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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
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縛り94,デーモン種モンスター召喚禁止

まさか一月も二月も一度も更新してなかっただなんて……

執筆速度上がった気がしないでもないので次回の更新はもうちょっとペース上げられるんじゃないかと思います。

「おっ、おまえ! プレイヤーに攻撃するつもりか? それをやればお前も同罪だぜ?」

「むっ! そうなのか!」

「そうだ! だからお前に俺を捕まえることは出来ないんだ!」

「なんだと! それは困る!」


 ダンッとか、ドタタタとでも表したくなるような激しい足音を立てて逃げる男の後ろを老師が軽やかに、やっぱり大きな足音を立てて追いかけているのが聞こえてくる。これは、上?


「捕まえられないって言ってるだろ! なんでまだ追いかけてくるんだよ」

「捕まえろと言われてるからな!」

「だからそれは無理って話だろ! あっ!?」


 どうやら裏路地やら屋根の上やらを走り回って逃げてる間にぐるっと回って犯行現場に戻ってきちゃったみたいだね。


「おーらーい。おーらーい」

「そ、そこをどけぇえええ!」

「ばっちこーい!」


 屋根から飛び降りようとしたところで下にいる僕達に気付いたみたいだけど仕方なくそのまま飛び降りることにしたみたいなので、着地地点に先回りして構える。


「ぶつかるっ!?」

「わー、危なーい」


 |情感たっぷり(棒読み)に慌てる演技をしつつ、避け損ねたふりをして足を差し出して転ばせてミッション完了。あとは楽しい事情聴取タイムだね!


「あ」

「え?」

「ぐえっ!」


 犯人を追って飛び降りてきた老師がそのまま犯人の背中に着地しちゃった……


「事故だからセーフ!」


 誰からもツッコミ入らなかったからたぶんセーフ!




「おい! 俺をどうするつもりだ!」

「いやいや、どうもしないよ? ちょっと疲れてるみたいだから話を聞いてあげようかなって」

「堂々と言い切ったよコイツ」

「不慮の事故でけがさせちゃったから、拠点に運んで治療しただけでやましい所は何もないからね! そう! 不慮の事故で!」


 僕たちは拠点が宿屋なので、コノカさん達の拠点『双角旅団』のギルドホームに場所を移して、別行動のメンバーとも合流した。今この場にいるのは僕とクロ、それととりあえずは僕達のやり方に任せてくれるらしいコノカさん。


「俺をリンチにでもするつもりか? お前ら攻略組がそんなことをしたらこのゲームの治安は崩壊するぜ? 今すぐ釈放しないならこの場で大騒ぎしてやる!」

「うん、そうなんだよねー。まあ僕は別に攻略組じゃないんだけど。できれば自分から任意で話して欲しい所ではあるよね」

「はっ、俺は何も喋るつもりはねえよ! さっさと解放しな」

「ちょっと話したら好きに出て行ってくれていいんだけどね。ほら、特に拘束したりはしてないでしょ」


 というか老師が踏んづけて気絶させちゃったからこうして話す機会が得られてるけど、当初の予定では逃げたところを尾行して本拠地に案内してもらうつもりだったからね。

 でもせっかくの機会なんだし有効に使いたいところではあるよね。う~ん、何か良い手は…… あっ、あれが有るね!


「ところで、頑張るあなたに先達から拾い過ぎて余ったドロップ装備のプレゼント!」

「あん? なんだよ唐突に」

「軽量職なら有って損することは無い、回避と防御のオトモ、バックラーさん! 落としたモンスターの強さが性能をがっちり保障!」

「お、おう……? まあくれるっつーなら貰っとくけどマジでなんだよ唐突に」

「ささっ、着けてみて着けてみて」


 あまりにも急な話題転換に、流されるままに左手にバックラーを身に着ける犯人の人。あっ、そういえばまだ名前も聞いてないね?


「軽いし丈夫そ…… あれっ。目にゴミでも入ったか? 視界がボヤけ…… 目にゴミとかいうレベルじゃねえぞなんだこれ!?」

「あっちゃー、ドロップ品にたまに混ざってる呪われた装備だった? ごめんね、鑑定手段が無くて装備してみないと分からないんだよね……」

「おい」

「どうしたのクロ?」


 そんな風に言いたいことがいろいろありそうな顔をされても心当たりがないよ…… あれ? そういえばこのバックラーの出所なんだかんだでうやむやになってた? もしかして墓穴掘っちゃった感じ?


「いやお前、騙し討ちで呪いの装備付けさせるのはどうなんだよ…… というかドロップ品に呪いの装備が混じってるとか初耳だからな?」

「騙し討ちだなんて! そんなつもりは全然なかったのに! 僕はただ、このゲームでは斥候型の構成してる人が今のところ割を食ってるから比較的近い構成してる人の一人としてささやかな共感とエールを送りたかった! それだけなのに!」

「演技過剰だぞ」


 あー! あー! ちょっと突発性の難聴みたいで聞こえない!


「ああ! ごめんよ名も知らぬスカート捲りの人! ちゃんと責任を持って神殿に連れて行って解呪してもらうから! もちろん費用はこっちで持つからね! この世界の神殿は裁判や治安維持の役割も担ってるらしいけど、街中でスカートを捲ってたこと以外は何も言わないから安心してね名も知れぬスカート捲りの人!」

「スカート捲りスカート捲りうるせえ! というか脅迫だろこれ! そんなことしていいのかよ!!」


 毒を以て毒を制す! じゃないけど気持ち的にはそんな感じだよね。今日の僕はアウトロー。

 いや、実際に毒を盛ったりは流石にしないけどね! それやったら完全にこっちが悪役だし! 実験済んでないリンドウちゃんの制作物はたくさんあるけどさし当り実験台は足りてるしね!


「100パーセント善意の申し出だからね! 脅迫だなんて人聞きが悪いよ!」

「ぐぬぬぬ……」

「まあ最悪呪いとかなくてもぼやけるくらいで生活に支障はないだろうし、神殿に行かなくても別に平気だとは思うよ? その視界なら再犯の心配もないだろうからこっちも安心だし」

「再犯って言うがな! 確かに俺はスカートを捲ったが中身は見てねえよ! というか目の前にいるやつの顔すらぼやけて見えねえし! ドアノブの位置とか分からないのは生活に支障出るだろどう考えても!」

「えっ。そんなに強力な呪いだったのそれ」

「おい……」


 いやホントにこれはわざとじゃないんだって! 僕が付けたときは色褪せて見にくくなるくらいだったんだよホントに!

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