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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第一部 VRMMO編
9/162

縛り8,生産的な生産禁止

世間は三連休ですね!

あ、お気に入り・評価有難うございます!

少しでも楽しんでいただければ幸いです!

精進せねば……


感想とか書いてくれてもいいんですよ? ( 一一)チラッチラッ

 街中で適当に探した宿屋で一泊した翌朝、僕とクロは早々にチェックアウトと朝食を済ませて今後の作戦を立てていた。ちなみに『AWO』での日の出は六時、季節とかが設定されているかは未確認だ。

 一応言っておくけど宿屋はしっかりと二部屋使った、というかこのゲームは全年齢対象だからね。


「さて、まずは昨日の敗因を考えよっか」

「敗因も何も速攻で一体多数でボコられたんだが」

「うん、まず一つ目は予想以上にモンスターのリンク率が高かったことだよね、群れで行動してるわけでは無さげだったけどあのレベルを複数相手にするのは難しいよね」

「というかそもそも一対一でも勝てる気がしなかったんだが」

「それに関してはβ版の情報と大きく食い違ってるから夜間の方が強いっていう風に設定されてるモンスターなんじゃないかな?」

「物理攻撃に耐性がある可能性は?」

「う~ん、見た感じ幽霊だから物理攻撃が効かないっていう訳じゃないような気がしたけど…… 勘だけど幻惑系か回避系のスキルでクリーンヒットじゃなくしてるんじゃないかな? ベータの時は普通に物理攻撃が通じたみたいだし」


 昨日の戦闘から分かったことを纏めていく、とはいっても直接殴り合ったのは一度だけなのでどの情報も確証はないわけだけど。


「結局のところ今一番確認しなきゃいけないことは昼の間ならどうにかなるかっていう一点に尽きるよね」

「まあそうだな。じゃあ早速いくか?」

「あたぼーよ! と言いたいところだけど先にドロップ品の処分とか荷物の整理とかしておいたほうがいいんじゃない?」

「そうか、店売りよりも知り合いに売ったほうがいいよな」

「まあ相手の財力しだいだけど少量とはいえ現状ほとんど出回ってなさそうだしその方がいい値がつくでしょ」

「じゃあ内臓類とか薬っぽいものは俺が捌いてくるから装備品素材の方はお前に任せるぞ」

「あいあいさー」


 トレード画面を開いて該当しそうなアイテムを全部クロに送り、皮やら牙やらを受け取る。う~ん、昨日会った職人さんに扱えるかどうかは疑問があるなあ。まあとりあえず渡しちゃって料金は後々もらえばいいか。


『もしもーし、ユーレイで~す』

『え、ひっ、うわぁ!?』

『おーい、スミスさ~ん? 僕だよ~、昨日自己紹介したよね?』

『ああ、君だったのか。こんな夜遅くにどうしたんだい?』

『……貫徹しちゃったんだね、もう朝だよ。量は少ないけど素材に使えそうなアイテムがあるから使うかと思ってさ』

『おお! それはありがたい、もういい加減冒険者の服を作っては解いて素材に分解しての繰り返しには辟易していたんだ! で、モノはなんだい? 鉱石系だとすごくうれしいけど、ゴブリンの布とかハウンドドッグの毛皮とかも大歓迎だよ!』


 今サラッとすごいこと言ってたような? 貫徹して延々非生産的なスキル上げを繰り返してただけとは…… 名前に似合わず非凡なプレイスタイルだねスミスさん。

 持ってたアイテムを全部把握してたわけじゃないから直接スミスさんがNPCから借りてる工房に持っていくと伝えてフレンドコールによる通信を切る。

 クロの方を見るとまだ通話中だったから別行動すると伝えて移動を開始した。



 さて、ここらでこの町『はじまりの街』のつくりに関して簡単に説明しておこうかな。

 街の中央にはゲームにログインしたプレイヤーたちが最初に現れることになる広場があり、そこから東西南北それぞれの方位の門に向かう大通りが伸びている。NPCの武具店の多くはこの大通り沿いにあって、大きな宿屋も目にすることが出来る。大通りから離れるにしたがって武器屋などの数は少なくなり、代わりに小さな宿屋や生活雑貨などの類が増える。

 対して大きな通りに面していない街の北東辺りなんかはNPCの居住区をイメージした感じで、空土地も多くてお金を払えば個人の家やギルドホームなんかを作ることも出来るらしい。


 昨日知り合った防具職人のスミスさんが工房を借りているのもNPCの居住区に埋もれた、街の辺境と呼んでも差し支えないところだった。

 着いたことをフレンドコールで知らせてもよかったけど、気分的に手でドアをノックすることにした。


 コンコンコン


 木製の扉をたたく小気味良い音が辺りに響いた。徹夜の疲労で眠ってしまっていなければちゃんと聞こえただろう。

 案の定眠そうな顔をしたスミスさんがすぐにドアを開けて出てきた。ゲームとはいえ、いや、体感時間を加速するゲームだからこそこのゲームでは長時間睡眠をとらないことに対するペナルティが存在する。このあたりの仕様はちょっとリアリティを追求しすぎかもしれないね。


 スミスさんは昨日出会った【採集技能】を取得してない防具職人さんで、採集周りを完全に捨てた上にステータスを器用さに極振りしているかなりの猛者だ。外見的にはやや姿勢が悪くて痩せてる感じで、リアルでは確実に眼鏡をかけていると思わせる顔つきをしている。


 閑話休題


「おはようスミスさん、調子どう?」

「ああ、素材が手に入らないからね、どうしようもないっていうのが正直なところかな」

「じゃあこの辺の素材役に立ちそう? 数はない分お金は後払いでもいいよ、その代わり今度僕と友だちのぶんの防具作ってほしいかな」

「これは、『グレーウルフの毛皮』に『コボルトの牙』? 掲示板で多少は出回ってるのは確認してるけどそれでも現時点じゃまず入手できない貴重品じゃないか」

「加工できそう?」

「ああ、自慢じゃないが最下級装備を延々作り続けたおかげで布系の防具ならかなりのものが作れる。量的に純正のモノは無理だけど他の素材と合わせても現状では十分な性能になると思うよ」

「まあ僕は使う予定がないからね。処分は任せるよ」

「悪いが今は実質無一文何で支払いはちょっと遅れるけど、本当に構わないのかい?」


 しつこいように確認してきたので職人さんと早めにパイプを作っておきたいからその先行投資だとかそれっぽいことを並べ立てて説得した。実際のところはスミスさんのプレイスタイルとかステータスが僕以上に尖ってたから面白がってるだけというのはもちろん内緒。


「そういえばたぶん交流掲示板で君のことが話題に上ってたよ」

「へえ~、どんな内容?」

「北の平原で初期装備でコボルトを手玉に取るなぞの美少女、これは君のことだろう?」

「あはは、そうかもね」

「今度時間のある時に種明かしして欲しいね」

「ひと段落ついたらね、それじゃ」



 さて、昨日の事後処理もひと段落したことだし、クロを呼び戻してリベンジとしゃれ込もうか。

一般的な生産プレイヤーは【採集能力】をとって、マスタリもしくは魔法系の戦闘スキルを一つか二つとります。

生産メインじゃないけど生産したいプレイヤーは【採集能力】を端折って戦闘スキルをとることが多いです。


スミスさんは生産系スキル四つにDEXに補正がかかる系統のパッシブスキルをとってます。

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