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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
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縛り45,エドモンド本田禁止

クオリティにこだわると更新止まることを知ってるから更新するけど納得できてるかは別。

改稿作業もしたいけど、それよりも続きを書いた方が読者としてはうれしい。よね?

「今日も平和だねー」

「デスゲームの中で、モンスターを惨殺しながら言うセリフじゃねえな」


 時刻は早朝。睡眠時間がどの程度必要かを検証するために朝五時からハンティングタイム。やや薄暗い時間からだったから、森みたいな視界の悪い所を避けて、初日にも来た平原でみんなのレベリング。なんだけど、このフィールドのモンスター、こっちのアタッカー達との相性が悪すぎて……


「遅いっ! 止まって見えるわ!」

「あれ? これ、わざわざ殻叩き割らなくても引っ込んだところを地面にたたきつければ衝撃で伸びるな?」


 コボルトも狼さんも耐久力が足りなくて老師にフルボッコにされてるし、カタツムリはレベルの上がったクロの力押しに自慢の防御力も意味なしてないし。というか投げ技に弱い軟体動物ってどうなの!?

 うん、正直張り合いが無いよね。レベル帯としては適正なんだろうけど、一番最初のフィールドだけあってソロでもどうにかなりそうな構成だもんね。老師は大口叩きつつも結構被弾してるし、クロはクロで体張って魔物止めたりしてるから細かい傷は多いんだけど、回復要員もちゃんといるしねえ。


「いやお前何余裕ぶってんだよ! 真面目にやれ!」

「え? 実際余裕じゃん。ねえリンドウちゃん」

「えっ、はい、まあ一昨日よりは」

「ほらほら~。だいたいそもそも何を持って真面目にやってないっていうのさ。ちゃんと戦ってるじゃん」

「さっきからずっと一匹を相手にしてるからだよ! 本気出せば三発で沈められるの分かってんだよ!」


 バレてたとは。仕方ないから目の前のコボルトの喉に思いっきりナイフを突き立てる。これまでの戦いで相当弱ってたみたいで、あっさりと倒せた。

 でも弱点への命中で効果が変わる攻撃が他にもありそうな以上、魔物のどこが弱点で、どのくらい攻撃が有効なら弱点に当たったとみなされるかっていうことの検証は重要だと思うんだ。今後のためにも。

 まあめったに発動しない武器の追加効果が検証に向いてるかっていわれると困るんだけど、発動条件の確認は必須だし、真面目にやってないとまで言われるのは心外だよ。


「リンドウちゃん、回復アイテムの残量は大丈夫?」

「はい、ここにある素材でも作れてるので大丈夫です」

「戦闘中にも調合してるの!?」

「回復ぐらいしかすることないですし、時間は無駄にしないほうがいいんですよね?」


 リンドウちゃんって見かけによらずなかなか剛毅だよね。前衛への信頼が重いよ。


「老師! それ撃ったらスタミナ切れるよ!?」

「ホォアタァーッ! ん?」

「ああっ! もう!」

「体が動かねえ!?」

「クロ! 後衛の守りは任せた! ちょっと老師助けてくる!」


 幸い老師が相手してた狼は倒されたみたいだけど、もう一匹が動きの止まった老師に襲い掛かろうとしていた。後衛職並みの紙耐久な老師に近づかせないように、これまで温存していた【マナバレット】を牽制にばらまきつつ、一気に駆け寄る。


「【アッパースラッシュ】!」


 足元に撃った【マナバレット】を飛んで避けたところに、先回りしての【アッパースラッシュ】。いい感じに喉元に当たったことで即死効果が発動し、猛獣の牙のようなエフェクトとともに狼の首が飛んだ。うん、首への攻撃での発動はこれで二回目だね。


「こっちは問題なし! そっちは?」

「今片づける!」


 僕の問いかけにそう答えたクロは持っていたハンマーを手放すと、とびかかってきた狼を受け止め、そのまま脇に抱え込んで首をへし折った。狼はしばらく抵抗していたが、牙に劣る攻撃力しかない爪では痛打を与えることもできず、そのまま息絶えた。

 うん、えげつないね? 装備に頼って即死させてる僕よりよっぽどえぐいよ。


「一段落、かな?」

「ああ。だが次がいつ来るかわからないし、正直連戦続きで限界だ、一回町まで帰るぞ」

「えー、いい感じに経験値稼げてるしもうちょっと続行しようよ」

「今みたいなことにもう一回なったらどうなるか分からねえだろうが。大体この状況自体想定外だ。状況が正確に把握できてないのに狩りを続けるやつがいるか!」


 クロは想定外の状況っていうけど、僕としてはこの程度の状況の変化は十分想定内だよ。そんなことを考えながら周囲を見回すと、まさに死屍累々といった様相を呈していた。一番多いのは狼の死体で、次いでコボルト。カタツムリの死体は三つほどしか見当たらないけど、倒すのに時間がかかって次の敵の襲来を許す結果になってたから結構影響は大きかったかも。それもこれも、犬っぽいモンスター二種類が群れを作ってたことが原因だね。


「むう。せめて剥ぎ取りだけでも」

「ダメだ。血の臭いに引かれてきてるような節があった。そんなことしてたらまた襲われる」

「【消臭結界】があるよ」

「それは、こんなに広範囲に効果あるのか? いいから帰るぞ」


 クロに論破されてしまったので、老師に声をかけ、泣く泣く町に戻る。あーあ、せめて今こっちに向かってきてる五匹編成の群れくらいは経験値に変えちゃいたかったなー。

 とりあえずスキル上げもかねて【消臭結界】使っておこうかな。

 うん、嗅覚って麻痺するんだね。血の臭い感じなくなったらすごい気分すっきり。



「さて、反省会やるぞ」

「そうだね、次の時は平原中狩り尽くせるようにしたいもんね」

「なんでお前は無茶ばっかり言うんだドアホ」

「反省会っていっても、私はほぼ調合と採集しかしてなかったので…… あ! 途中までそこそこのレア度の薬草見逃してました。次から気を付けます」

「積極的に反省してくれるのはうれしいんだがな、それより他に話したいことがたくさんあるんだ。特に老師」


 クロに名指しされた老師だけど、全く何かを反省している様子が無い。というか、何かを考えてそうに見えないね。これは、きっちりとパーティープレイを成立させるのは大変そうだね……




「話が長すぎるよクロ。そろそろ教官の話を聞きに行かなきゃ」

「なんでお前らはそこまで反省が見られないんだ……」


 久しぶりにお説教モードに入ったクロによる説教の内容を総括すると、老師にうかつに飛び出さないように執拗に言うとともに、わざと戦闘を長引かせてた僕へのお叱り。初見のマップでは索敵をしっかりするとともに、最初の戦闘はなるべくはぐれた奴を狙うこと。とまあそんな感じ。毎度のことながらよくもまあそんなにすらすら説教が出てくるよねえ。


「そんなに長々と話して、疲れない?」

「余計なお世話だ! 生憎高いステータスのお蔭でぴんぴんしとるわ!」


 あれだけ説教したのにまだ誰のせいだと思ってやがるなんてつぶやいているクロを引っ張って訓練場へ。有意義な時間になるといいなあ。

 まあクロの説教よりは有意義なのは間違いないと思うけどね!


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