    傭兵同士の奪い合いが起きないように

    記録のみになっているんです。))


そんな話をしながら、天馬の尻尾亭へ戻ると、

地図の場所について話し合った。


パイン:((この地図なんだけど。))


地図を出す。

その地図には、左下に川、右下に1本の木、右上に山、

山の近くに洞窟のような穴があり、穴の上に×印が

描かれていた。


パイン:((どうやって、この場所を探すかだな。

    だれか地理に詳しい人知らないか?))

アリス:((んー、そんな人知らないな。))

サール:((私も知りませんね。))

アリス:((そうだ、傭兵協会に相談してみたら?

    困ったときの傭兵協会。))

サール:((そうですね、あそこなら何か分かるかも

    知れないですね。))

パイン:((いってみるか。))

サール:((待って下さい。念のためこうしましょう。))

サールは、地図を別の紙に書き写した。

しかし、×印は書かなかった。

そして、それを持って再び傭兵協会へと向かった。


3人は、傭兵協会の受付へと来ていた。

パイン:「この地図の場所を探しているのですが。

    分かりませんか?」

受付嬢:「位置特定ですね。

    係りの者を呼びますので、しばらくお待ち下さい。」

サール:((こんなサービスあったんですね。))

パイン:((サールも知らなかったのか、、、。))

サール:((仕事の時は、地図が配布されますからね。))

パイン:((なるほどね。))

そして、しばらく待たされる。

現れたのは、ジーナと名乗る女性だった。


ジーナ:「この地図がどれだけ正確か分かりませんが、

    似たような地形は3箇所確認できますね。

    ただし、どれも洞窟のようなものは、

    確認できません。」


これも傭兵王カインの成しえた功績の1つだった。

傭兵王カインは、壺の探索をクエストにするときに、

詳細な地図の作成を行った。

それを細分化して記号を付けて管理したのだ。

そして、その膨大な量の地図は全て傭兵協会で管理され、

定期的に更新する事によって、

常に最新の情報を知ることができた。

さらに、地図のエキスパートを育成することによって、

傭兵達のサポートを行った。


パイン:「3箇所ですか、それはどこでしょうか?」

ジーナ:「地図をお渡しすることも可能ですが、

    1枚の地図に対して青銅貨3枚になります。」

パイン:((げっ、お金とられるのか。))

サール:((情報はお金になりますから、当然ですね。

    ここは、ケチらずに地図をもらいましょう。))

パイン:((そうだよな。))

さらに、手数料として青銅貨1枚を要求され、

結局、銀貨1枚の出費となった。

パインは名残惜しそうに銀貨を見ると、それを渡した。

ジーナは、3枚の地図に○印を付け、パインに渡した。


3人は、天馬の尻尾亭に戻ると地図を吟味した。

パイン:「どうやら、カルラド近辺に1箇所、

    カルラドとクライムの中間あたりに、1箇所、

    そして、ルシードの近くに1箇所あるみたいだな。」

サール:「良く見てみると、一番一致しているのは、

    カルラド近辺のやつですね。

    老人の家にも近そうですし、ここが本命ですね。」

パイン:「より、明日、ここを探索してみよう。」

サール:「ですね。」

そして確認するように、2人はアリスを見た。

シロ:「ゴロゴロ、、、。」

シロは、アリスに喉を摩られて、気持ちよさそうに

喉を鳴らしていた。

アリスは、2人に気がつくと「はーい。」と答えた。


連合暦20年3月23日、

3人はカルラド近辺の地図の場所に向かった。


サール:「この地図の場所で間違えないと思うのですが、、、。」

例の地図に似通っていた。

しかし、見回した限り洞窟のようなものは見当たらなかった。


パイン:「とりあえず、地図で洞窟のある場所に行ってみよう。」

サール:「そうですね。」

アリス:「はーい。」


3人は、地図で洞窟が描かれた場所へと近づいた。

サール:「あれ?」

パイン:「どうした?」

サール:「いや、あそこなんですが、なんか変な感じが。」

そう言って、指差す。

パインはそちらを見るがよくわからない。

パイン:「もっと近づいてみよう。」

サール:「ですね。」

3人はそこに近づく。

そして、入り口を見つけた。


北側にあるそれは、遠くから見ると

ただの平らな壁のように見えた、

しかし、近づいてみるとなだらかに湾曲しており、

死角にあたる西側に1人が入れるぐらいの穴が

ぽっかりと口を開けていた。


サール:「うまく作られていますね。

    これは、人為的に作られたと思ってよさそうです。」

パイン:「当たりってことだな。」

サール:「そうですね。」

アリス:「やったーーにゃん、、、。

    あれ?、シロのがうつっちゃったかな、、、。」

パインとサールは、何も言わなかった。


サールがパインの剣の先に明かりを灯した。

そして洞窟の中を照らした。

壁は何かで削った跡がある。

一目で人為的であることが分かった。

そして3人は、穴に入ると、その洞窟を進んだ。

しばらくの間、分岐は無かった。

そして、広めの空間に出た。

奥の方には、石で出来た祭壇の様な物があった。


サール:((祭壇ですかね?))

パイン:((そんな感じだな。))

アリス:((あっ、なにか置いてある。))

そう言って、アリスが走り出す。

パイン:((まて、アリス。))

パインがアリスの後を追う。

サールも少し遅れて走り出した。


パインがアリスに追いつくかと思ったその時、

 「ガコッ、ガラガラガラ、、、。」

という音と共に、アリスの足元の床が消えた。


パインがアリスの手を掴むと、思いっきり引いた。

アリスがゴロゴロと転がりながらサールにぶつかった。


サール:「いてててて、、、。」


サールが起き上がり、パインを見た。

パインは踊っていた。

片足を上に上げ、両手を持ち上げて左右に振り、

腰を手と反対側にそらしながら、

 「ヨッ、ヨッ、ヨッ、、、。」

と声を発していた。


そして、バランスを崩して落ちた。

サール:「パインーーー!!。」

その声が、エコーがかかったように反響する。

サールが穴に近寄る。

穴の中をみると、片手で穴の端に手を掛けている

パインを見つけた。

すぐにパインを引き上げると、2人で穴の底を覗いた。

穴の底には、槍のように先端がとがった岩が剣山のように

突き出していた。

そして白骨化した骨が所々に落ちていた。


パインは1回身震いすると、口を開いた。

パイン:「やばすぎだろ。これ、、、。」

サール:「えぇ、パインが消えたときは、焦りましたよ。」

パイン:「あっ、アリスは大丈夫か?」

2人は、アリスに近寄り、確認する。

アリス:「ふにゅーーーっ。」

アリスを見ると、目を回していた。


その時、「ガラガラガラ、、、。」という音と共に

穴が塞がった。


パイン:「すごい大掛かりな仕掛けだな。

    よほど重要なものを祭っているらしい。」

サール:「何を祭っているのでしょうか。

    気になりますね。」

パイン:「ああ。」

サール:「アリスが起きるで、休憩しませんか?」

パイン:「そうだな。」

2人は、アリスの横に腰を下ろした。


しばらくすると、アリスが目を覚ました。

アリスにうかつな行動をしないように念を押すと、

気を取り直して、慎重に進んだ。

注意して床を見ると、床に切り込みが見える。

注意して進めば問題は起こらなかっただろう。

その他の仕掛けは見当たらなかった。

そして、無事に祭壇へとたどり着いた。


祭壇の上には、鍵のようなものが置いてあった。

パインは、それを警戒しながら慎重に手に取ると、

それを使う場所があるのではないかと辺りと探し始めた。


そして、祭壇の反対側にそれはあった。


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