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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
139/162

縛り137,ルーンソケット開放禁止

 書いた後更新するのを忘れるあるある

 さて、数字ですべてを測れるわけもないってことで!

 いよいよ実戦だよ!


「なあ、本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫大丈夫! 何ならソロでも余裕でしょ!」


 という訳で試し切りの相手は懐かしの平原フィールドボス、猪肉ことグラトンボアさん! 推奨レベルは15くらいだけどパワフルでタフなシンプルな強さと、分かりやすすぎる行動モーションの攻略しやすさで脱初心者の登竜門になってるとかなってないとか。

 あと雑魚モブよりも明らかにお肉が美味しい。アレクサンドロスさんのところが主導してお肉の独占が起きないように取り決めを作ったくらいにはお肉のために狩る人が多い。

 そんな甲斐もあってこのマップではうっかりボスと遭遇する事故もなく、積極的に攻略してない人の平和な狩場として愛されてるんだって。


「よく順番確保できたよな」

「なんだかんだ僕たちは初回討伐のお肉はほぼ全部ふるまっちゃったからね。アレクサンドロスさんが融通利かせてくれたんだ」

「持つべきものはコネってやつか」


 そんなしみじみ格言みたいに言われても……


「というかなんか妙に遠くねえか?」

「何が?」

「間合いというかなんというか…… いや、なんでもねえ」


 いや、本当に何が?

 まあそんな雑談を交わしながら、こちらから襲わない限り攻撃してこない雑魚の間をサクサク進めば、悠然と足元の草を食べる大猪さんが見えてきた。

 改めて見ると結構でかいね?


「じゃあ、まずは一当て……」


 ぐるっと背中側に回り込んで、【隠密行動】のスキル各種を使って……


『行かないのか?』

『いや、今から行くよ?』


 準備を整えて、タイミングを測ってるところでクロが急かしてくる。

 まずは、中距離から【マナバレット】で…… あれ? 試し撃ちしたっけ? いや、今から試し撃ちするんだよね。


『いいからはよ行けっ!』

『だから急かさないでってば!』


 まあ初撃失敗しても負ける相手じゃないしね!

 杖を構えて、声を出すと不意打ちのメリットが無くなっちゃうから、イチかバチか無詠唱で【マナバレット】を発動する。

 で、装備の要求ステータスを満たしてない状態で詠唱を省略した結果……


「わぷっ!?」


 ものの見事に暴発したね!? いや、そんなにダメージはなかったけども。ちょっと大きな音が鳴っちゃって、完全にボスに気づかれてしまった。


「ブモ? ブモォーーーーッ!」


 ボスが臨戦態勢に入って、雄たけびを上げた。


『おい、どこまで下がってるんだよ』

『え、あれ?』


 あれ? なんでボスがあんなに遠くに?


『仕方ないから手出しするぞ?』

『あ、うん』


 いや、でもなんで? ちょっとここ数秒くらいの記憶が飛んでるような……




◆   ◆   ◆  



 いや、何やってるんだアイツは。

 防御力を調べるとか言いつつ、自分から咄嗟に後ろに飛んでパンチの衝撃を逃がしてたあたりからちょこちょこ変な言動が有ったが、もしかしなくてもそういう呪いの装備なのかあれ。

 まさか開戦と同時に全速力で逃げ出すのは流石に予想外だぞ。


「ブモォ!」

「フンッ!」


 暴れようとする大猪の牙を抑え込んで、力比べになる。初めて戦った時は足を一本抑え込むのでもいっぱいいっぱいだったが、今はSTRも防具性能も比べ物にならないぐらい上がってるからな。


「試し切りするなら早くしろよ~」

「待って待って、ちょっとタンマ! なんかそっちに行こうとしても足が動かないんだけど!」

「あー、やっぱりか。じゃあこいつはこのまま仕留めるぞ?」

「いやだから待ってってば! というか何かわかってるなら教えてよ!?」

「どう考えても装備のせいだろ」

「それはそうだろうけど! なんでこうなるのかわからなくて気持ち悪いんだってー!」


 ふむ。

 ぎゃあぎゃあ騒いでるユーレイをいつまでも放っておいても仕方ないので、アイツの新しい装備のデメリットについてちょっと真面目に考える。

 怖いものから距離を取りたくなる、みたいな感じだろうなあ。本人が頭でどう思ってるかに関係なく、強そうな攻撃とか強そうな相手から逃げようとする?


「ブ……モ……」

「う~ん?」

「待ってって、僕まだ一回も攻撃できてないんだけど!?」


 抑える位置を牙から首に変えて、ぎりぎりと締め上げながら考える。

 歩いてる時の距離感が妙に遠かったのは普段と服装が違う成果と思ってたが、たぶんそれもだよな。

 となると、条件はレベル、とかか? ボスの威圧は別カウントか?

 もしかしなくてもこれ、ナンダゴンドさん相手にも発動するよなあ。


「近づけないなら遠距離攻撃したらどうなんだ?」

「攻撃して初めて斬撃として扱われるから【スラッシュアロー】には杖の性能が乗らないんだよ! 【マナバレット】は暴発するし詠唱しようとしたら舌噛むし!」

「いや、そんなコンディションで攻撃参加しようとすんなよ」


 ん、妙に腕の中の反応が鈍くなったな。

 あ、すでに落ちてら。そりゃ三分くらいボーッと締め上げてればそうなるか。


 これまだ生きてるだろうし血抜きとかできるか? 剥ぎ取り特化のスキルじゃないから無理か……

 その辺便利だけど今一つだよな【採集能力】

 百話くらい遠回りしてようやく作品テーマに戻ってきた感じがします。

 装備更新はデメリットの一新ですからね! 装備更新するたびにピーキーになるこの作品の明日はどっちだ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 縛りプレイの真骨頂ですね この悪条件をどうやって乗り越えていくのか、胸の高まりが抑えきれません はてさて、これはゴブリンの方が原因なんですかね、それとも初心者よりも低いステータスが原因なの…
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