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僕が死ぬまで縛るのをやめない!  作者: + -
第三部 マイペース攻略準備編
102/162

縛り100,レベル1ソロプレイ

本編百話目ですね。で、だいたい五周年です。今後とも拙作をよろしくお願いします。

 さて、ゴブリン。おなじみのファイナルなファンタジーでは再序盤に登場する最も弱いモンスターの一角として描かれてたりするアイツらだね。一度に六匹とか出るから地味にめんどくさいよね。

 このゲームでも僕らのいる街周辺の、最もレベル帯の低いマップに登場するけど、最初の街補正なのか四匹以上で群れてるのはあまり見かけないね。


「いーっち、にぃーっ!」

「いちにっさんっしっ!」

「いーっち、にぃーっ!」

「いちにっさんっしっ!」

「声がちいさぁーい!!」


図書館の本によると臆病で単独行動を好まず、石で叩いて延ばした木の皮を衣服のように身に纏ったり武器を持ったりするくらいの知性が有るモンスター。どこから布持ってきてるのかなと思ったら木の皮だったのは衝撃だよ。

 で、どういう話かというと、初手から高レベル帯に突っ込んだり、移動のために極力スルーしたりしていたゴブリンさん達を改めて大量にしばき倒さなきゃダメなわけ。でも今更戦っても経験値やスキルの練習的には欠片も美味しくないわけで。


「いちねーん! だらしないぞーっ!」

「…………」

「どうした声出せーっ!」

「…………」


 発破をかける僕の後ろで、声もなくバタバタと倒れていく一年生ゴブリン達。

 ちなみに、走る時の掛け声は陸上部の掛け声を採用するか野球部の掛け声を採用するかでクロともめた結果、サッカー部の掛け声だよ。


「せんぱぁーい! 頑張ってー!」


 声援と共に進路方向に投げ込まれるボトル。そこから湧き上がるカラフルな霧に突っ込めばミストシャワーのようにスッと涼しくなる。横を見れば女子マネがはにかみながら給水用のボトルを先輩に渡す、そんな青春の一ページ……

 まあ、ミストシャワーじゃなくて毒霧だし、渡されてるのはスキル上げ用の毒薬なんだけどねっ!


「はぁっ、はぁっ……」

「スミスさん大丈夫?」

「この一周が終わったらちょっと休憩に入るよ……」

「了解! 水分補給もしといてね! はいいーっち、にぃーっ!」

「いちにっさんっしっ!」


 マップをフルに使った走り込みコースと、スタート地点での毒霧による一年生(ゴブリン)へのしごき、水分補給を兼ねた毒薬で耐性スキル上げも併用。足りない負荷は各自ウェイトをプラス。

これが普通に戦っても恩恵が無いなら自前で負荷をかければいいじゃない。略して『地獄の走り込み作戦』の全容だよ! フル装備+重りで一年生のペースに合わせてもしっかり負荷がかかる安心設計! 今回は危険も少ないということでスミスさんの運動不足もついでに解消しちゃおうっていう欲張り企画!

 スミスさんが作った今までと同じデザインで妙に重たい道着に老師のテンションが爆上がりしてたけど、なんか男子ってそういうの好きだよね……?




「ふうっ、いい汗かいたねー!」

「半分くらい脂汗だったけどな…… うっぷ……」


 四時間くらいがっつり走って気分爽快。さて、ドロップ品の確認の時間だね。装備の類は…… こん棒と、腹巻……? いかにも弱そうだけどとりあえずけっこうな数は有るし、呪いの装備もそれぞれ二つか三つくらいは落ちてるかな?

 そして装備もしょぼいけど装備以外のドロップも使い道が全然なさそうだよ……


「クロー、走り込みの成果どうだった?」

「人に聞く前に自分が言えばいいんじゃねえの?」

「僕は対応スキルないからね。呪い耐性も近頃伸び悩んでるし、そろそろ攻撃スキルも欲しいんだけどなあ」

「俺に言うなよそれを……」

「『たたかう』でダメージ稼げるならそれでいいじゃん?」


 文句を言いつつ、自分のスキルリストを開いて確認するクロ。僕もスキル増えてたりしないかな。途中からはいつもの【汎用魔法】スキル空撃ちしてたんだけど。でも今はどちらかというと【斬撃】の方の新スキルが欲しいよね。


「ああ、【脚力強化】の熟練度が切りのいいところ超えてAGIの補正が1上がってるな」

「蹴っていい?」

「なんでだよ!」

「僕の方は新スキルが無かったからだよ」

「あーはいはい」


 マラソンを三時間ほど続け、宿屋に帰って来て戦利品を確認しつつクロと駄弁る。あ、この腹巻呪いの装備だ。

 ちなみに蹴らなかった。なんでか知らないけど宿屋に帰って来たのに防具付けたままだし。


「ふうっ、二人ともお疲れ様。戦利品の確認かい?」

「あ、スミスさんお疲れ様~」

「お疲れ様です」

「クロ君、新しい装備の使い心地はどうだったかな?」


 と、そこに井戸で汗を流してきたらしいスミスさんが合流。早速クロに防具の使用感を尋ねた。


「一日つけてみた感じ、走ったり戦ったりもどうにかなりそうな感じでしたよ。これ以上防御力を厚くすると正面との戦闘以外が難しくなりそうなギリギリのラインって感じです」

「ふむ、なら後は関節部分に十分な耐久性が有るかどうかかな。特にガントレットが細かいから不安だね」

「今日は攻撃を受ける状況にはなりませんでしたから、その辺りはまだ分かりませんね」

「それを使って硬いものを何度も殴りつけるような使い方は出来れば避けてほしい所だね」


 ここ数日は大きな活動はしてなかったけど、それは別にサボってたわけでも楽をしてたわけでもなく、

 材料を確保し、貸し工房を探し、何回も試作とフィッティングを繰り返し…… ついにスミスさんも金属製防具製作へのデビューを果たしたってわけ。で、しょっぱなから全身鎧の製作に挑んだ成果物が、クロの今つけている防具一揃い。

いいなあ。新装備。


「防御力や頑丈さを調べるのは明日以降になるのかい?」

「明日はダンジョンアタックするって言ってたんでたぶん明日は戦うことになると思います。防具の強度に見合った敵が出るかどうかは分かりませんけど。スミスさんは明日はどうするんですか?」

「明日はユーレイ君の新装備の研究と試作とだね。あと、布製防具に関しては随時更新していくつもりだから良さそうな蔬菜はとりあえず持って帰ってきてくれると助かるよ」

「まあ、いつも通りですね……」


 会話しつつ、一日つけていた防具のチェックを進めていくスミスさん。鋲や留め具がへたれたり緩んだりしてないかとかを見てるのかな?

 ここ数日の成果物の一つである蒸しパンを食べながら、ぼんやりと二人のやり取りを眺める。結局今日の戦利品で呪いの装備は腹巻が一個だけ。ゴブリンってあんまり呪いの装備落とさないとかそういう感じなのかな……


「ふむ、見たところ関節部の構造なんかはこのままで良さそうだね。暑さや寒さ、着てる間の負担なんかはどうだい?」

「動き回るとかなり暑いし蒸れる感じがします。寒い所には行ってないので分かりませんけど寒さにも弱い気がします」

「ふむ、そこを補うような効果はどうも金属製の防具とは上手く合わないようでつけることが出来なかったんだ。鎧下に着こむか、クロ君に自力で克服してもらうことになりそうかな」

「あー、スキル枠に余裕があるなら自力で何とかする方が総合的には強くなりそうですね。出来る限り自力で何とかします」


 なるほど、今後凄く寒いマップとか、凄く暑いマップとかが有る可能性は高いもんね。というか僕も全然他人事じゃないねこれ? 一度着込んだら脱げないとか、寒さはともかく暑さにどう対処したらいいんだろう……


「いっそ逆に暑くなるようなもの着込んでさっさと対応スキルが有るか確認しちゃうっていうのはどうかな!」

「なるほど、暖かい衣服を作るめどは立っているからそれも可能だね」

「30レベルになってスキル枠が増えても他に取れるスキルが無かったらその時はお願いします」


 ちょっとした茶々を入れたくらいのつもりだったんだけど…… まさか乗っかって来るなんて。いや、必要そうならどてら着せて炬燵に沈めるくらいのことはやるつもりだったけどね?


「あとは、兜だね。今までと比べるとかなり面積が広いし、重かったと思うんだが」

「どうしたってちょっと視界は狭いですね。息もこもりますし。あ、耳栓はホント助かりました」

「ガッチャンガッチャンうるさかったもんね。あれ? もしかして、走り込み中の細かいネタスルーしてたのって」

「頑張れば聞き取れないことは無かったが、大事な話ならパーティーチャット使うだろうと思って無理に聞こうとはしてなかったな」


 蹴った。むこうずねを思いっきり。通りでなんか静かだなあと思ったら! いや、今日も老師は五月蠅かったけど!


「重い! 硬い!」

「いや何がしたいんだよお前……」

「うるさい! 【マナバレット】!」

「あだっ!」


 そんなやり取りに、スミスさんがポツリと一言。


「ふむ、やっぱり魔法攻撃はほぼほぼ素通りか……」

百話記念ということで活動報告か何か使ってちょっとしたリクエスト企画でもやろうかなと思います。

感想欄に書きこんじゃっても大丈夫です。

具体的な例が無いとピンと来ない方は


ユーレイちゃんが昔やった他ゲーの短編

クロ視点でのスカート捲り騒動&アフター

リンドウちゃんのお料理地獄 ―惨―

老師がナンパにチャレンジする話

スミスさんが一人マッドに制作活動する話

そんなことより本編


辺りでしょうか。書くのにどれくらいの時間がかかるかはそれぞれ不明です。

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