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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
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縛り74,金のこれぞうくん取得禁止

更新を褒められるときっと次回更新が速くなります。

 洞窟の前に広げたテントで一晩過ごして翌日。今日は丸一日ダンジョン探索だし、なんなら夜もダンジョンの中で過ごして明日は起きたらダンジョン。僕のテンションは朝からアゲアゲだよ。

 ちなみに夜の間にリンドウちゃんとスミスさんがそれぞれ書いてたマップに齟齬が無いかを確認して、みんなの意見を纏めておおよそ距離も本来の洞窟の構造に近い比率になるように調整してあったり。今日はそのマップをもとに洞窟の構造が一晩で別物になってたりしないことの確認もしないとかな。


「みんな! ついにたどり着いたよ!」

「ついにも何も分岐の数からして昨日進んだ分の半分も行ってないだろうが。で、何にたどり着いたんだ?」

「行き止まりだよ!」


 テンション高く、でも洞窟内なのであくまで小声ではしゃぐ。今日進んだのが昨日進んだ分の半分なら昨日と合わせてすでに今日の五倍の道のりを歩んでるわけで、ついにと称して何の問題も無いと思うよ。

 で、幾度もモンスターとの遭遇を繰り返して経験値に変え、薄暗い洞窟内を精神の疲労と戦いながらここまで来た僕の前には無機質な石の壁が立ちはだかってる。

 右を見ても壁、左を見ても壁。ぐるっと後ろを振り向けばやや急ぎ足でこっちに向かってくるクロ達。


「で、何が有ったんだ?」

「行き止まりだね!」

「それは今さっき聞いた。行き止まりの他には何が有ったんだ?」


 クロの問いに改めて確認する。前を見る、壁。右を向く、壁。左を向く、やっぱり壁。ついでに上を向くと天井。『鍾乳石が下がってて今にも落ちてきそう!』みたいなありがちな天然トラップが有る訳でもなく、普通に天井。鍾乳洞と坑道じゃおんなじ洞窟でも全く別物だからそんなトラップ有るわけないんだけど。


「行き止まりだね?」

「それだけか?」

「ぱっと見える範囲では何もない行き止まりだね。もちろんこれから本当に何もないかどうかくまなく探索するわけだけど!」

「ただ行き止まりってだけかよ……」


 なぜそこでがっくりするのか理解に苦しむよね。ぱっと見なにも無い行き止まりほど足元を調べると何かが有るのが俯瞰視点の頃からのRPGのお約束だし、もし仮に調べてみてなにも無かったとしても、行き止まりにたどり着いたっていうことは行き止まりがそこに有るってっ分かること、これは本当の意味でのマッピングの最初の大きな一歩なんだよ!

 まあそんなことをここでつらつら主張したりはしないんだけどね。


「なんにもねえなら引き返して次に行こうぜ」

「いやいや、調べるって言ったじゃん」

「調べるって具体的に何をどうするんだよ。便利ボタンが有る訳でも無しざっと見て終わりじゃねえの」

「それはもちろん、片っ端から視認して指差し確認して、こつこつ叩いて音や感触が変なところが無いか調べるよ? あとは、実際にちょっとピッケル叩き付けてみたりとか? 壁に体当たりとか?」

「全部疑問系なところに不安しかねえよ…… というか何の意味が有るんだよそれ……」


 まず見てわかる範囲で見つかるものが無いかを確りと確かめて、次に見てわからないように偽装された何かが無いかを調べて、もしかしたらノーヒントで壁を掘って鉱石が埋まってる場所を見つけなければいけないパターンがあり得るかどうかの確認のためにちょっと掘ってみる。最後はあれだね、隠し通路とかあるかもしれないじゃん。こう、忍者屋敷的に洞窟の壁がぐるっと。


「全員でごそごそやるにはさすがに横幅が狭いね。うん、老師とクロでモンスターの対処しといてくれる? クロ同伴なら分岐までなら引き返してみても良いから」

「よし分かった!」

「ここから分岐までのスペースでモンスターが湧くようなことが有ったらどうすんだよ」

「一応僕が魔法で索敵しつつ調べ物するからそこは大丈夫。コウモリ引き寄せちゃうけど、コウモリ相手ならヘイト管理簡単だしね」

「行っていいって言われてるんだから早く行こうぜ!」

「あっ、おい! 待て!」

「いってらっしゃーい」


 老師を追いかけて行きながらもちらちらとこっちを気にしてたのはあれかな? クロも行き止まりの探索の方に加わりたかったのかな? 仕方ない、次回は僕が老師と同伴してクロも探索組に入れてあげようか。あ、でもそうすると索敵に困るかな? まあ僕が【サーチ】使って、危なそうならチャットで伝えれば大丈夫だよね。


「まず視認での確認っていうことだったけど、どういうものが無いか調べればいいんだい?」

「う~ん、割れ目とかでっぱりとかかなあ。でっぱりの付け根によく見ると不自然な隙間が有ったら押し込むことも視野に入れていこう」

「私も頑張って探します!」


 という会話をしてから三人で壁と床を調べること三分。


「でっぱりと言えなくもないものが三つに割れ目がゼロ。思った以上に少なかったね」

「でっぱりにも不自然なところは無かったし、ボタンにもレバーにもなってなかったね」

「えっと、次は何をするんでしたっけ?」

「壁の裏に空洞がないか軽くたたいて調べよっか」

「なんだか刑事ドラマみたいでかっこいいですね!」

「刑事ドラマ……?」

「密室殺人事件を追っている刑事さんが部屋の間取りがおかしいことに気付いて壁を叩くと、広大な地下墓所への隠し扉が現れるんですよ!」

「それ他の何かと混ざってない!? 本当にそういう刑事ドラマが有るの!?」

「あれ? 有名な作品じゃありませんでしたっけ?」


 可愛らしく小首を傾げるリンドウちゃん。いったいどこの局の電波で流れてた番組なんだろう……

 みんなでこんこん壁を叩く作業に入ったんだけど、リンドウちゃんは力加減を間違えて手の甲をすりむいちゃったので途中でリタイア。そんなハプニングも有ったせいでなんて言う番組だったのかは結局聞けずじまいだったよ。


「後は、実際に壁を掘ってみるんだったかい?」

「そうだね。というかその前段階として壁を壊すことが可能なのかっていうところからかな?」

「クロ君が空振ったハンマーが当たっても壊れてた気配は無かった気がするが」

「壊せる壁とそうじゃない壁が有る可能性、特定の装備や道具なら壊せる可能性、一定の耐久値が設定されてる可能性、辺りを疑いつつまずは僕が全力で攻撃してみるね」

「じゃあ並行して採掘用の道具なら壊せる可能性を検証しておくとするよ」

「装備品扱いで耐久値のあるアイテムだからあんまり強く叩き付けない方が良いかも。壊せるなら傷ぐらいは入るだろうし」

「分かった」


 僕もナイフを抜く。これを使うと満腹度の消耗が激しくなるから使わないに越したことはないんだけど、生半可な攻撃じゃあ傷つかないことはこれまでの戦闘で崩れたりしてないことから明確だしね。

 切りつけるとあまりにも固い手応えに手がしびれた。まあそれはそうだよね。


「【アッパースラッシュ】!」


 普通に切り付けても刃が止まっちゃうから、スキルの動作アシストで無理矢理振りぬいてみた。ギャリギャリと硬いものがこすれあう耳障りな音が鳴っただけで、壁には傷一つついてない。いやそれはどうなの? 壁がゲーム内で一番硬い物質ってことは流石にないよね? 壊せない仕様にしても傷ぐらいつくものなんじゃないの?

 システム的に破壊不能オブジェクトとして設定されてるとか言っちゃえばそれまでなんだけど、ここまでリアル路線を追求したゲームなら、傷はつくけど時間経過で元に戻るとか、いっそ崩したり掘ったりできるくらいでもいいと思うんだよね。僕の攻撃力が足りないだけ?


「で、実際のところユーレイ君は鉱石が採れる場所はどんな形式になっている可能性が高いと思ってるんだい?」


 執拗に【アッパースラッシュ】を放ち続ける僕に、手持無沙汰になったらしいスミスさんが今更と言えば今更な話題を振ってきた。というよりもあえておおよそのことが終わるタイミングを待ってくれたのかな?


「壁に埋まってるか地面から生えてるか、いずれにしても露出してるんじゃないかなと思うよ」

「ちなみに理由は?」

「ユーザビリティーの面から見てっていうのも有るけど、道具屋のおじさんの口ぶりからダンジョンの資源が枯渇することって無さそうだし、リスポーンするなら露出するかなって」

「掘った壁も都度再生するとは考えられないかい?」

「それ、ダンジョン探索するよりも新しく坑道掘ったほうがいいと思うんだよね」

「あれ? じゃあなんでユーレイさんはこんなに熱心に行き止まりを調べてるんですか?」


 ここまでの話を聞いていたリンドウちゃんが、核心に触れた。この話題はどうしたってそこに行きついちゃうから仕方ないね。ここまで見て見ぬふりをしてくれてたスミスさんに感謝だよ。


「趣味だね!」

「ええ!?」


 この後壁面への体当たりも敢行した。ぶつかった肩がわりと痛かった。

展開遅いなあと思いつつ書いてますが、最近読んでるものの中にはもっとゆったりなものも割とあるので気にしないことにしました。そういう作品は更新頻度が高いことが多いのはきっと気のせい。

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