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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第一部 VRMMO編
8/162

縛り7,夜の十時前には就寝すること

書き溜めてた分はこれで半分消費って感じですね。

まだだ、まだエタらんよ!←

 二時間一人で戦った結果、昼の間に出現するモンスターは一通り確認することが出来た。まあ全部を一人で倒したわけではないけどフィールドボスとかユニークモンスターがいないならこれで全部だと思う。

 確認したのは三種類で、そのうちの一匹はオオカミことグレーウルフ。モンスターの名前に関しては基本的にドロップアイテムから判明している。一人でも一応一匹狩っておいた。グレーウルフの毛皮とか牙とかそんなんが手に入る。


 倒したモンスターのもう一種はコボルト。犬の顔を持った割とオーソドックスな人型モンスターで、『IWO』では個体によって片手剣と盾だけでなく、大剣やハンマーなど比較的扱いの容易な武器を幅広く扱っている。まあ人型だから正直くみし易い方だったかな。


 で、最後はヘビースネイル。体高一メートルぐらいのカタツムリのモンスターで、こちらから敵対行動をとらない限りは襲ってこないノンアクティブモンスターなんだけど、休憩しようと思って岩に座ろうとしたらそれがこいつの殻でかなりたまげた。虫や爬虫類が苦手な訳ではないけど、何考えてるかわからない生き物って苦手なんだよね。こいつは殻が固いうえに本体のMDEFが異様に高かったみたいなので、一人で倒すのを早々に諦めて【ハイディング】でクロになすりつけた。名前も後からクロに聞いた。


 で、今僕たちはいったん集合してこの後どう行動するかを話し合っている。


「どうする? 日も暮れたしいったん町に戻って宿屋探すか? それともこのままこのあたりでもうちょいレベル上げとくか、あるいは強行軍でこのまま『死霊の森』に向かうか……」

「進撃あるのみ! もし死んだらその時はそのまま町で寝よう!」

「で、肝心の索敵スキルは手に入ったのか? 俺の方はマスタリこそ覚えられなかったが大分扱い自体には慣れたぞ」

「ん、とりあえず僕が新しく取得したアクティブスキルを一通り見せておこうか。【ライト】」

「詠唱は?」

「めんどいからパス。次、【サーチ】」


 一つ目の呪文で僕の指先に握りこぶしくらいの光球が生まれ、周囲を明るく照らし出す。【汎用魔法初級】は弱スキルの名をほしいままにしているみたいだけど、こういう便利な魔法もあるあたり実は必須スキルの一つなんじゃないかな。

 そして肝心の【サーチ】なんだけど、これも空中に魔力の球が生まれてそこから潜水艦のソナーみたいなイメージで魔力の波が生まれる感じ。球の表面の揺らめきで敵の方向と距離と大まかな強さが分かるみたい。


「あとは【斬撃】系の攻撃スキルが二つ、【アッパースラッシュ】と【スラッシュアロー】、効果のほどはお察し」

「やっぱりアクティブ系のスキルは面白そうだな。まあ俺の方はレベルアップとスキル熟練度の上昇で装備ペナルティがなくなったのが一番大きな変化だな」

「じゃあこれ以上ここに留まる理由はないよね、ちゃっちゃと『死霊の森』に逝っちゃおうか」

「勘違いしてるみたいだが『死霊の森』に行く目的は採集だぞ、逝ってどうする」


 え?

 高レベル帯で一匹ずつ不意打ちまがいの戦術で装備品がドロップするまでゲリラるんじゃないんだ?


「おい、まさか本当にあのレベルの敵と初期装備で殴り合うつもりだったのかよ……」

「目当ての採集場所がどこらへんにあるかは把握してるんだよね?」

「把握してるよ、だから本当はモンスターに見つからなけりゃどうってことねえんだ」

「はいフラグ、見つからなければとか言ってる時点で無理だよね」

「いやいや、そのために【サーチ】習得したんだし頑張ろうぜ? 帰りは当然デスルーラだろうけどな」



 そんなわけで町の北側の平原のさらに北『死霊の森』へ行軍中なう。遠くの方でモンスターの気配がしたりしなかったりしたけどめんどくさいし時間の無駄なのですべて迂回(パス)した。見つかったら嫌だから【ライト】は消してたけど【サーチ】を使いまくってるおかげで自覚できるレベルで熟練度が上がったりしつつ森に到着。したのはいいけども


「そこら中高レベルの反応ばっかりではっきり言って回避できると思えないよ? 移動速度結構速いし」

「なんだと、そういえばβ版では昼夜によるモンスターの分布変更は未実装だったから、そのせいか?」

「じゃ、がんばって! 【隠行】」

「って、おい! 俺がデスったら採集できねえし意味ねえだろうが!」


 クロが何やらわめいているけど気にしない、気にしたら負けだ。危なくなったら助けてあげることにしよう、なんて思ってたら森に入って十歩も進まないうちにあっさりモンスターに捕捉された。


「クソ! なんでクリーンヒットでダメージが20しか通らねえんだよ! はぁ? 物理攻撃で被ダメ200だと? ふざけてんのかー!」


 クロはけんめいに戦ってたけど、そんなに大声あげたら他の個体もリンクしてこっちに来ちゃうじゃないか。僕は木に登って今回は傍観を決め込むことにした。


「おい! ユーレイ! お前見てんなら手伝え! ちょ、マジでヤバうわぁぁぁぁぁ!」


 ああ、そうだね、ここのモンスターは幽霊だしみんなそっち見てるね。

 ふうっ、お茶(ポーション)がおいしい。あ、あそこに木の実なってる、食べられるかな、うん食べよう、あ、酸っぱくて美味しい。今は亡き(クロ)へのお土産にいくつか採って帰ろっと。



――その後神殿(復活地点)にて――

「ずいぶん遅かったな」

「うん、おかげさまで【隠密】系のスキルがもう一個増えたよ、はいこれお土産」

「おう、わざわざありがとな……ってそうじゃねえだろうが!」

「うるさいなあ、眠いんだから大声出さないでよ、近所迷惑だよ? さっさと宿屋いこうよ」


 こうして、記念すべき『AWO』サービス初日(といってもまだ現実世界では昼の一時だけど)は平和に終わりましたとさ、チャンチャン♪

クロがいろいろと残念過ぎる……

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