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第1章 死はプランBだった

第1章 死はプランBだった


 目を開けた。


 金色の天井。クリスタルのシャンデリア。悲鳴を上げるメイドたち。


「お嬢様がお目覚めに!」

「お医者を! 急いで!」


 ベッドで起き上がる。目の前に鏡。

 長い黒髪。紫の瞳。金糸で刺繍された黒いドレス。

 リディア・フォン・ローゼンベルトの顔。悪役令嬢。


 私は死んだ。元の世界で。交通事故で。

 死ぬ前に読んでいた小説『宮殿の花』の――

 そしてこの女は、5話で処刑される。


『おめでとう。あなたは最終ボスの悪役令嬢に転生しました』

 頭の中に声。システム?


 メイドが走ってきた。「奥様、皇后陛下がお呼びです。今すぐに」

 心臓が沈んだ。原作の最初の罠だ。

 皇后は私が皇太子の紅茶に毒を入れたと罪を着せる。


 行けば死ぬ。

 逃げれば死ぬ。


 立ち上がる。ドレスを整える。「行くと伝えて」

 ゲームをしよう。でも、私のルールで。


 私は処刑される悪役にはならない。

 エンディングを書き換える悪役になる。


――第1章 了――

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