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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
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縛り108,おやつ禁止

気付いてしまった…… 投稿を小分けにするとその分たくさんサブタイを考えなくてはいけないことに……


あ、今回のサブタイの元ネタはくっそ分かり辛いですがたまごっちです。律儀にミニゲームしましょうね。

「そもそも~、三人分の~、食事代では~、最初から足りなかったと~、思いますよ~?」


 そう言いながら、ゆったりとした動きでミルフィーユさんの手から伝票を引き抜いて店員さんの方へ向かっていくコノカさん。待って! 僕とキリコさんの分も入ってるよねそれ!?

 慌てて止めようとすれば、もろもろのお礼だとか、ここに来たのはミルフィーユさんの要望だからとか言って流されてしまった。


「これは確かに~、リアルで~、贅沢するよりも~、お手軽かもですね~」

「でっしょ~? しかもここでいくら食べてもリアルでは太らないのよ!」

「それで~、貴女は~、無一文で~、どうするんですか~?」


 支払いを終えたコノカさんの言葉に、見事なドヤ顔で返していたミルフィーユさんの表情が凍り付いた。


「貸s……」

「貸しませんよ~?」

「う~…… あっ! 今日あれよね、前頼まれてた臨時のヒーラーの話! あれ今日だったわよね! 行かないつもりだったけど今から行ってくるわ!」

「えっ!? えっと、いってらっしゃ……い……? 行っちゃった……」

「頑張ってきて~、くださいね~」


 話を思い出してから走り出すまでわずか五秒。話を見守ってたキリコさんともども呆然とするしかないよ……


「え、というか大丈夫なの? 相手方の人達も来ないつもりで別のヒーラーさんに声かけてたりしない?」


 ドタキャンならぬドタキャンキャンだよねこれ。いずれにしてもかなり迷惑だと思うんだけど……


「いえ~、行くだろうと思ってましたから~、先方にも~、そのつもりで~、準備してもらってます~」

「なんでそう思ってたの? だいたい察してはいるけど」

「彼女はいつも~、金欠ですから~」


 まさかあそこまでとは思っていませんでしたけどと呟くコノカさんの視線が遠い。うん、所持金が一桁なことをミルフィーユさんの言動から見抜くのは難しかったね。

 で、差し当たっての疑問は解決したわけなんだけど、そうなってくるとまたちょっと気になることが出てくるよね。


「ミルフィーユさんがなんでアレクさん達のパーティーにいたのかは分かったけど、聞いた感じコノカさんが引き留めてるからまだ一緒に活動してるの? なんで?」


 そんな風にコノカさんに聞いてみれば。


「そのですね~…… 今回の~、回復魔法で~、疲れを取る話とか~。そうじゃなくても~、交友が広くて~、無自覚に~、有益な情報を~、ポンポン持ってきちゃうんですよね~」

「確かに、お風呂の一件だけでも影響かなりあるよね?」


 民家が並ぶ通りで発生する、お風呂を貸してもらえるようになるクエスト…… うん、どう考えても普通に攻略してたら入手できない情報だよね。その上で、モチベーションとかの観点で攻略速度に直結する、と。


「あと~、目を離していたら~、いつの間にか~、ふらっと死んでそうで~……」

「あー……」


 危機管理意識ガバガバだし、稼いだお金を生存率を上げるために投資したりもしてないし、何より目立ちたいっていうだけで一番危険なところに飛び込んだ実績持ち。

 ヒーラーだから一人じゃ活動できないし、コノカさん達のところを抜けてもどこか別のパーティーに所属するだけ。そしてその人たちが安全マージンをちゃんと確保する人達だとは限らない。


「そもそも~、ヒーラーとしては~、優秀ですしね~。現状ヒーラー不足ですから~、問題なさそうな~、人達の手伝いを~、頼んでます~」

「じゃあ今ミルフィーユさんが参加しに行ったパーティーも事前にそういうチェックはしてるんだ?」

「もちろんですよ~。彼女に~、人柄の判断とか~、任せられませんから~」


 聞けば、一番前でモンスターとぶつかることになるタンクと、一人での自衛手段を持たない純ヒーラーの人達はこぞって別方向のスキルやステータスを伸ばして、それら以外の役割を目指すことが多いらしくて、結果的にヒーラーはいつも募集が途切れないような状態なんだって。

なるほどねえ。それで、問題行動を起こさなさそうな人のところにミルフィーユさんを派遣しまくってるんだね。こき使われてるとか言われたりするのも納得。そしてますますミルフィーユさんの人脈が広がる、と……


「コノカさん達も大変だよね。すでになんというかお仕事みたいになってるし」

「そうですね~。でも~、やりがいは~、ありますよ~。誰かを~、死なせずに~、済むと思えば~」

「やっぱりふらっと無茶しようとする人もいる?」

「いますね~。そういう方たちには~、煮卵さんが~、同行することが~、多いです~」


 おお、無茶する人達へのフォローも完備。さっきの話と合わせると煮卵さんは希少な現役バリバリのタンクってことだよね。

 あれ? でもふらっと死にかねないボス討伐のメンバーっていう観点ではアレクさん達全員該当しない? コノカさんも含めて。というかミルフィーユさんの斜め方向に突っ切った理由を聞いたら、他の人はどういう理由であのパーティーに参加してたのかがぜん気になってきたんだけど。


「コノカさんはなんでアレクさん達のパーティーに参加したの? そういう危ないこと進んでするタイプじゃないよね?」

「それは~……」

「それは?」


 当時を懐かしむかのように視線を上に向けるコノカさん。


「秘密ということに~、しておきます~」

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