プロローグ
連合暦が制定される2年前の2月中旬の早朝、
ザイム王国の領地であるアムート山脈の中程に
位置するところで、羊飼いの男が羊の世話をしていた。
羊飼い:「今日もいい天気だな。さて、仕事するか。」
そんな独り言を呟くと、ふとアムート山の山頂を見た。
羊飼い:「何だあれは?」
目を凝らしてみると、城らしき物がそこにあった。
羊飼い:「昨日はあんなものは無かった。
一体何なんだ?
役人に知らせたほうがよさそうだな。」
羊飼いの通報によって、次の日に役人がこの地を訪れると
その城についての見聞が行われた。
城のようなものがあること意外特に何も起こっていない為、
この件は、王国に報告されることもなかった。
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今から21年程前(連合暦が制定される1年前)、
突如として各地に魔獣が現れた。
そして、人々は災いの中に落とされた。
その元凶は、魔獣王であった。
最初の犠牲になったのは、ザイム王国であった。
中原に位置する3国、
クライム王国、カルラド王国、ルシード王国。
3国は、単独で魔獣に対抗していた。
最も攻撃を受けていたのは、クライム王国であった。
クライム王国は、他の2国に共闘を提案し、連合が結成された。
そして、連合歴が制定された。
クライム王国が中心となり、魔獣王討伐隊が結成されたが、
魔獣王城に到達できずにいた。
連合暦13年クライム王国の若き将軍カインが名乗りを上げ、
魔獣王討伐隊が魔獣王城へと向かった。
カイン将軍の討伐隊は、魔獣王城へたどり着くも、
魔獣王の部下と思われる魔獣に敗退する。
この時1つの壺を持ち帰った。
カイン将軍は、この壺を『魔獣の壺』と命名した。
この後、カイン将軍は様々な功績により、
傭兵の国、カイン王国を建国することを許された。
この物語は、魔獣王との戦いの真っただ中に生まれた
パインとその仲間たちの数奇な物語である。
今更ですが、プロローグを追加します。