縛り135,鎧玉使用禁止
月一では更新しておきたかったので更新。ちょっと短めです。
僕らが散々寄り道をしてる間に、街の付近で検証してる人たちによって明らかになったスキルの習得方法。もう少し早く教えてくれればよかったんじゃない? って思いもあったけどとりあえず置いておいて……
翌朝。
「予定通りの時間に完成したよ。ただ……」
「ただ……?」
「デザインがね……」
デザイン? スミスさんっていつも装備のデザインについては本職じゃないからって言って無難なものにしてる気がしたけど。今回は違うのかな?
「納得いってない感じ? とりあえず着てみて良い?」
「いや、ちょっと待ってくれるかい?」
「あっ」
スミスさんは止めようとしてたみたいだけど、新装備に速攻で着替えるという意識が高すぎたね!
ふむふむ、これは……
「鏡ある?」
「姿見までは作れていないが、どうぞ」
なぜか目をそらしながら鏡を手渡してくるスミスさん。大きめの手鏡サイズなのになぜか歪みなく全身が映るのすごいね?
で、肝心の装備だけど…… 骨を装飾と防御の目的で採用したデザイン。僕の知ってる中だとモンスターをハントするゲームの骨装備とかに近いかな? そこに、数珠状に骨や鉱石を連ねた装飾が垂れ下がってエキゾチックな感じに。
頭装備は頭蓋骨を大胆にあしらった被り物で、帽子のように頭にのせておくのが基本だけど、仮面みたいに目の位置まで下げることも可能。
杖を構えれば少数民族のシャーマンみたいなルックスになってとてもしっくりくる。
「すごく整った装備だと思うけど? スミスさん的にはアウトなのこれ?」
「いや、少々露出が激しすぎるだろう」
「う~ん? まあ、そうだね。今時オンラインゲームでここまで派手な装備って珍しいかも? でも陸上のユニフォームと比べたら全然布面積多いよ?」
ヘソは見えてるけど、腰垂れみたいなパーツのお陰で太もも付近は外側からはそんなに見えないし。あと編み上げサンダルが個人的にかなり気に入ったよね! 脛まで覆ってるから回し蹴りとか安心して放てるし!
血染めの手袋を着用しっぱなしになってた腕装備は、植物性の腕輪が複数絡みあうおしゃれな装飾と、中指と手首をつなぐ形で布が広がる手袋みたいなあれに。スミスさんの装備としては珍しいくらいに外見重視だね。
「可能なら今からでもマントなりなんなり追加したいんだが…… 素材を使い切ってしまってね……」
詳しく聞いてみれば、【素材加工】のスキルで限界まで素材時点の品質を上げつつ呪いの素材に加工した結果、装備にする段階では手に負えないものになっていて加工中まともに意識がなかったんだとか。終了直前でスキルレベルが追い付いて腰垂を追加することに成功したんだって。
「そんなにヤバい装備なの? むしろ前の装備よりも体が軽い感じがするんだけど」
「ああ、身体能力を低下させるような系統の呪いが含まれていないからじゃないかい? 呪いの性質についてはユーレイ君の方が詳しくわかるだろうから僕はそんなに調べていないけれど」
「予想のついてるものってある?」
「特定の属性への耐性の低下と、以前言っていた首への攻撃への耐性低下かな。あとはゴブリン素材の共通した呪いがあると思うんだけどそれが何かはわからないね」
う~ん、森ゴブリンの弱点属性ってなんだっけ…… 物理と毒以外試してないから全然わからない。洞窟の方は、目くらましは凄い有効だったよね。
「基本のスペックについてはわかる範囲で調べておいたから参考にしてくれ」
「ありがとうスミスさん!」
「デザインについては本当に済まない……」
「いや、全然いいってば。あ、もう寝てる」
とりあえず、みんなにも見せにいこーっと。
「わあ! 格好いいですね!」
「でしょでしょ!」
「はい!」
老師はなぜか不在。リンドウちゃんには好評。
そしてクロの反応はといえば。
「なあ、お前それホントに普段着にするつもりか……?」
「そうだけど? というか着替えられる装備品ないし」
「そうか、分かった」
「前の装備と違って常時発動のデバフがないから体も楽だしね!」
「次の装備更新までは俺の部屋には立ち入り禁止な」
「なんでさ!」
「いや、前々からお前の普段着のセンスは壊滅的だと思ってたが、今回ので確信した」
「クロに言われるのすごい心外だよ!」
というかゲームの装備でそういうの意識する方がスケベじゃない!? クロのスケベ! ヘンタイ! 知ってたけど! 初エロ本をベッドの下とかいう安直な場所に隠す人は言うことが違うね!
「ま、口に出しては言わないけどさ」
「何考えてたか大体わかるけど言ったら殴るからな」
「回復しながら悪口言えば済むから僕の勝ちだね!」
「ええいうるせえ!」
不思議そうな顔のリンドウちゃんが僕らの顔を見比べてる。
「何の話ですか?」
「それはね……」
「言わなくていいし聞かなくていい! というかこの後もいろいろやることあるんだろうが!」
「あ、たまにはいいこと言うじゃんクロ! 確かに時間は有限だよね!」
次は装備の性能チェックだね!
カタログスペックを確認したら、実地での戦闘。獲物の検討もついてる。
今日は猪鍋だよ! 調理できる人がいないからお店に持ち込みだけど!
活動報告でも書きましたが企画に参加してきました。小説書いてなかったわけじゃないんですよこの一か月。良ければ覗きに行ってくれると参加者各々とても喜びます。
もんはんとぽけもんとどらくえやりたい。




