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地雷をふむ

作者: 椎名正

 差別する意図はありません。

 それだけは信じてください。


 今回の件は本当に申し訳ありませんでした。

 全面的に私達が悪く、宇宙条約に従い賠償をさせていただきます。もちろん、その他の要求があれば、可能なかぎり応じるつもりです。

 そちらの星に不当廃棄をしてしまったのは、有人惑星であることに気がつかなかったせいで、そちらの種族を軽んじての行為ではけしてありません。

 あれは一種のジョークでして。

 違います。違います。そちらを馬鹿にする意図はありません。あの像を置いたこちらの青年宇宙パイロットも、元がジョークだったのは知らずに、やらなければいけない儀式みたいに伝わっていたみたいで。

 四十年前ぐらいですか、まだわれわれが大宇宙連合の存在も知らず、地球と呼ばれる星から進出しようとしていました。我々にとって未知である他の星に調査の宇宙船をたくさん派遣していきました。そのとき、一番手の調査隊が、調査する星にあの像を置いて、次に来た調査隊がその像を見てびっくりした演技をするのが、ちょっとしたジョークとしてはやりまして。

 何が面白いのか、わからないですか?

 そうですよね。今の説明だとわかりませんよね。

 我々の古典映画に、とある惑星に不時着してしまった宇宙パイロットが、その星にあるあの像を見てびっくりするシーンがあるんです。そのシーンを再現したジョークなんです。

 そうですよね。わかりませんよね。

 その映画のタイトルですか?

 いや、

 それは、

 その、

 猿の惑星、です。

 違います。違います。そちらの猿系星人の方々のことではありません。宇宙で長年不当な差別に苦しみ、ようやく権利を勝ち取った、そちらの方々を揶揄するものではありません。

 その映画の内容ですか?

 あの、

 その、

 その映画が作られたのは、ものすごく昔で。今の我々はけしてあなた達を差別する気なんてないことはわかってください。

 ええっと、

 その映画の内容は、

 下等なはずの猿に、われわれが支配されてしまう恐怖を描いたものです。


    おわり


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