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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
162/162

縛り161,納刀禁止

 モンハン楽しい!!!!

 昔やってたアクションゲームのシリーズをプレイすると気持ちが若返りますね。


 あ、縛りは全武器種を一回毎に切り替える武器使用回数均等縛りです。

「では我々はこれで失礼します。金策手段の情報が欲しければ是非ギルドにお立ち寄りください。安くしますよ。たぶん」


 街の門をくぐったところで、ここから先は方角が違うということで解散の流れに。

 そしたら○549さんがそんなことを言い出したんだけど……


「たぶん?」

「情報屋としての仕事には私は関わってませんからね!」

「というか、なんで金策? 金策するのにお金払って情報買うの?」


 徹夜で、なおかつ危険地帯で経験値稼ぎをしていたことをどう誤魔化すかを考えててぼんやりしてたことを差し引いても唐突だと感じた僕はおかしくないはず!


「おや?」

「えー?」


 顔を見合わせて首をかしげる。

 なにかがおかしいと感じた○549さんが右に振り向いて視線でキラーパス。視線の先にいた八徹の人が無言で一歩下がってスルーパス。右端のレモン・ジョンさんがこれまた無言で首を振り、○549さんは今度は左に振り向く。

 全員同じ顔で無言の応酬してるのコミカルだけど不気味……!


「私たちが早とちりしてただけで、一度も確認してないのでは~?」

「「「それだー」」」

「どれ?」

「ここは私が説明しましょう」


 ○549さんがこちらに向き直る。


「……」

「早く説明してください~」

「誰ものってくれない!? コホン。ええとですね、今回我々は勧誘のためにユーレイさんに接触した訳なんですけども、上手くいくとはあんまり思ってなかったんですよね」

「勧誘が下手な自覚有ったの?」


 失敗前提の勧誘だったんだね。徹夜中のメンバーだけで勧誘しに来る時点で薄々そんな気はしてたけども!


「いえ、そうではなくてですね…… 客観的に見ればユーレイさん達はどこに入るにも十分なコネが有るわけでして、その状況で未だ所属を決めていないということはこのまま少人数での活動を続けるためにギルドを立ち上げる計画段階なのだろうと勝手に思い込んでまして」

「あ」


 その手があったよね!!? 考えてみるまでもなく!


「ギルドの立ち上げ条件すら把握してないや」

「資金です。最低規模でも金額が金額なんで実用的ではありませんけどソロでも設立自体はできますね」

「へー」


 なるほど。金額が大きければ金策手段にちょっとお金を出しても結果的には時間短縮になるよね。


「具体的にいくらくらいなの?」

「二百万リラです」


 思った以上の高額!?


「まあ、今のところ20人くらい集めて設立を目指しているところが多いでしょうから1人頭にすれば一週間から二週間頑張れば稼げるくらいの金額でしょうかね」

「5人で立てると単純に労力4倍かー」

「レベルやスキルでも金策効率は変わりますからあくまでも参考値ですが。それとも金策プランを購入いたしますか?」

「それはいいかな。金策もレベル上げと同じで考えながらやるのが楽しいところだしね!」


 それにそこで他所を頼るなら僕らだけで設立する意味も薄れる気がするしね。そうと決まれば早速クロ達と相談! はこの時間だとダメだね!

 むしろ今から出掛けたことにして昼頃宿に戻ろうかな? クロから追求が来たタイミングで起こしちゃ悪いと思って声かけなかったって主張する方向で!


「それでは今度こそ解散しましょうか~」

「うん! なんだかんだ楽しかったからたまにはこういうのも悪くないね!」

「では今後もご協力いただけますか!?」

「気が向いて時間が合えば……?」


 心無ししょんぼりした様子の○549さんが引っ張られていくのを見送り、ちょっと道具屋さんに顔を出して時間を潰してから宿屋に帰ると、ちょうど食堂に全員揃ってた。

 なんともタイミングが良いね! さっきクロに朝からでかけてるって伝えた時も深く追求されなかったし、これは追風吹いてる気配!


「たっだいまー!」

「それじゃあ装備品の上から羽織れるケープ類をベースに、各種耐性やデザインの違いで品揃えを確保していくって基本方針は良さそうですね」

「ギルドの話なんだけ……ど……?」

「ああ、戻ったか。もうすぐこっちの話が終わるからちょっと待っててくれ」


 たまたまご飯のタイミングで帰ってこれた訳じゃなくて、食堂で皆で話し合ってたの!? 僕抜きで? 老師まで参加してるのに!?

 机の上にはクロの筆跡の議事録のようなものと、スミスさんが描いたらしいデザイン画。


「スミスさんは商品の製作と店番、リンドウはしばらく染料をメインにした製薬と材料の採集。俺は主に採集だな。老師は悪いが店番の近くで筋トレでもしててくれ。それである程度勧誘避けになるはずだ。ちょっと忙しくなるかもしれんがいずれやることになってただろうから練習だと思って気楽にいくぞ」

「はい!」

「うん。まあ作るのはシンプルな形状のものになるし今までよりも楽かもしれないね」

「よく分からんが鍛練しとけば良いんだな!」


 え? えっ?


「で、ユーレイの話はなんだ? 変な金策方法でも見付けてきたか? 悪いがこっちでやることもそれなりあるからあんまり時間は割けないぞ」

「ええ? じゃなくて! いつの間にギルド建てる話になってたの!? 僕聞いてないんだけど!?」

「言ってないけどどうせそのうちお前が言い出すだろうと思ってたからアレクサンドロスさんとかに話聞いて調整してたんだよ。スミスさんから勧誘についての相談があった辺りからだな」


 思ったより言い出すのが遅かったな? なんて言ってるけどそれにしたってもう少しいろいろ共有してくれてても良くない!?


 問い詰めれば目を剃らしもせずにクロはこう言った。


「いや、金策とかそういう堅実な動きと思考がしたい時にお前に介入されたくねえし」

「失礼すぎない!?」

「今日もお前徹夜でどこ行ってたんだよって話でもある。フラフラしてなければ普通に声かけたぞ。たぶん」


 徹夜もばれてるし!? というかこれ話し合いに顔出されなくてラッキーとか思ってる顔じゃん!?






……ところで。これは完全に余談というか、後から聞いた話なんなだけど、連続徹夜で大ハッスルしてた検証班の5人がその後どうなったか。


 今回の勧誘を主導していたタンクの○549さんは当たり前のように厳重注意。とはいえ徹夜数が一番少ないだけあってその悪影響は少ないというか、元からあんな感じのうるさい人なんだってさ。

 二刀流軽戦士のカチ割り赤さんは僕から呪いのナイフを借りる時に鞘を借りるのを忘れた結果街中を抜き身の刃物を持ったまま歩き回り、巡回中の衛兵さんに厳重注意されたとか。せめて布を巻くなりするのがマナーらしいよ。僕含めて誰も気付いてなかったよね。

 複数属性の魔法を使い分ける魔法使いのキングカメさんは今回新しく発見した魔法スキルの改造方法を改めて検証の議題に挙げようとしたところ、どうやってたのか自分でも分からなくなってしまい、スキル熟練値もマトモな伸び方をしてなかったとか。一応出来てたことだから全うな方法での再現を模索するらしい。

 光属性魔法でヒーラーを担当していたレモン・ジョンさんは他の四人がさりげなく【変装】スキルを再使用して頬の数字を消す中その事に気付かず、何かの検証案件なのかと周りが勘違いする中単なるうっかりであることが発覚。うん、それは恥ずかしいね!

 そして、七徹の人改め八徹の人。倒れた。シンプルに。状態異常を診断するスキルを持ってる人が睡眠ではなく気絶と診断したことで、流石にこれ以上は不味いという判断がくだされ、彼が九徹の人になることはなかった。


 そんなこんなで、診断結果や八徹の人の結末を踏まえて徹夜のメリットは長期的には無く、徹夜への耐性スキルもおそらく存在しないという結論が検証班によって下された。今後は【食い溜め】のスキルの累計で【寝溜め】のスキルが存在するのではないかという方向で探っていくらしい。

 ストックするだけだと結局トータルの活動時間が増える訳じゃないし、僕は取得しようとは思わないけどね。徹夜耐性有るなら良かったのになー。

 後日談をあとがきに回すか迷いましたが本編で。


 評価ブクマよろしくお願いします。

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