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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
114/162

縛り112,魔力撃習得禁止

 三年位前に今くらいのペースで小説書いてた頃より体が楽な気がします。自力が上がったとみるか、実家ゆえの食事と睡眠の質の差とみるか…… 後者な気がしてますので皆さんも食事と睡眠は確り摂りましょう。


 たぶん流石に明日の更新は無いです。


(追記)昨日、一昨日も更新してますので読み飛ばしにご注意ください。

 宿の中庭で、クロと向かい合う。あんまり騒がしくしたら宿屋さんに怒られるかと思ったけど、そういうことも無いから日中の使用に関しては想定内の利用方法っていうことなのかな。


「まず最初に新スキルの性能を把握しておきたいんだよね」

「ああ、増えたのか。どのスキルの奴だ?」

「【斬撃】だね。このスキルの性能は勝敗に直結すると思うから熟練度も出来る限り上げておきたいところかな」

「どんなスキルなんだ?」

「【エナジースラッシュ】っていう、説明見た感じ斬撃を魔法攻撃にする感じのスキルかな。とりあえず一発。エナジースラッシュ!」

「いきなりかよ!」


 ものは試しだし、とりあえずスキルを使いつつ手刀をクロに向けて繰り出してみたんだけど……


「……っ! いったぁあ!」

「はぁ。素手でやるなら鎧外すからそう言えっての」

「鎧の上から使えないんじゃ意味ないじゃん! というか今スキル発動してた?」

「いやしてなかったと思うぞ。魔法攻撃ならノーダメージってことは無いだろ」

「あれー。おかしいなあ。武器使って試してみても良い?」

「いやお前それ即死武器だろ。人に向けるな人に」

「だよねえ」


 仕方ないから素振りで試そうかな。ナイフを抜いた時のステータスの低下とかお腹が空く感じにもだいぶ慣れたよね我ながら。逆にこの装備のままじゃこれ以上耐性スキルが育たない気もしてるんだよねえ。当然ずっと装備してるのにここ三日で1しかスキル熟練度上がってないし。

 スキルのクールタイムは…… 初期値で八秒か~。今までと比べたら大分長いね。


「【エナジースラッシュ】! おっ。おお?」


 ナイフを宙に向けて振りながらスキル発動を宣言すれば、普段と違う手応えと、MPが減る感覚。で、ぼんやりと光ったナイフが振り切った後の状態からちょこっと動いた。終了、またしても不発。


「まあ原因は分かったけどね!」

「今のでなんか分かったのか?」

「うん! これ多分宣言から発動まで、あるいは宣言前に『溜め』が必要なタイプのスキル!」

「ああ、なるほど。さっきはそもそも発動しようと辞退して無かったっぽいが」

「う~ん、手刀って、手で斬撃を繰り出してるわけだけど、厳密には斬撃じゃないし、そもそも手は切断武器じゃないからじゃない?」


 そう答えれば、クロががっくりとその場に膝をついてうなだれた。何事!?


「言われてみればそうだよな…… 変なのは今までの【斬撃】スキルの仕様の方だよな……」

「どうしたのさ」

「いや、毒されていたことに自覚が無かったことの恐怖を噛み締めてただけだ。そうなると、次の武器の選択肢は切断武器で固定か?」

「う~ん? 斬撃要素のある武器なら大丈夫だと思うけど。どこまで対象範囲かの検証できるほど装備が無いんだよね」

「お前の主義に反しない装備が無いの間違いだろ」

「まあそうなんだけど」


 会話しながら、きっちり八秒ごとに素振り。チャージ時間はだいたい一秒。攻撃するのにナイフを振りながらチャージするのは出来ない、というかチャージしてる間は腕や手の動きが鈍くなる? 反対の手や足は自由に動かせる。ふんふん。

 あとは、威力の検証なんだけど……


「間違っても急所には当てるなよ。威力確認だけなら盾に当てれば十分だろ」

「いいの!?」

「ぜっったいに急所には当てるなよ!?」

「大丈夫! 首以外の急所では発動しないのは確認済みだから!」

「実は手首とか足首でも発動するとかそういう罠も無いだろうな!」

「そもそも即死と言いつつ首の部位破壊ダメージで強引に殺してるだけな気がするからたぶん大丈夫!」


 首が急所の生き物が首を噛み千切られたらそれはまあ即死するとは思うけどそれを即死効果と呼ぶことにちょっと抵抗はあるよね!


「本当に大丈夫なんだろうな……」

「大丈夫大丈夫! いっくよー! 【エナジースラッシュ】!」


 万全の態勢でチャージされたナイフが、クロの構えた盾に当たり、そのままなんの抵抗もなく振り抜かれた。これ思ったより強いスキルなんじゃない!?

 しかし、クロに大きなダメージが様子は無いし、スミスさんが余った木材とクズ鉱石で用意してくれた訓練用の大盾にも目立った切れ込みとかが入ってる様子はない。


「あれえ?」

「今、盾に当たってた、よな?」


 二人で首を傾げる。


「とりあえず、当たったところ見てみようか」

「おう、そうだな」


 地面に大盾を下ろしてもらい。当たった辺りをじっくり見たり、指で触ったりして見るけど、あまりにも痕跡が目立たなさすぎてまずどこに当たったのかも判然としない。う~ん、ここだけ周りに比べて木材がちょっとヘタってるような、気のせいなような…… こっちも何となく怪しいような……


「これは、生身で受けてみないと分からないかもな……」

「あんなに嫌がってたのに?」

「正直気は進まないが、この攻撃で死ぬビジョンが見えないしな。何よりすっげえモヤモヤする」


 うん、分かる。たぶんそんな複雑な仕様の攻撃じゃないだろうっていう考えが有るだけにすっごい引っかかる。たぶん気付いてみれば何のことはない単純な話だと思うんだよね……


「じゃあ、行くよ?」

「おう、来い!」

「【エナジースラッシュ】!」


 ボクサーのファイティングポーズのようにガードを固めたクロの腕に向かってスキルを放てば、またしても怖いくらいの抵抗の無さでナイフがすり抜けた。

 見たところ怪我にはなってないみたいだけど、ちゃんと当たったよね?


「ああ、うん、痛い、な? うん、痛い。そろそろ治りきるくらいのダメージか……」

「いや弱くない!? 自然回復だけだよねそれ」

「いやでも何となくわかったぞこれ。この変な感じ、前にモンスターがスキルで飛ばしてきた石つぶてを食らった時の感覚に似てるんだ」


 石をスキルで飛ばすモンスター? 鉱山ダンジョンに向かう時に戦ったトカゲのヤツ? あいつのスキル攻撃って、僕が試しに受けてみたらノーダメージだったやつだよね。ということは?


「これ、完全な魔法属性の魔法ダメージスキルだ」

「物理攻撃に魔法ダメージを上乗せするんじゃなく」

「するんじゃなく。斬撃武器を使って魔法ダメージだけ与えるスキルだな。ほら、お前の【汎用魔法】のスキルに有る範囲攻撃のやつ。あれも敵を貫通したりするけど相手に穴が開く訳じゃないだろ」

「ということは威力が妙に低いのは……」

「多分武器の魔法攻撃力とINTステータスで補正がかかるってことじゃねえか? なんだかんだ言って物理武器だろそれ?」


 わースッキリして嬉しいなー! とはならないよね。このナイフ、物理武器の中では多分かなり魔法攻撃力も高いものだと思うし、それでこの威力って……

 僕たちの間に沈黙が降りる……


「ねえ、このスキル役に立つと思う?」

「正直なんで習得リストにあるのかわからない産廃レベルだろ。ただ他の奴が習得するよりはまだ使い道有るとは思うぞ」

「それはそうかもしれないけどさあ。質問のしかた変えるよ。ナンダゴンドさん相手にダメージソースに成り得ると思う?」

「………………」


 目を逸らされたよ。まあそういうことだよね! 物理であの防御抜ける気がしないし、遠距離攻撃だけで立ち回れるほど甘い相手じゃないのに! めちゃくちゃ魔法攻撃力高くて斬撃属性持ってる武器とかぽろっと出ないかな!?

 あとがきに書く小ネタが思いつかない……!


 あ、あれです、察してる方いそうですがアクティブスキルの習得は同じスキル系統でも他のスキルやステータス振りで変わります。どこかに書いたっけこれ……?

 STR極振りでナイフ二刀流高倍率スキル連発するのが一番強いんじゃね理論が成立しなかった話どこかのタイミングで書いた気がしますね。斬撃スキル四枠目のINT、MND系の習得スキルが【エナジースラッシュ】ですね。三枠目の、STR、DEX、AGI系のそれぞれの条件未達成の習得スキルが【アッパースラッシュ】

以下三枠目分岐リスト

STR 【パワースラッシュ】 倍率中、消費極小、事前チャージあり、再使用時間中 ―― 片手剣のスキルよりは劣る攻撃倍率ですが、大斧とかのスキルは倍率が低くその他の要素が優れてるものが多かったりするので、意外と選択肢に入るくらいのスペック。総合的には一枚劣る。


DEX 【ダブルスラッシュ】 倍率小、消費中、再使用時間小、速度補正アリ二連撃 ―― ナイフや片手剣なら普通に三連撃四連撃のスキルが有るのでDEX型でメリットは少ないですが、再使用時間が短いのでコンボパーツとしては優秀。総合的にはやっぱり一枚劣る。


AGI 【クイックスラッシュ】 倍率小、消費小、再使用時間小、全身に速度補正アリ ―― 発動時間が斬撃より前に1秒くらいあり、その間も全身に速度補正がかかりますがナイフのスキルでいいじゃないかと。やっぱり一枚劣るものの使い勝手は良い。


【アッパースラッシュ】? モーション条件付きで消費も再使用も短く威力はクイックスラッシュよりもマシ。癖が無く純粋に弱いタイプのスキルですゲフンゲフン。使いどころを全く選ばないので通常攻撃が強くなるスキルとして見ればとても優秀。

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