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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
132/162

縛り130,1コス権能使用禁止

 お久しぶりです。忙しかったというか、体力の工面がつかなかったというか……

 元気になったので更新です。


 私事ですが、その一端としてPCを買い替えました。書きかけだった分が有ったので今回が旧PCからの最後の更新になります。その雄姿を存分に見て行ってください。心の目とかで。

 とか言ってたら、間違えて企画原稿アップした方の続きに上げてTwitterにリンク投下してましたあぶねえ。有終の美を飾らせてあげられなかった。

「けほっけほっ」


 うう、距離が多少あったからダメージは大したことないけど、熱風と砂ぼこりの合わせ技と、大きすぎる音での耳鳴りが酷い……

 って、他の魔法撃とうとしてたゴブリンは!?


「ゲッ!」


 見れば一発の火球が既にクロの方へ投げられていた。さっきの爆風で毒霧は綺麗に吹き飛んじゃってるし、毒沼まで吹き飛ばされたらけっこうまずいよね。というか至近距離で食らったらあれはクロでもかなり痛いんじゃない?


「【スラッシュアロー】!」


 とりあえず火球の軌道上に【スラッシュアロー】を放って、リンドウちゃんを庇うように地面に伏せさせる。ちゃんと打ち落とせるかどうかはもうお祈りするしかないね!


 再び爆音。


「ひゃああっ」

「のわー!」


 リンドウちゃんの可愛らしい悲鳴の遥か遠くから、老師の叫び声が聞こえた気がする。というか魔術師ゴブリンあと何匹いるんだろう。

 さっきの教訓を生かして、爆風が過ぎ去ったら最速で立ち上がって周囲の確認。まず、立ってる取り巻きゴブリンは見当たらないね。ただ、魔術師ゴブリンたちは転んでるだけでまだ元気そう。なるべく早く対処しないと。

 老師も元気。叫んでたしダメージは受けてるみたいだけど爆音も衝撃も何のそので倒れた魔術師ゴブリンに追撃を仕掛けてる。


「う~ん、飛び道具で都度妨害して自爆させれば楽に片づきそうだけど、その度に毒霧無くなるのは手間かなあ」


 かといって普通に攻撃しようにも、飛び道具で削りきるよりも老師が全員倒すほうが早い気がするくらいには僕の遠距離攻撃の威力ってしょっぱいんだよね。とりあえずするけど。


「あの、ユーレイさん、何か変な音がしませんか?」

「え? 老師とクロの雄たけびのせいで全然分かんないや。どんな音?」

「雨、みたいな? なんかこう、ぱらぱらって……」

「う~ん?」


 爆発音のせいでさっきから耳に違和感があって全然分からないよ……

 視界の中では、僕も老師も手が回っていなかった最後の魔術師ゴブリンがどうにか火球を完成させ、どこに薙げるか迷ってる。というかどこかに投げたらその時点で巻き込まれる心配のなくなった老師に対抗する手段がなくなっちゃうから投げるに投げられないって感じ?


「ほあっちゃあ!」


 対して、老師は迷わない。攻撃したら爆発するという状況でも迷わず突っ込む。飛び膝蹴りの一撃でダウンを奪い、取り落とされた火球が地面に落ちて爆発するよりも早くその場を離脱。

成功させてる以上危ないからやめろとは言いづらいよね! 回復のために一度リンドウちゃんの射程内に戻ってきてほしいけどね!


 最後の爆発音が盛大に鳴り響いて、ボス部屋にはクロとボスが取っ組み合う音だけが残った。いやこれ十分にうるさいね?

 ふと、耳鳴りとクロの叫び声の向こうから、雨のような音と、それよりも硬質で、どことなく不吉な音が聞こえた気がして、改めて耳を澄ませる。


 パラパラ、ピシリ……


「上?」


 真上じゃなくて、どちらかというとさっき魔術師ゴブリンが立ってた辺りから音が聞こえてくる気がする。


「【ライト】」


 もうちょっと明るく成れば分かるかななんて思って【ライト】の数を増やしたところで、そんなことをするまでもないくらい派手な出来事が起きた。

 具体的には、けっこうとんでもない規模で天井が崩落した。


「うひゃああ!?」

「なるほど。老師ー、大丈夫~?」

「毒沼が邪魔で殴りに行けんぞ!」

「ステイ! それはクロの獲物!」

「そうか!」


 いやあ、適正レベルよりも強くなってから挑んでるとはいえ何となくちぐはぐというかイマイチ手強くないボス戦だなとは思ってたけど、まさか崩落ギミックが有るなんて!


「言われてみればいろいろヒントは有ったよね。対物仕様としか思えない敵の魔法とか、鉱山っていうダンジョンの形状とか、ゴブリンの装備とか」

「なんでそんなに冷静なんですか!?」

「ほら、別に天井が落ちてくるとか珍しくないし? 前触れ無しで降ってきたり、ボスが大技打つたびに降ってきたりするんでも無ければそんなに脅威じゃないよ」

「頭の上に降ってきたら死んじゃいますよ!?」


 リンドウちゃん的にはけっこうショッキングな光景だったらしい。あんまりゲームやってないとそんな感じなのかな? 誰だって鍾乳石やつららを見たら降って来るものと思って行動すると思うんだけど。今回みたいなのも多少珍しいとはいえそれこそ頭上から岩を降らせる攻撃って考えればレトロゲームの頃から外せない攻撃方法だよね。

 というわけで。


「多分後衛が食らっても即死は無いしうちにはクロがいるから埋まっても助けてくれるから大丈夫!」

「本当ですか……?」

「ホントホント! なんならうまく活用すれば逆にボスに大ダメージ与えられるタイプのギミックだよ!」


 惜しむべきは僕らの使える遠距離攻撃の中には崩落を誘発できるようなものが無いことかな。魔術師ゴブリンの火球キャッチして投げ返したりできるならするんだけど…… 後で試してみようかな?


「ぐフぅッ! オラ゛ぁッ!」

「ギッ! ギャッギャッギャッ!」

「ぐう……」


 さて、作戦としては僕と老師がそれぞれ遠近の取り巻きに対処して、リンドウちゃんの支援を受けたクロがボスと戦うことになってたわけなんだけどさ。

 相次ぐ爆発でその間毒霧は張れてなくて、毒沼のインターバルを毒霧で埋める戦術が破綻。その上で崩落騒動でリンドウちゃんが支援に回れていなかったわけで。

 簡単に言うと地味にクロがピンチだね! 麻痺の効果が消えかけてキレのある動きでクロの攻撃を捌くボスゴブリンに、こちらはこちらでドーピングが切れかけて今一つ動きに勢いがないクロ。勢いは失われてても冷静さは戻ってきて無さそうな辺り、ドーピングのリスクって怖いね……

 そしてその向こうではさっき止められた老師がウズウズしてる。あー、今回は参戦無しの方向で!


「あ! すいません! ええと、【投薬】!」


 支援を忘れて愉快なリンドウちゃんが最初に選んだのは【投薬】。再使用の短いスキルを先に使って、毒沼と毒霧を張る間にも挟んでいくことで万全の態勢に手早く近づけられる良い判断だね。

 でも今投げたビン、回復用じゃなくてドーピングのやつじゃない!? よりによって立て直しの最初にそれ行く!?

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