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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
84/162

縛り82,段差ハメ当然禁止

長くなったので二分割したら短くなるというあれ。

 TA、即ちタイムアタック。レースゲームを始めとして、ある程度ゲームを触っている人にとっては非常になじみ深いフレーズでもあり、「いや、俺はそこまではやってなかったかな」というセリフを量産してきたという歴史も同時に持ち合わせてもいる。

 簡単に言えばゲーム内のある行為を始めてから終わるまでにかかる時間の短さを誰かと、あるいは自分自身と競い合う行為。プレイする技術ももちろんのことながら時間短縮に用いる戦略一つで大幅にタイムが縮んだりもする。自分との戦いと創意工夫の最前線だね。


『戦闘終了! スミスさん、そっちは?』

『もう少しで採掘も終わるよ』

『おい、なんか報告頻度がスカスカになった上に報告内容が不可解なことになってるんだが、お前今度は何やらかしてるんだよ』


 戦闘を無事に終えたことは共有しなきゃだからチャットの方で会話したんだけど、それに対してクロが何か言ってるね。でも今大事なところだからそっちの返事は後!


「よしっ、終わったよ」

「タイムは!?」


 緊張の一瞬。このドキドキを楽しめるのはスミスさんがタイムキーパーも引き受けてくれたから。まあそれは計測タイミングを採掘終了時に設定したからでもあるんだけど。


「一時間四十八分。記録を大幅に更新したね」

「やった!」


 結果を聞いて、全力でガッツポーズ。最後の挑戦で記録更新できた時の喜びはスコアアタックでもタイムアタックでも、普段の記録更新異常に嬉しさが湧き上がってくるよね。特に今回は前回の挑戦がパッとしなかっただけに、戦略を変えたことへの不安もあったからなおさらだよ。


『おーい。スルーするなー。怒らないからちょっと一回ちゃんとなんで接敵の報告の次に戦闘終了じゃなくて次の接敵の報告が来て、挙句いつの間にか採掘がはじまってたらしい理由の説明をだな…… いや、もう今日の活動終わる時間か。会って直接聞くか』


 喜びが落ち着いて、そろそろクロに返事しようと思ったら先手を打たれてしまった……

 なんでって聞かれると、周回時間短縮のために遭遇したモンスターをとりあえずタゲだけ取ってトレインして、採掘ポイントでまとめて迎撃したから、かな……


「どうしようスミスさん、これは完全に怒られる奴だよ……」

「採掘効率の観点で言うならやり方を変える前のタイムで十分だったからね。本来の目標から外れてしまった以上甘んじて受け入れるしかないだろう」

「うっ……」

「まあ大きな危険は無いだろうと判断した僕の責任も有るから、ユーレイ君が一人で怒られるようなことにはならないと思うよ」


 なんか上手いことぼかせる説明方法ないかなあ…… うう、気が重いよ……





「お前はなあ! そういうことするのにスミスさん連れ回すとか危ないにも程が有るだろ!」

「はい、ごめんなさい……」


 結局、上手い言い訳も思いつかず、ありのままに報告したら案の定怒られた。

 今は地面に正座させられてクロに説教されてる。


「ちょっとついついテンションがおかしくなっちゃってて…… トレインはダメだよね……」

「いや、なんか勘違いしてるみたいだけどな、モンスターをトレインしたことを怒ってるわけじゃないからな? いや、他のプレイヤーが来る可能性もあるんだから危険行為には変わらないんだが、今後を考えると練習しといた方がいい技術だとは俺も思うし。範囲攻撃も無いのにやる意味は分からんが」

「え? そこは怒らないの?」


 なるべく殊勝な態度を作ってたんだけど、どうもクロが怒ってるポイントが予想してたのと違うっぽい?


「人が怒ってる時くらいちゃんと話を聞け! 俺は、壁役でも無ければ前衛ですらないスミスさんを連れまわしてトレインしたことを怒ってるんだよ!」


 クロの言い分と噛み合うように、見方を変えて整理してみる。

 まず、トレイン自体は大っぴらに賛成はしないけど批判するものでもない。問題なのはスミスさんを連れ回したこと。って言うのが大まかな主張だよね。

 トレインが最適解である状況や、せざるを得ない状況が仮にあるとしても、それをやるのは本来なら移動力と、回避や体勢を含めた総合的な耐久力が十分に高い人。移動が目的とはいえ、そのどちらも低い人と一緒にやるべきではない、と。

 なるほど! これもこれで反論しちゃダメなくらいまっとうな意見だね! 今後は控えよっと、出来るだけ。


「そっかー、トレインはクロ的にはオッケーなんだね」

「オッケーとまでは言わないが、ゲームの細かい仕様も分かってない状態でトレイン叩くほど幼稚じゃねえよ。迷惑行為になりかねないとはいえやらざるを得ないシチュエーションも有るだろうしな」

「そうだねー。僕としてもいい練習にはなったと思うよ。目的がタイムアタックだったから必要なしにやったって言われて怒られるかと思ってたけど、こう考えると割といい判断だった気がしてきたね!」

「確かに、それも叱るべきだったな。やっぱりお前飯の支度の間ちょっとそうやって反省してろ。というかスミスさん連れまわして危ないことしてる時点で良い判断もくそもねーから!」

「あちゃー! 墓穴掘った!」


 正座の時間が伸びました、まる。

FGOを、始めてしまいました。

後コイキング跳ねさせたり……


まあ遊ばないと遊んでる小説なんて書けませんから!(言い訳)

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