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魔獣の壺 - 本編 -  作者: 夢之中
新たなる決意
10/99

初めての豪邸訪問2

これまでのあらすじ)

パインは、カイン王国で知り合ったアリスと傭兵試験に合格する。

傭兵協会会長のバーバラは、試験中に起きた不可解な出来事を調査する為、

試験官サールを2人に同行させる。

カルラド王国に拠点を移す3人。

(ローザ)を探す少女(リナ)と出会った。

ジェイルと名乗るヒーロー(?)に助けられるも

彼もリナの持っていたペンダントを狙っていた者の一人だった。

ペンダントにどんな秘密があるというのか?

ジェイルとポール、そして3人は会議室のような場所にいた。

ジェイル:「ポール、こいつらに説明してやってくれ。」

ポール:「はい。かしこまりました。」

ポールの横の移動式の小さな机の上には、複数の巻物と共に

例のペンダントが2つ置かれていた。

そして、見たことも無いリング状の物もあった。


ポールは巻物をテーブルの上に広げる。

3人は巻物に目を向けた。

そこには、文字がびっしりと書き込まれていた。

そして、最後の方には地図と思われるものが描かれていた。


ポールが話し始めた。

ポール:「この巻物は1年程前に当家の倉庫から

    発見されたものです。

    そこに書かれている内容は簡単に言いますと、

    幻獣を召喚する為の遺跡を発見したということです。」

パイン:「えっ。」

サール:「幻獣だって!!」

アリス:「幻獣、、、。」


幻獣は、六界の1つである幻獣界に存在しているといわれる

魔物である。

遠い昔、神と会話が出来ていた頃に、

神によって幻獣界の存在を教えられたと言われている。

その頃は、幻獣を従えた人間もいたようで、

彼等を召喚士と呼んでいたらしい。

長い時間の中で、その呼び名以外は闇の中へと消えて行った。

今では、幻獣を従えているかを別にしたとしても、

召喚士と名乗る者は存在しなかった。


ポール:「そうです。幻獣です。

    そして、この巻物には、その幻獣の召喚方法と

    契約方法が書かれています。」

そう言うと、2巻目の巻物をテーブルの上に広げた。

3人はその巻物に目を奪われた。


その巻物には、文字と共に

2つの勾玉状の絵とリング状の絵、

3つを組み合わせたときの絵、

祭壇のような絵、

そして、羽衣のような物を纏った女性のような絵が

描かれていた。


サール:(これは、すごい。大発見じゃないか。)


ポール:「そして、その幻獣と戦い、屈服させる事によって

    契約ができると書かれていました。」


ポールは2つのペンダントと1つのリングを机に置いた。

ポール:「このペンダントの1つはご存知ですね?」

パイン:「はい。」

ポール:「この3つの部品を組み合わせて、月食の日に供えると

    幻獣が現れるそうです。

    その月食の日が今晩なのです。」


パイン:(今晩だって、、、。)

サール:(なんと、月食の晩のみなのか、、、。)

アリス:(今日って、月食だったんだ。んー。見て見たいな。)


そして、3巻目の巻物をテーブルの上に広げた。

ポール:「この巻物には、

    当時の者達も、これを使って幻獣を呼び出したことが

    書かれています。

    しかし、その強大なる力の前に敗れさったとも、、、。

    その力を得る者を恐れ、この3つの部品を

    クライム、カルラド、ルシードの3国の近くに

    封印したと記されていました。

    我々は、1年の歳月をかけ、幾多の困難を乗り越えて、

    それらを発見しました。

    そして、今日これから幻獣討伐に向かうことになった

    と言う次第で御座います。」

サール:「まさか、それに付き合えといっていますか?」

ポール:「はい、その通りで御座います。」


パイン:((幻獣と戦闘になるんだろ、危険すぎないか?))

サール:((えぇ、かなり危険だと思われますが、

    幻獣召喚の場に立ち会えるなど、

    今回を逃すと二度とありえないでしょう。

    絶対について行くべきです。))

パイン:((サールは、賛成か、、、。

    俺は、まだジェイルの事を信じていない。))

サール:((確かに、まだ何か裏があるのかもしれませんね。))

パイン:((アリスはどうなんだ?))

アリス:((んー。私はどっちでもいいかな。

    それより、ローザさんの事が気になる。))

パイン:((そうだな、まずはローザさんについて

    聞いてみよう。))

サール:((そうですね。))

アリス:((賛成ー。))


パイン:「ところで、ローザさんは何に関係しているのですか?」

ポール:「ローザ様のご両親に、カルラド近辺の部品の捜索を

    依頼したのです。

    ペンダントを入手したとの連絡があった後に、

    それを持ったまま行方が分からなくなったのです。

    原因は分かりません。

    一昨日にローザ様が両親に会いに来られるという

    連絡があり、

    両親が行方不明になったことを告げました。

    ローザ様はそのまま、この屋敷に向かいました。

    リナ様は我々が別途連れてくるという手はずでした。

    ところが、リナ様が行方不明になり、捜索していた

    というわけです。」

パイン:「あの襲撃は?」

ポール:「あれは、お坊ちゃまが発案いたしました。

    リナ様に味方であると印象付けるためのお芝居です。」

アリス:「えーっ、あれって、お芝居だったのー、、、。」

パイン、サール:(えっ、信じてたのか、、、。)

後に分かったことだが、ジェイル以外この件に猛反対したが、

ジェイルがそれを強行したということが多数の証言から

判明した。


パイン:「それで、ここにいたるということか、、、。

    で、鉄格子で、拘束したのは何故ですか?」

ポール:「幻獣召喚に来てもらっては困ると考えたからです。」

パイン:「じゃあ、なぜ解放したのですか?」

ポール:「それは、、、。」

ポールがジェイルの方を見る。

ジェイル:「気が変わっただけだ。」


パイン:((一応つじつまは、合っているよな。))

サール:((えぇ。))

アリス:((たぶん。))

パイン:((信じてもいいのだろうか?))

サール:((信じるしか無いような気がします。))

パイン:((そうだな、嘘と疑っても出来る事は無いし、

    信じるという方向で行くしかないと言う事か。))

サール:((そうですね。))

アリス:((はーい。))


パイン:「分かりました。信じます。」

ポール:「信じていただけますか。それはよかった。」

パイン:「ローザさんの両親はどうなったのでしょうか?」

ポール:「全力で捜索しているのですが、

    いまだに見つかっていません。

    そのペンダントを持っているということは、

    あなた方のほうが知っているのではないですか?」

パインは、昨日の出来事を話した。

ポール:「なんと、そんな事が、、、。

    分かりました。その件は、すぐに調べさせます。」


パイン:「ところで、ローザさんに会うことはできますか?」

ポール:「はい。いま連れて参ります。」

ポールが部屋をあとにすると、

しばらくして、1人の女性と共に現れた。


現れた女性は確かにアリスに良く似ていた。

パイン:「ローザさん?」

ローザ:「はい。」

パインはアリスとローザを見比べる。

パイン:(なるほど、良く似ているな。

    これなら、姉妹と言ってもばれないだろうな。)


アリス:「はじめまして、アリスです。」

アリスはそう言うと右手を差し出した。

ローザがそれに答える。

ローザ:「はじめまして。ローザです。」

2人が握手をした瞬間、サールが横に移動する。

そして、ローザの右手の甲を見た。

サール:((あっ、ありました。蝶の形のアザ。))

3人は、胸を撫で下ろした。


3人はポールが部屋を後にしたときに、

ローザの蝶の形のアザを確認する事を話し合っていた。

もし、アザがあったら、ジェイルを信じようと、、、。


パイン:「よかった。

    リナちゃんと一緒に探し回っていたんですよ。」

ローザ:「リナは無事なのですね?」

パイン:「安心して下さい。無事ですよ。」


突然、ジェイルが割って入った。

ジェイル:「感動の対面もいいのだが、

     そろそろ出発しないと間に合わなくなる。

     約束通り、お前達3人には、

     召喚に付き合ってもらう。」

3人がお互いを確認する。

そして、代表してパインが答える。

パイン:「ああ、分かっている。」


ポールがペンダントから勾玉を外し始めた。

サールがポールに声をかける。

サール:「あのー、ポールさん。」

ポール:「なんでしょうか?」

サール:「我々が持っていたペンダントなのですが。」

ポール:「これですね。」

そう言って、ペンダントを持ち上げる。

サール:「その丸い玉と鎖の部分が要らないのなら、

    返していただけませんか?」

ポールがペンダントを見る。

ポール:「これは、後から付けた物のようですね。

    不要ですので、お返し致します。」

ポールが勾玉のみを外すと、丸い玉の付いたペンダントが

出来上がった。

そして、サールに渡す。


サールはそれを受け取るとアリスの方を向いて言った。

サール:「アリスさん、これを持っていてください。」

そう言って、アリスの首にかける。

アリス:「はーい。」


ポールが3つの部品を豪華な装飾の付いた箱に収める。

ポールがその箱を持ち、ジェイルの横に立った。

ジェイルが言った。

ジェイル:「よし、出発する。」


こうして、幻獣召喚の地へと向かうこととなった。

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