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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
117/162

縛り115,どくどくだま使用禁止

 改めてダンジョンに踏み込んだ僕たちの前に早速とばかりにモンスターが現れた。今回の目当てでもあるゴブリン系のモンスターの群れ。平原にいるやつらよりも、しっかりとした武器防具を持っていて、一匹は木で出来た杖を持ってる。


「前衛役は三匹。まあこの人数なら楽勝だね。何されるか分からないからひとまず回り込んで始末してくるよ」

「前衛五人ってどうなんだろうな……」


 各々そんなことを言いながらとりあえず走って接敵する。普段だと老師が遊撃で僕も純前衛じゃないから前が薄く感じるだけに新鮮な感じ。


「【ギギギッ】!」


 でもなんだかんだ遠距離攻撃の方が前衛が近づくよりも早かったりするわけで。最初に動いたのはゴブリン魔法使い(仮)。ゴブリンシャーマンとかの方が外見的にはそれっぽいかも?


「ぬおっ!?」

「クロさん!?」


 む、後ろから派手な音とクロの悲鳴が。何かが飛んでるのは見えなかったけどどんな攻撃だったんだろう? とりあえずこういう時こそ【隠密行動】のスキル各種の出番なので、どさくさでゴブリンたちの意識の外へ。


「ほあちゃー!」

「せい! 【トライスラッシュ】!」

「……フッ!」


 当然のように一番早く敵にたどり着いた老師が、勢いそのままのドロップキックでゴブリンの一匹を吹っ飛ばす。エックス君は相手の武器に盾を押し付ける形で隙を作って、通常攻撃から三連撃のスキルに繋いでの四連撃で素早く撃破。キリコさんは、刀の一振りで武器の柄ごとばっさり。いやいや、ばっさり?


「ゲギャ!?」


 あっという間に味方がいなくなって慌てふためくゴブリン魔術師(仮)の首筋をナイフで掻き切れば、戦闘終了。じゃないね。老師が吹っ飛ばしたやつがまだ生きてるや。


「老師~、追いかけて~」

「むっ? おお」


 背中を向けて逃げようとしてたところに老師がそこらじゅうの木を足場にした変態的な軌道で追撃して今度こそ瞬殺。


「攻撃力に偏りすぎな気がするね。クロは何を食らったの?」

「足引っ掛けられて転ばされた」

「ダサっ!? いやまあ初見なら仕方ないか」

「完全に飛び道具の方を警戒してたしなんだかんだ足元への視野がそういうのに対処できるほど広くねえからな」

「う~ん、けっこう厄介だよね? レベル的には上なはずの洞窟にいた奴らよりあるいは手強くない?」

「連携って点ではそうだな」


 洞窟に出てくるゴブリンは武装が一種類しかない前衛オンリーで突撃しt来るだけだからね。その武装もツルハシにヘルメットとかいう明らかに戦闘目的じゃないデザインだし。

 対して、ここで出るのは前衛多めのバランスに後方から魔法で支援する型。一人しかいない壁役が転ばされて機能しないとかなったら割と危ない。まあ走ったりしなければ転ぶことも無いんだけど。


「まあ、分かってたけど過剰戦力だよね。植物系の方のモンスターの確認だけしたら手分けして採集始めよっか」

「つっても移動しながらだと採集もそんなに捗らないだろ」

「いいのいいの。息抜きだし」


 エックス君が小声で、本当に息抜きだったのかとか呟いてるのが聞こえてきた。どれだけ信用してないのさ。というかナンダゴンドさんはいったい何をやってここまで人間不信にさせたのさ。


「またゴブリンだね。じゃあ僕とエックス君は休憩で」

「分かった」

「老師は後ろの奴お願いね」

「おう!」

「頑張って~」

「はい、行ってきます」


 前衛の三人を見送る。今回はナイフや石斧で武装した前衛ゴブリン四匹と、ゴブリン魔術師(仮)の組み合わせ。


「おいおい、さっきより数が多いのに休憩なんてしてていいのかよ! そりゃあの二人が負けるとは思わないけどさ!」

「うん、でもほら、今回はさっき出番のなかったリンドウちゃんも参戦するから」

「え? いやいや、生産職だろ? え?」


 困惑するエックス君を余所に、アイテムを取り出しつつ、てくてくと投げたものが届く距離まで歩いていくリンドウちゃん。


「行きますよ~。【ドラッグ】」

「【ギギギッ】!」


 後衛からの支援が双方から放たれる。結果はまあ一目瞭然。


「ふんっ! ふんっ!」

「ゲッ……!? ……ッ!?」


 鼻息荒く、力強く左右の足を一歩ずつ動かしたクロが、強引に魔法で生えたであろう木の根っこを引きちぎり、そのまま走って近づく。またクロが狙われたのは一番重装備だからとか?

 対して、リンドウちゃんの投げたビンの中身を浴びたゴブリンはその場で倒れて痙攣を始めた。ダメージも有るタイプの毒なら放っておいても死ぬだろうから、これで二対三。


「【飛燕】」


 またしてもばっさりと一太刀で一匹のゴブリンに致命傷を与えたキリコさんがさらにスキルを発動して、不自然に加速して移動したと思ったら、返す刀で切り上げてもう一匹。ええ……


「何あれ」

「いや俺が聞きたいって! なんだよあのあからさまにヤバい症状! あんなスキル見たことねえぞ!」

「あれは薬系のアイテムを投げて使うスキルで毒薬をぶっかけただけだよ! それよりキリコさんの方がさっきから絶対おかしいでしょ!」

「だけってなんだよ! それ回復スキルだろ!? なんで毒薬使おうってなるんだよ! そもそもなんで毒薬が有るんだよ!」


 ぜえぜえと息を荒げるエックス君。まあ思いっきり叫ぶのはストレス解消には良いらしいし、街に帰って来た時のうつろな表情と比べたら大分良いんじゃない?


「で、結局、キリコさんのあのスキルとか攻撃力とかって?」

「そう言われてもな、ちゃんと使ってるところ見るのは俺だって初めてなんだよ。正直ただの切り返しのスキルだと思ってた」

「どういうこと?」


 使ってるところを見たことは有るけど、その時は完全な状態じゃなかったってこと? 一緒のパーティーでずっと戦ってたのに? あっ。


「気付くのおせーよ。刀前提のスキル構成で、長剣持って最前線で立ち回ってたんだよキリコさんは。だから攻撃の鋭さとかスキルの性能とか俺に聞かれても何にも分からねーからな!」

「ええ……」

「正直俺はナンダゴンドさんよりキリコさんの方が怖い…… 怒ったりしてるのを見たことは無いけどさあ。なあ?」

「気持ちは分かるかも」


 疲れたようにため息を吐いたエックス君が、気分を変えるように雑談を振って来る。


「なあ、お前の用事って言ってたけどなんの用事なんだ?」

「うん? 装備の更新するためにドロップアイテム堀だね」

「普通だ……」

「呪いの装備品が出るまで粘るんだけどね」

「お前に一瞬でもマトモさを期待した俺が馬鹿だったんだろ知ってる!」


 そう叫んで頭を抱えるエックス君。彼の為に溜めこんだ不満が今爆発する!


「畜生! ヤバい奴ばっかりかよ! 普通に可愛い女の子の一人ぐらいいたっていいじゃねえか!」

「エックス君、後ろ……」


 キリコさんの顔は別に怒ってるとかそういう様子ではなかったけど、ちょっと本気で怖かった。

 あとがきと前書きのネタとパソコンのバッテリーが有りません!

 あとあれ、キーボードのEが反応悪くなってきたんでパソコンを買い替えたい。

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