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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
44/162

縛り42,タイム連打禁止

本日更新二回目です。

お気に入りから飛んできた方は前の話からお読みください。

前話が登校し忘れていただけで執筆速度が上がったわけではないのが悲しい所。


定期更新じゃないとはこういうことだあ!

 始まりこそ若干不安だったものの焼き肉パーティーはおおむね盛況で幕を閉じた。次回のために肉を確保しようなんて声もちらほら上がってたし、参加してた人に関しては今の状況に以前よりも前向きになれたんじゃないかななんてちょっと思ってるよ。

 ちなみに料理コンテストは参加者一人につき一票というルールに合わせて、多くの人に提供することで票を稼いだシンプルかつ丁寧な串焼きを提供した人が優勝。ルールを決めといてなんだけど僕は二位だったローストビーフみたいな料理のほうがおいしいと思ったね。薄切りにされたやわらかい肉に、どこで仕入れてきたのか知らない香味野菜と岩塩をのせて食べる料理だったんだけど、肉の臭いを野菜と合わせることで気にならなくした見事な一品だったよ…… ジュルリ。最後は食材切れで終わっちゃったから不完全燃焼気味のコックさんたちが次回は味重視のルールで開催するぞ! って息巻いてたから、今後の楽しみがまた一つ増えたね。


「おはよーリンドウちゃん、よく寝れた?」

「おはようございます。それが、ちょっと胸やけ気味で今一つ……」

「いっぱい食べてたもんね」

「はうっ! う、運動すれば太りません、よね?」

「あはは……」


 そもそもゲームなんだから。と言いかけたけど、このゲームのリアリティならアバターが太ることもあり得る……!? 現実世界の体に影響がなかったとしても、現実世界の体とそっくりなこっちの体がブクブクに太ったらどうしよう!? 消費カロリーも多そうな生活とはいえ、ファンタジーな世界観での食べ物がどんな栄養価してるかわかったもんじゃないし、満腹度維持の感触も増えることを考えると油断はできないかも……

 食べ過ぎに注意した上で運動量を増やそうと密かに決意を固めていたら、男性陣も起きてきた。スミスさんがみんなと同じリズムで行動してるのってなんか新鮮だね。


「おはよーみんな。話題はいろいろあるけどまずはとりあえず朝ごはんにしよっか」

「そうだな。いい加減そろそろ直視しなきゃいけないことがいろいろあるだろ」

「今日もパンか。俺は米の気分だぞ」


 朝ごはんのメニューは昨日とほぼ同じ。料理に力を入れてるわけでもない普通の宿屋みたいだしそんなもんだと思うんだけど、老師は不満みたいだね。お米かあ、できるなら確保したいところだよね。


「米は無理だとしても朝食の質はあげたいところだよな」

「ご飯がおいしいと元気が出ますもんね!」


 リンドウちゃん、太ることへの不安はどこに行ったの?


「まあそれもやるべきことの一つだよね。僕やクロの装備の充実、スミスさんのレベリング、老師の立ち回りの改善、回復アイテムのレシピの研究。ぱっと出てくるだけでもこんなにやることがあるよ」

「なあユーレイ。まだ良いかと思って見逃し続けてきたんだが、このままじゃいつまで経っても行動しそうにないから言うぞ?」


 やるべきことをする計画を練っていたら、真面目腐った顔でクロが割り込んできた。


「いい加減ログアウトする方法についてまじめに考えたほうがいいんじゃねえのか。他の人と協力するにしても今みたいに何にもしてないんじゃどうにもならねえぞ」


 見れば、何にも考えてなさそうな老師を除いて、他のみんなはそのことにけっこうな関心があるみたい。といってもねえ。


「そのことはまだいいんだよ」

「まだ良いってどういうことだよ! お前ちょっと浮かれ過ぎてるんじゃないのか!」

「クロこそちょっと不安に飲まれてるんじゃないかな?」

「なんだと?」

「ちょっと落ち着いて考えてみてよ。まず、前提として公式からこのゲームに関して公表されてる情報として、ゲーム内の時間の流れは現実の十二倍。その代わりにプレイヤーには一日四時間までのログイン制限が設けられていて、ゲーム内時間換算で二日の間しかプレイできない」


 ここまで言えば何を言おうとしてるのか察したみたいで、クロの顔が怒ったものから苦々しいものに変わった。


「で、公式のアナウンスではリアルでの二十四時間の間に同じ二日間を六回繰り返すことで、ログインのタイミングによるプレイヤー間の不平等をなるべく減らしている」

「ああ、そうだな」

「でも、ログアウトが前提にない僕たちのいるこのサーバーでそんな不自然なルールが適用される可能性は低いよね。まあそこは別にどっちでも関係ないといえばなくて、重要なのは僕達がログアウト出来なくなってから、現実世界では二時間程度しかたってないってところ」

「そんな短時間じゃ警察も動けてない、か……」

「そ。況してや技術的には十二倍よりも加速率を高くすることもできるだろうし、二時間も経ってない可能性すらあるから、まだ事態が発覚してすらいないかもね」


 僕が何にも考えずにエンジョイしてるみたいに思われてるならすごく心外だね。これでもゲームをするために脳みそを働かせることを怠ったことはないっていうのに。


「審査を通ってる以上ハード自体に危険な装置が埋め込まれてるってパターンは無いと信じてるけど、新しいハードだけに警察にせよほかの組織にせよが強制ログアウトに踏み切るまでに一日かからないっていうパターンは期待薄だから、一番有望な外部からの干渉っていう脱出手段が機能するかを判断するのにはこっちの時間で一か月前後は見たほうが良いと思うよ。それ以外の手段に関してはそれこそ現状手掛かりもないんだし行動範囲を広げたり自衛手段を確保したりするほうが有意義ってこと」

「そうだな。怒って悪かった」


 さて、誤解も解けたところで今日の予定を発表しようかな。僕たちが抱える問題の中で最大のものは実は金欠! それを解決するために最初にすべきことはがむしゃらに戦うことでもスミスさんを頼ることでもなく、仕様を詳しく知ること!

 チュートリアルを受けるにはちょっと遅いけど、ここらで一度みんなそろって、


「訓練場に行っていろんな話を聞きつつ武器とかスキルの扱いを練習するよ!」

「ゲームのことしか考えてないわけじゃないんだなとか思った俺の反省を返せバカ」


今度こそ書き溜め期間に入るかもしれません。

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